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ぶろぐHELLO,IT’S MIN.

音楽、読書、映画、TV。℃-ute筆頭にハロプロと少しの日記。
そんなスタンスの“ブログはろみん”をよろしく。。。

帝都東亰物語

2008年08月10日 | book
帝都衛星軌道 (講談社ノベルス シC- 24)
島田 荘司
講談社

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都内で起きた誘拐事件に警察は万全の態勢で臨むのですが、身代金受け渡しに山手線をして指定してきた犯人にまんまと出し抜かれてしまいます。その上、身代金を運んだ母親が謎の失踪。事件の裏に潜んでいた衝撃的な真実とは・・・。

相変わらず島荘氏の読み物は力技で捻じ伏せられる感じがするのですけど、解りやすいトリックは健在ですね。幕間的に挟み込まれた「ジャングルの虫たち」が本編にどう関わってくるのかを楽しみに読了しました。でも、直接的には関係無かったようです(笑) しかし、このお話があるお蔭で長編としても味わい深いものになっています。しかし御手洗潔シリーズの長編って始めてかもしれない。少し積読を減らそうかなぁ(笑)

ウエストウッドの魔女たち

2008年07月30日 | book
西の魔女が死んだ (新潮文庫)
梨木 香歩
新潮社

I know

魔女の系譜ってあるのでしょうか。中学校へ入学した少女:まいはどうしても学校へ足が向かなくなります。そして初夏を迎える季節に西の魔女の元で魔女修行を始めるのです。西の魔女とはまいの大好きなおばあちゃんのこと。彼女の教えはデリケートなまいを自然な暮らしへと誘うのです。たぶんおばあちゃんも今のまいのように、世の中の負な部分に傷つけられたり、闘ったりしてきたのでしょうね。魔女修行という名の愛情。大切なのは“自分で決める”ということ。そこに後悔が発生してもそれは自分が決めたことだから、1度凹んでも立ち上がることが出来るんだね。

ラスト3ページが素敵すぎます。単なる少女の成長物語では終らないエンターテイメントの粋をここに見ました。面白かったです。ありがとう。。。

まどろみから始まる物語

2008年07月27日 | book
カフーを待ちわびて [宝島社文庫] (宝島社文庫 C は 2-1)
原田マハ
宝島社

もし絵馬の言葉が本当なら、
私をあなたのお嫁さんにしてください――。


第1回日本ラブストーリー大賞受賞作品。「果報」とか「幸せ」と言う意味での沖縄言葉が“カフー”。「果報は寝て待て」の果報ですね。だから中休み(ナカユクイ)と呼ばれるお昼寝から物語が始まるわけではないのでしょうけど、不器用な島の男:明青の元にお伽噺的な美(チュ)らさん:幸が「お嫁さんにしてほしい」と現れるお話の導入部としてはとてもステキです。舞台は沖縄の離島。日差しと木陰が織りなすコントラストを感じつつ緩やかに流れる時間に身を委ねる。そんな読書でした。

口下手な主人公の所為で(笑)いつまでもミステリアスな幸なのですが、あちこちに張られた伏線は解りやすいので物語の展開はけっこうバレバレ。この辺りはミステリ読みの悪い癖かもしれません。もちろんミステリィではなくラヴストーリィなのだから、王道で良いのでしょう。きれい事でも、真の悪役が登場しなくても、登場人物に感情移入して物語に浸れば良いだけ。しかし歯痒さにちょっとイライラしてしまうのは僕が明青のように純粋では無いんだろうな。不幸な方向に進まないで欲しいなと思いながらの読了。ハッピーエンドとは言えないのでしょうけど、ポジティヴな気持ちに溢れたエンディングが爽やかでしたね。

ここからは普段あまり書く事の無い僕自身のお話。この作品を読んでいて思ったのは、今更文章にすることも恥ずかしいのですが“家族”が苦手、というかもしかすると避けている部分があるのでしょう。主人公とヒロイン、そして裏屋に住むおばあとの関係がじつに家族であって、それ自体は微笑ましく思うのですが、いざ自分に置き換えてみると何故かしっくりこない。たぶん僕に欠けている感情の一つ。自分が自分である事がやっぱり大事で、他者の気持ちの介入が苦手。怒られるかもしれないけど煩わしく感じることもあります。一般常識くらいの人付き合いが精一杯。ここで謝っておきますね。ごめんなさい。それでも大事な気持ちはやっぱり言葉にしなきゃ伝わらないし、相手の気持ちに応えることも大切。この辺りが僕の課題だな。。。

天才美少女陰陽師ここにあり

2008年07月26日 | book
探偵小説のためのヴァリエイション 「土剋水」 (講談社ノベルス フJ- 5)
古野 まほろ
講談社

古式ゆかしい温泉で突如起こる3人殺し!
犯人は・・・・・・あたし!?


探偵小説シリーズ第2作。競技かるたタイトル戦をめぐり発生した陰惨な3人殺し。主人公のかるた名人、不思議系妄想少女:あかねが逮捕されちゃうのですが、例によって天才美少女陰陽師(自称》コモが超絶論理探偵術を発起します。コモってば、星の並びから犯人なんて一発で解ってしまうのですが、論理で犯人を追いつめる事が趣味だなんて(笑) 謎解きになるとこれでもかと本格。しかし陰陽師と怨霊とのバトルシーンあり。個性的なシリーズですよね。個人的には天帝シリーズの方が好きですが、これも嫌いじゃないなぁ。

Xシリーズと思い込んでいたよ。

2008年07月16日 | book
カクレカラクリ (講談社ノベルス モF- 42) (講談社ノベルス モF- 42)
森 博嗣
講談社

120年前
天才絡繰り師が残した謎とは!?


タイトルがカタカナの羅列だったので素直にXシリーズの新作と思い込んでいました。読み始めて「あれ、これって?」と気づくなんて(笑) あれですよ。本は未読でドラマを観てしまったあれです。でも殆どドラマの内容は覚えていなかったな。暗号だけはしっかり覚えていましたけど。

廃墟マニアの郡司と栗城が、大学の友人(?)花梨に招かれ奇妙な伝説が今も伝え残る彼女の故郷を訪れます。明治時代に作られた絡繰りが村の何処かに隠されていて120年後の今年、動き出すという。興味を持った郡司たちは村を探索するのですが・・・ってお話。

暗号解読だったり、謎解きの部分が多いのですがあまりミステリィっぽくないのはどうしてだろう? 森センセの書く物語はやっぱり雰囲気で読む部分が多いことは今更書くような事でもないのですけど、この小説って独特なイメージがありますよね。クーラーのいらない農村の夏休み。冷蔵庫ではなく水で冷やしたコカ・コーラ。なんか純文っぽいという感じ。それでもセリフは如何にも森センセっぽい。これ好きですね~。森作品の中では僕の上位に入ります。そして、この作品を講談社ノベルスで読めるなんて、とっても嬉しいです。。。

本格か? アドベンチャーか?

2008年07月11日 | book
双面獣事件 (講談社ノベルス ニF- 13)
二階堂 黎人
講談社

美貌の名探偵 VS.醜悪なる魔獣

厚すぎて暫く積んでいた蘭子シリーズの巨編。奄美で繰り広げられた醜悪な“双面獣”による殺戮事件に名探偵二階堂蘭子が挑みます。昭和45年の事件という事なので、たしか大阪万博があった年ですよね。僕が迷子になった万博ですよね?(そんなこと誰も聞いてない) そんな年が舞台なのに魔獣による大量殺戮事件、ってどうだろう? 魔王ラビリンス絡みとはいえ、乱歩趣味とはいえ、本格から離れていく印象が強いなぁ。読み応えは充分なのですけど、事件自体の謎解きにカタルシスを感じなかった感じなかったことも確かです。しかし独特のおどろおどろしさと、派手な展開(まるで島荘かと思うくらいに)で読み物としての面白さは抜群でした。厚かったけど(笑)

ご存知〈古典部〉シリーズ第3弾!

2008年06月24日 | book
クドリャフカの順番 (角川文庫 よ 23-3)
米澤 穂信
角川グループパブリッシング

古典部を襲う“最悪”のトラブル!

3日間に及ぶ学園祭が始まったのですが、我らが古典部では大問題が発生! 文集「氷菓」を手違いで作りすぎてしまった為、在庫の山を抱えると同時に部員も頭を抱えるのです。そんななか学内では謎の連続盗難事件勃発。一見無作為なイタズラとも思われる事件解決に古典部は立ち上がります。事件を解決して知名度を上げ、文集を完売するのだ! 

久々にミステリ読みなMIN.です。ミッシングリンク、そして事件の真相、その動機は・・・良く出来たお話ですね。非常に読み易い文体と個性的なキャラ、視点の変化と共に全体を眺められる構成、しかしそれこそがトリックの一部。ちょっと切ないところが僕好みでもあります。

グイン帰国

2008年06月13日 | book
サイロンの光と影 (ハヤカワ文庫 JA ク 1-121 グイン・サーガ 121)
栗本 薫
早川書房

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古代機械によって記憶を修正されたグインはケイロニアへ久々の帰国するのですが、待っていたのは歓喜の声だけではありませんでした。グインの妻シルヴィアのただならぬ状況にさすがのグインも頭を抱え込んでしまう事態に陥ります。お話があまり好みな方向ではなかったのでイマイチ読後感が良くない。続きが読みたいような読みたくないような・・・。確かにここで終るか! って感じなのですが(^^;

その当のシルヴィアなのですが、僕はかなり同情的に見てしまいます。確かに愚かではあるのですが、あまりにも酷な役を振られてますね。ある意味自分に正直な彼女にグインは恋してる(?)わけで、外伝1巻へとお話は近づいていることを考えてもこの大事件の収束は如何なものになるのでしょうか・・・。

水車はまわる

2008年05月31日 | book
水車館の殺人 新装改訂版 (講談社文庫 あ 52-19)
綾辻 行人
講談社

これぞ本格ミステリの構築美!

『十角館の殺人』が新装改訂版で再文庫化されたことを考えればシリーズは順次刊行されるのでしょうか・・・ってことで『水車館の殺人』です。仮面の当主。孤独な美少女。そして中村清司の館・・・。一年前の嵐の夜に起こった悪夢のような惨劇がまた繰り返されるのか。初めてこの作品を読んだときにもメインのトリックは安易に気づいたのですが、とにかくその幻想的な館に獲り込まれた感じでした。当の水車館が建っているのが岡山県の山間部という設定の所為もあるのでしょう(笑)

しかし再読は何年ぶりだろう? 今回は意外と館の印象が薄かったかも。その分キャラに感情移入したようです。え、誰って? ほら、それはやっぱり、ネ(にこっ) 

深化(トランジット)へ

2008年05月05日 | book
TRANSIT(トランジット) 1号 ~美的中国 (講談社Mook) (講談社MOOK)
講談社
講談社

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トラベルカルチャー・マガジンとして年に何度か刊行されていた『NEUTRAL』が装いも新たに『TRANSIT』として新発刊されました。出不精な僕は旅の趣味なんて無いのですが、この講談社MOOKは本当にお気に入りなのです。とにかく特集記事のクオリティと情報量が圧倒的。そして息をのむが如く惹き付けられる写真の数々。今号はオリンピックに向けて良くも悪くも注目されている国:中国を、その歴史から現在の姿までをゆっくりと旅することが出来る特集が組まれています。実際に旅する人々にとっても興味深い記事が多いのではないでしょうか。雑誌としてはやや価格が高めですが、コレはちょっとお薦めです。。。

あやかしの詩人

2008年05月04日 | book
ドグラ・マグラ (ハヤカワ・ミステリ 276)
夢野 久作
早川書房

非日常へトブのに、薬なんて必要ない!!
この物語を一枚めくれば、忽ちに!!
―――喜国雅彦氏推薦


先月から読み始め、約2週間かかって読了したこの作品。たまたま古書店でこのハヤカワ・ポケット・ミステリ版を見つけ、喜国氏の帯に惹かれて購入しました。このタイトルだけは知っていても、実際には読むことは無いだろうと思っていた『ドグラ・マグラ』。ミステリ界に燦然と輝く変格の雄。読み始めは相当苦労しました。しかしその異様な雰囲気に馴染み始めると、続きが気になってしまう。もちろんミステリとしてのエレガントな結末は? なんて気持ちはどうでもよくなってしまう。語り口は非常に軽快だったりするので、そこがまた怪しい。しかしそれはちゃんと演出されたもののように思われるので、エンタテイメントとしての本書に感動さえしてしまいました。え、どんなストーリィかって? それはどうぞそれぞれにご確認ください。決してお薦めはしませんが(笑)

マーティ、君は素敵だよ。

2008年04月29日 | book
い~じゃん!J-POP -だから僕は日本にやって来た- マーティ・フリードマン
マーティ・フリードマン
日経BP出版センター

日本人なのにJ-POPを聴かないなんて“灯台下暗し”だよ

なぜ彼は世界的なバンド「メガデス」を脱退しB’zと松浦亜弥の国にやってきたのか?

元メガデスのギタリスト、マーティ・フリードマン。メガデス自体がゴリゴリのガリガリなメタル・バンドなのであまり詳しくは知りませんが、彼の名前くらいは知っていました。相川七瀬のバンドでギターを弾いている彼を見て「ほぅ」と驚いたものです。以来色々なTV番組とかで彼の姿を観て、「日本語上手いな~」と思っていましたが、こんなにもJ-POP好きでその挙句日本に住み着くようになったとは(笑) この本は彼が音楽に目覚めた頃から、J-POPに導かれ在日するまでの半世紀+彼なりのJ-POP分析を纏めた本です。

彼が選ぶJ-POP極私的TOP40がじつに興味深い。中でも松浦亜弥の存在。と言うかプロデューサーつんくと松浦亜弥の仕事ぶりに絶賛の拍手状態なんですね。音楽の批評と言うとつい粗探しになりそうなのですが、彼の場合“面白いとこ探し”がメインなので非常に好感が持てます。ポジティヴな意見がとっても心に残ります。ある程度バンドや音楽を齧った人にとっては、彼の思いや感想が手に取るように解るでしょう。そして理解し易い。何よりも彼のJ-POPへの愛情がハンパじゃないですね。感想とか批評は個人的な好みが出ていいんだよね、マーティ。。。

世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし

2008年04月19日 | book
毒草師―QED Another Story (講談社ノベルス タS- 23)
高田 崇史
講談社

『伊勢物語』と「一つ目の鬼」。
旧家連続失踪事件真相は!?

「一つ目の鬼を見た」と言い残して旧家の人々が密室と化した離れから次々と失踪。さらに毒殺事件が発生し捜査は混乱。医療業界向けの出版社に勤める主人公:西田は事件の調査に駆り出されるのですが、判らないことばかり。毒殺、ってことで隣人の毒草師:御名形史紋へ相談を持ちかけるのです。

QEDシリーズのアナザー・ストーリィってことで、タタル&奈々は登場しませんが、例(?)の毒草師が活躍します。モチーフは『伊勢物語』と在原業平。なぜタタルのQEDシリーズではないのかが不思議に思いながらも、主人公:西田のキャラが軽めなのでシリーズよりも読み易く、説明も噛み砕いた表現なので理解し易い印象です。しかし後半から毒草師大活躍。事件解決シーンは正に本格。横溝ふうの因縁めいた旧家でのどろどろした事件ですからね。そういう意味でも本格じゃないですか。非常に面白かったです。この毒草師シリーズも次作が出ているようです。面白そうですが、講談社ノベルスになるまで我慢でしょうか。

ちなみに記事のタイトルは『伊勢物語』ではなく『古今和歌集』ですね。。。

まほまほ新シリーズっ!

2008年04月15日 | book
探偵小説のためのエチュード「水剋火」 (講談社ノベルス フJ- 4)
古野 まほろ
講談社

美少女陰陽師 対 怨霊!
新時代青春ミステリの扉が今開く!!


天帝シリーズも最初は読み難かったよね~。この“探偵小説”シリーズもなかなかの代物でした。過去の過ちの為、帝都から転校してきた水里あかねが出会ったクラスメートの美少女:るいか。彼女は最強の陰陽師だった。でも、変わり者なんですよね。彼女のキャラや周囲の暖かい歓迎に心癒されるあかねだったが、そこで不可思議な爆発&転落事故に遭遇してしまいます。で、美少女陰陽師の推理が炸裂。推理? 陰陽師が? そうなのです。怨霊相手に論理で真相を暴く。捻くれた本格スピリットやねぇ~。おまけに怨霊も物理トリック使いだったりするので(笑)

続きは読むかな~。どうかな~。個人的には天帝シリーズの方が好きです。

リンダ リンダ リンダ

2008年04月11日 | book
来年は“グイン誕生30周年”を迎えるのですね。巻数も120になりましたか。って事で『旅立つマリニア GUIN SAGA 120』読了です。誰が旅立つのかは、ほら、だいたい想像が付きますよね。ケイロニアからのお迎えが来たグイン。なわけが無いでしょう(笑) いや、確かにグインが旅立つのは間違いないのですが、マリニアって印象ではないですからね。正解は・・・そう、彼女です。

「マリウスってば、しょうがないなぁ」なんて思いながらこの120巻目を読んでいましたが、やっぱり憎めないキャラでした。彼のキャラって嫌いではないので、ついつい同情的になってしまいます。吟遊詩人として自由な風の如く旅暮らしをしているのが彼らしいのでしょうけど、ここはやっぱり男気を見せないとね。で、彼をそんな(どんな?)思いにさせたのは女王リンダでした。パロ復興の為にと不安や悲しみを押し殺して頑張るリンダ。その姿がとても健気です。 最愛のナリスを亡くし、これからの彼女の人生に光を与えてくれるのは誰なのでしょう。光の皇女はやっぱりリンダその人なのでしょうから。。。

個人的な妄想なのですが、リンダは僕お気に入りの℃‐ute:まいみぃとイメージが重なったりします。あ、だから妄想だと先に書いたでしょ。ツッコミはスルーします(笑)