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ぶろぐHELLO,IT’S MIN.

音楽、読書、映画、TV。℃-ute筆頭にハロプロと少しの日記。
そんなスタンスの“ブログはろみん”をよろしく。。。

緋鯉を背負っておともだちパンチ!

2009年01月05日 | book
夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
森見 登美彦
角川グループパブリッシング

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夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、そして大学の学園祭に。慎ましやかな好奇心をキラキラした瞳に輝かせた“黒髪の乙女”が歩きます。そんな天然乙女を一途に恋焦がれ、ちょっとでも近づきたい先輩。もちろんそんな気持ちなどつゆ知らぬ乙女。彼女の行く先々に一生懸命足を運んでいるのに「奇遇ですねえ」「たまたま通りかかったものだから・・・」何度繰り返しても同じ挨拶w

この乙女の天然ぶりと先輩のへたれぶりがめちゃめちゃキュートなんですよ。そして個性溢れる曲者キャラが暴れまくり珍事件のオンパレード。これは“お伽噺”というのが正しいのかもしれません。お伽噺ってときにドタバタであったり猥雑であったりするじゃないですか。なんでもありのご都合主義w またそれもいとおかし。そう言えば「うる星やつら オンリーユー」にも通じる所があるなぁ。ドタバタ学園祭のお話もあるからでしょうけど。

とにかく既成概念をとっぱらって想像、妄想の世界を乙女、そして先輩といっしょに歩きましょう。あまりに想像の翼を広げ過ぎると悪酔いするかもしれませんねw

おともだちパンチが何であるかは、読んでからのお楽しみ。。。

あなたの側に異界への扉開いています―――。

2008年12月19日 | book
忍び寄る闇の奇譚 メフィスト道場1 (講談社ノベルス)
はやみね かおる、初野 晴、西澤保彦、
真梨幸子、村崎 友、北山猛邦
講談社

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雑誌『メフィスト』からの新感覚ミステリ・アンソロジー。というか、これはホラー短編集ですね(笑) SFカテゴリーのはやみね作品「少年名探偵WHO 透明人間事件」が一番本格ミステリしていたかもしれません。中でも僕のお気に入りはタイムトラベルを扱った初野 晴作品「トワイライト・ミュージアム」。博物館もの(そんなジャンルがあるのか?)が好きな僕にはうってつけの作品。でも雰囲気が良かった所為か読み終わるのが勿体無くて、これは長編で読みたかったかな。他作品もしっかり仕掛けのあるホラー作品だったのでやや読書離れ気味の今でも集中的に読むことが出来ました。面白いものはやっぱり面白いってことでしょうね。。。

『ミロクの巡礼 GUIN SAGA124』

2008年12月14日 | book
ミロクの巡礼 グイン・サーガ124 (ハヤカワ文庫JA)
栗本 薫
早川書房

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舞台はケイロニアから草原地方へ。中原の未来を占いに於いてキーになるであろうミロク教。静かな革命が起こらんとする予兆がありますね。そして聖地ヤガへ向かうキャラが1人。ん、1人じゃないか。ともあれ、新たな舞台が用意されたグイン・サーガはますます目が離せない状態です。続くことが当たり前と勝手に思っている物語なのですが、あとがきでも書かれている通り栗本薫さんの身体は万全ではないようです。無理をしない程度に書き続けてくださいね。

サード・ガール

2008年12月04日 | book
第三の女 (クリスティー文庫)
アガサ・クリスティー
早川書房

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ずいぶん久しぶりのクリスティーです。なんとなく年末が似合うと思うのはぼくだけでしょうか?(笑)

「私は殺人を犯したのかも・・・」とポアロを訪ねてきた若い女性。しかし彼女は結局相談することなく立ち去ってしまう。興味を惹かれたポアロが死体なき殺人事件に挑みます。しかしハードボイルドちっくな導入部だね~。タフでニヒルな探偵が似合いそうな事件の展開。しかしポアロですからね。事件の面白さについつい夢中になってちょっと睡眠不足かもしれない。ポアロももちろんですがオリヴァ夫人のキャラが素敵です。ポアロといいコンビですね。

館はやっぱりノベルスでないと。

2008年11月23日 | book
びっくり館の殺人 (講談社ノベルス アI- 11)
綾辻 行人
講談社

 十年前のクリスマスの夜―――
 その屋敷のその密室で
 ぼくたちは何を見たのか?


タイトルに書きたい事を書いてしまったので、
後はいったい何を書けばいいのか?(笑)

綾辻氏の『十角館の殺人』を最初に読んだのは文庫版でしたが、やっぱり館シリーズはノベルス版でないとしっくりこないですよね。京極氏の妖怪シリーズがやっぱりノベルス版でないとって気持ちと同じ(ん、どっちが先だ?)。道尾秀介氏との巻末袋とじ対談付きというお得な本、みなさまのお宅にも1冊いかがです?

ともあれミステリーランドの1冊として刊行されたこの作品がノベルス版として世に出たことが素直に嬉しいです。もちろん親本も購入して読んではいるのですが、細かいところはけっこう忘れているものですね。深夜に再読していたら、なかなか惹き込まれました。しかし、怖いお話ですよね。絶対に子供が読んだらトラウマになってしまう。まぁ、それが狙い(?)なのでしょうけど。

内容に触れていないけど、まぁいいか~(笑)

学園ミステリ・オムニバス

2008年11月19日 | book
学び舎は血を招く メフィスト学園1 (講談社ノベルス-メフィスト学園 (メA-01))
竹本 健治、楠木 誠一郎、古野まほろ、福田栄一、日日日、門井慶喜
講談社

当校ではミステリが重点教科です―――

講談社メフィストから届いた学園ミステリ傑作選。元々学園ミステリとか青春推理辺りからミステリに馴染むようになった僕なのですが、基本は長編嗜好なのでオムニバス短編集だと少し勝手が違うようです。過去読んだことがある作家は竹本氏と古野氏だけ。初読み、入門編としてはこんな本が最適かもしれませんね。しかしまほまほは相変わらずと言うか、短編でもこれをやられるとさすがに何だか解らなかった(笑) 面白かったのは日日日氏「かものはし」。変わる視点を使った仕掛けがなかなか興味深かったです。

遥かノスタルジア

2008年11月06日 | book
社交ダンスが終った夜に (新潮文庫 フ 15-6)
レイ・ブラッドベリ
新潮社

八十八歳の〈生ける伝説〉、
ブラッドベリ待望の短編集


未だハイティーンだった頃、萩尾望都のコミック版でその名を知り、その後文庫本を読み漁ったブラッドベリ作品。『ウは宇宙船のウ』『10月はたそがれの国』『何かが道をやってくる』『火星年代記』etc... 煌くようなSF短編、心地よい湿度のダークファンタジーに心震えた日々。あの頃は、若かったから素直に感動したんだろうか? もちろん今読み返しても好きな作品はやっぱり好きなんだけど、今回新潮文庫から出たこの『社交ダンスが終った夜に』はちょっと印象が違いました。あぁ、これ好きだな~って短編は3本くらい。後は・・・まぁ、読み流してしまいそう。お気に入りは「頭をよせて」「時の撚り糸」「秋日の午後」かな。ブラッドベリ作品は未来が舞台だったりお話にインターネットが出てきてもやっぱりノスタルジーに浸ってしまう雰囲気って嫌いじゃないです。。。

ちなみにコミック版。これ、名作です。
ウは宇宙船のウ (小学館文庫)
萩尾 望都
小学館

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名探偵の奇跡

2008年11月02日 | book
レイニー・レイニー・ブルー (カッパ・ノベルス)
柄刀 一
光文社

 探偵だって
 奇跡を願っている。
 たとえば、
 立って歩くこと。


車椅子の名探偵というと、「鬼警部アイアンサイド」(って古いなぁ)ですが、この柄刀作品にも個性的な車椅子探偵が登場します。カラーコンタクトを常用し、スポーツタイプの車椅子を操る青年:熊谷斗志八。鋭利な眼光と頭脳、毒を含んだ発言の為“車椅子の熊ん蜂”と呼ばれる彼と、介護福祉士の鹿野真理江が幾つかの不可思議な事件に巻き込まれたり、立ち向かう様を綴るミステリ短編集。どのお話も社会性を含んでいるのでやや重い印象もあります。探偵とワトソン役がちょっと異質ではあっても浮ついたキャラではない為、とにかく落ち着いているんですよね。しかし、トリックに関してはホントに鋭い。それはじつに短編向きな切れ味の良いものなので、謎解きの場面毎に唸ってしまいました。

お気に入り作品「仮面人称」はその雰囲気と事件の裏側に潜むおぞましさに。「百匹目の猿」は真実に至るまでのサスペンス感が絶妙です。まさにハイクオリティ。好みかと言うと、やや外れるかもしれませんが、充実した読書でした。今まで4年も積んでてごめんなさい(笑)

怖くて美しい謎。

2008年10月30日 | book
骸の爪 (GENTOSHA NOVELS)
道尾 秀介
幻冬舎

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霊現象探求家:真備とその助手:凛、そしてホラー作家:道尾が“血を流す仏像”“消えた仏師”の謎に挑みます。じつは道尾氏のデビュー作でもあるシリーズ1作目がかなりお気に入りの僕は、この2作目がノベルス版で出るのをジッと待っていたのです。夜、ベッドに入り眠りに就く前に少しずつ読んでいたのですが、これがなかなか怖くてね~(笑) 元々ホラーの要素がたくさんあるシリーズなのですが、謎解きとストーリー展開が本当に見事。しかも哀しいエンディング。これは暫く引きずりそうです。。。

31人いる!

2008年10月23日 | book
聖女の島 (講談社ノベルス ミB- 4 綾辻・有栖川復刊セレクション)
皆川 博子
講談社

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先週末からベリキューのファンサイトっぽくなっているので、
なんだか通常のらんれびが浮くなぁ(笑)

さて、講談社ノベルス:綾辻・有栖川復刊セレクションからの一冊。絶海の孤島に建てられた少女ばかりの更生施設。聖女のもとで厳格な暮らしをおくっていた31人の少女たちだったが、3人が不審死をとげ、ホームは炎に包まれるという事件が起こった。28人になった少女たち。しかし何度数えても31人いる! ホーム再建の為、島にやってきた修道女が見たものは・・・。

甘美というか耽美というか、なんとも幻想的なミステリィです。綾辻氏が推す気持ちが解りますね~(笑) 文体も含めどっぷりと孤島気分を味わう事が大切かな。あまり入り込みすぎると帰ってこれなくなる危険あり^^; 

探偵小説家

2008年10月19日 | book
赤死病の館の殺人 (カッパ・ノベルス)
芦辺 拓
光文社

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探偵:森江春策が活躍するシリーズ4作を収録した中短編集。心躍る謎のワリにはトリックが小さいなぁ~と感じた表題作と「疾走するジョーカー」。この2つは思い付いたまんまのトリックだったのでちょっとがっかり。お話は面白かったので残念でした。お気に入りは「深津警部の不吉な赴任」。タイトルの韻の踏み方が気持ちいい(そこかい!)。いえ、真相がとても面白かったから、ってことで。

島荘の奇想。

2008年10月14日 | book
UFO大通り (講談社ノベルス (シC-25))
島田 荘司
講談社

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まだ御手洗潔が横浜で石岡君とのんびり暮らしていた頃に遭遇した事件2本立て。鎌倉に出現した奇妙な死体と宇宙人による戦闘。目撃されたUFOと殺人事件の関係を紐解く「UFO大通り」。豪雨の中ずぶぬれになりながらも自分の傘を自動車に轢かせる女性。彼女はいったい何故そんなことをしているのかを安楽椅子探偵よろしく御手洗が推理する「傘を折る女」。この頃の御手洗潔はホント面白いですね。石岡君はもちろん周りの人間を振り回してはキッチリと事件を解決する。在りえない奇怪な謎を力技で解明するのが島荘流。ちょっと初期の作品とか再読してみようかな~なんて思ったり(笑)

序章って・・・(笑)

2008年10月13日 | book
風雲への序章 (ハヤカワ文庫 JA ク 1-123 グイン・サーガ 123)
栗本 薫
早川書房

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グイン・サーガ第123巻まで来て“序章”ってなに?(笑) 妻シルヴィアを思い遣るあまりに、ついに訣別の言葉を告げたグイン。そして皇帝アキレウスも大きな決断をここでしなければならなかった。一方、グインによって傷ついたイシュトヴァーンは首都イシュタールにてリハビリ中であったが、中原の行く末に自分の野望を重ね、やっぱり彼らしく最強の支配者への道を探すのです。

なるほど、こうやってグインはケイロニアの正皇へと落ち着いて行くのですね。愛するシルヴィア絡みの出来事では良い所がなく苦悩するばかりの昨今、まだ問題は残しつつもケイロニアは新しい豹頭の王を崇拝するようになるのでしょう。そしてゴーラのイシュトはというと・・・これからスーティーが大きな存在として物語を進めてくれることでしょう。。。

鴉は知っている・・・

2008年10月10日 | book
乱鴉の島 (講談社ノベルス アL- 13)
有栖川 有栖
講談社

 端麗な文章、
 精緻な論理、
 驚愕の真実・・・・・・


まづは、2007年本格ミステリベスト10 第1位に輝く本書が講談社ノベルス版で出たことに深く感謝します。臨床犯罪社会学者:火村英生と推理作家の有栖川有栖が休暇に出かけた先で辿り着いたのは鴉が乱れ飛ぶ絶海の孤島。そこには世間と隔離された生活を送る文学者、謎の医師、そして文学者を慕う何やらわけありな取り巻きたち。そして島はクローズド・サークルと化し、殺人事件が起こるのです。これぞ本格中の本格。

しかし・・・事件自体は地味だな~と思いながら読んでいたのですが、読み終えてしまうと、過度な飾りは必要なかったのだなと思い直しました。事件の裏側にある動機に関わる部分もありふれていると言えば確かにありふれているし、論理の展開は見事でもカタルシスを感じるとは言えない。しかしお話の全体を包んでいる雰囲気と浪漫にやられてしまったのです。

それは、彼が探偵だから

2008年10月05日 | book
探偵宣言―森江春策の事件簿 (講談社ノベルス)
芦辺 拓
講談社

 溢れる奇想、漲る機知。
 これぞ本格のビックリ箱!


この本もずいぶん長い間積んでいましたね~。芦辺作品も読んだものは数えられるくらいなので探偵役森江春策もあまり馴染みではなかったのですが、この連作短編集は面白かったです。とにかく奇想たる謎の面白さにニコニコ。飛翔する死体、消失する山荘、殺し合う死者などアイディアが光っていますね。お気に入りは「殺人喜劇の鳥人伝説」でした。この謎解きは面白すぎ。やや長めの「殺人喜劇のXY」はもう少しコンパクトでも良かったかな。メインのアイディアは以前からちょっと考えていたアイディアと同じだったので、やっぱりこんな作品もあったのだなと悔しかったり、安心したり(笑)