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ぶろぐHELLO,IT’S MIN.

音楽、読書、映画、TV。℃-ute筆頭にハロプロと少しの日記。
そんなスタンスの“ブログはろみん”をよろしく。。。

本日読了『QED 河童伝説』高田崇史@講談社ノベルス

2007年02月09日 | book
高田氏の絶好調QEDシリーズ第13弾。

河童が住むといわれる川で発見された遺体には手首が無かった。さらに片腕を切り落とされた遺体が川に浮かびます。犯人はもしや河童か・・・。一方、相馬野馬追祭り見物に来ていた棚旗姉妹一行は、遠野に足を延ばしてしまった桑原崇と合流し、河童談義に世も更けるのです。そして事件の真相も。

今作のテーマは“河童”ってことで、「これは京極堂の得意分野かも」と思ってしまいましたよ(笑) 河童はどうして人や馬を川へと引きずり込むのか、きゅうりが好きな訳は、頭のお皿が乾くと弱るのは何故? そして甲羅を背負ったその格好までがタタルによって理路整然と説明されてしまいます。相変わらず日本史実の闇に隠れた部分に触れるので時に憤りを感じることもありますが、とっても興味深く感じると共に、知らないことって多いなと思ってしまいます。まぁ、タタルのお話が真実かどうかは別として(笑)

本日読了『バッテリー』あさのあつこ@角川文庫

2007年02月07日 | book
やばい、おもしろいよ。明日には講談社ノベルスでQEDシリーズの新刊が出るし(というか今日出ていたから購入しました)、10日くらいにはグイン・サーガの新刊が出るからそれまでの繋ぎにいいかな~なんて軽く読み始めたら、これが本当に面白かったよ。続きを買ってきてしまったじゃないですか。それも普通に新刊書店でⅡからⅤまで。

中学入学を控えた春休みに岡山の山間の町へと引っ越してきた原田家。長男の巧は天才的ピッチャーとしての才能を持ち、それに絶対の自信を持っていた。その性格ゆえ野球にはストイックに、周りの人間(家族さえも例外でなく)には冷徹な態度をとる彼。しかし巧の才能に惚れ込みバッテリーを組む事を熱望する新たな友人の登場と、病弱な身体を押してでも純粋に兄に憧れ、野球をやりたがる弟の思いに気づくことによって、巧は次第に・・・というお話。

天才ゆえにイライラする感情とか、虚勢を張ってしまうところとか、巧クンが大人ぶっていてもちゃんと少年なところがとっても良いです。半端な態度でぶつからないところが非常に好感が持てるのです。普通のスポ根ものではない設定が面白いですね。

あさのあつこさんが僕の通っていた高校の先輩、ってことを知ったのは最近のこと。『バッテリー』が世に出たのが約10年前。このタイミングで出逢った作品ならそれも意味があるのでしょう。とりあえずQED、グインを読んだ後、ゆっくりとシリーズを楽しみたいと思います。


本日読了『地底獣国(ロスト・ワールド)の殺人』芦辺拓@講談社ノベルス

2007年02月02日 | book
森江春策シリーズの何作目になるのでしょうか? ずーっと積んでいた作品をようやく手に取りました。なんと97年の作品です。10年前やん!(笑)

時は1930年代、伝説のノアの方舟を見つけようと飛行船に乗ってトルコのアララト山を目指した探検隊。しかし奇人学者に美人秘書、新聞記者や飛行船を操る元海軍大尉らの一行を待っていたのは絶滅したはずの恐竜と謎の部族。そして殺人事件。

まさに『ロスト・ワールド』か『ジュラシック・パーク』のような恐竜が跋扈する奇想天外アドベンチャー。でもこういう設定だからこそ生きる仕掛けを使った正統派(?)本格推理なのです。芦辺作品は数えるくらいしか読んでいませんが、この作品はインパクトが強いですね。ある意味娯楽に徹したミステリィに大満足でした。

本日読了『スロウハイツの神様(上・下)』辻村深月@講談社ノベルス

2007年01月24日 | book
猟奇的なファンによる、大量殺人。その事件を境に筆を折った人気作家チヨダ・コーキ。しかし闇の底にいた彼は「コーキの天使」と名付けられた少女からの手紙によって救われたのです。そして事件から10年後、売れっ子脚本家:赤羽環とその友人たちに囲まれ『スロウハイツ』で幸せな共同生活をスタートさせるのですが・・・。

人が集まればそこにドラマは生まれる。「スロウハイツ」に集まったクリエイター達の出会いと別れ。愛しい人への想い、他人の才能への嫉妬と感動。そして日常的な心の機微。激しい衝突と優しい修復。まいりました。凄いよ、この作品。センチと言われようが僕はこういうお話が好きなのです。ある意味、僕には理想のような作品でした。通勤電車の中で読んでいて何度泣きそうになったか(^^; 

さりげない伏線や仕掛けのセンスはやっぱり辻村さんですね。こういう部分がちゃんとあるので僕はこれからも彼女の作品をきっと読むことでしょう。




本日読了『η(イータ)なのに夢のよう』森博嗣@講談社ノベルス

2007年01月21日 | book
森センセのGシリーズ第6弾。シリーズの転換点と呼ばれるのは何故? 

地上12㍍の松の枝に首吊り死体が。そして残されていたのは「ηなのに夢のよう」というメッセージ。連鎖する首吊り遺体の発生にやっぱり首を突っ込む(巻き込まれる)西之園萌絵とその周辺(笑) 「φ」「θ」「τ」「ε」「λ」と続いてきた一連の事件と天才:真賀田四季との関係は証明されるのか?

証明は無理でしょう(笑) このシリーズが終ってもそこまで行き着くかどうか解りませんよ、きっと。今作では久々にあの場所が登場します。扱いはさらっとしていますけど、やはり懐かしさを感じますね。森センセの講談社ノベルス作品をほぼリアルタイムで読んでいるってことはもう10年を越えているのですね。

しかしこのエピローグにはビックリしました。

そして涙しました。

森センセ、それはないよ、と呟きながら・・・。

本日読了『天帝のはしたなき果実』古野まほろ@講談社ノベルス

2007年01月19日 | book
第35回メフィスト賞受賞作品。いやぁ~いろんな意味で難物でした。そしてこの充実した読後感に浸っています。

舞台は90年台初頭の日本帝国。この時点で既に現実とは違ったパラレル・ワールド的な世界観を持つ設定なのです。名門高校で発生した殺人事件、斬首下となって発見された親友が残した謎の暗号。報復と謎の解明を誓う主人公古野まほろと吹奏楽部の面々。しかし惨劇は続くのです。。。

英語、フランス語、~語(笑)のルビを多用した文体に最初は馴染めなくて、好みの青春ものだったのですがなかなか読み進めることが困難でした。そのうえ、ペダンティズムの大放出! 細かなネタを含めるとかなりの引用とかあるみたいですね。それでも半分を過ぎると加速します。謎解きの面白さと真相のビックリ度はまさに本格。そしてそれだけでは終らない所がこの作品のエンタテイメント度をかなり引き上げています。これは好みが分かれるかもしれないな。僕は嫌いじゃないです。適度なエロさもなかなか・・・(笑)


本日読了『密室殺人ゲーム王手飛車取り』歌野晶午@講談社ノベルス

2007年01月15日 | book
〈頭狂人〉〈044APD〉〈aXe〉〈ザンギャ君〉〈伴道全教授〉。奇妙なHNを持つ5人がネット上で互いに殺人推理クイズを出し合います。密室、ダイイングメッサージ、アリバイ崩しetc...しかし問題は、ここで出題される問題は現実に発生していたということ。つまり実行犯がそれをクイズにして事件の謎を推理させるのです。

殺人の動機がクイズ出題の為、ってところが肝ですか。そして出題者が犯人なのでトリックを暴く事がメインとなった問題が連作で綴られています。そういう意味では短編推理クイズっぽいのですが、全体を通しての謎も仕掛けられています。問題の幾つかは途中で気づいてしまいましたが、その上を行く仕掛けにビックリ。しかし歌野氏、このエンディングは本気ですか?(笑) 

本日読了『「草迷宮」殺人事件』楠木誠一郎@中央公論新社C・NOVELS

2007年01月11日 | book
愛読者を名乗る女性の依頼を受け、講演の為に逗子へやってきた鏡花センセ。例によって編集者の碓井クンが安請け合いしてしまったから(笑) ところが「鏡花、逗子に死す」の脅迫文が・・・。すっかり怖気づいた鏡花センセは嫌々逗子へやってきたのです。で、和服美女:三姉妹登場。で、殺人事件発生。鏡花センセは真実に辿り着けるのでしょうか・・・。

第1作「高野聖」を読んだ時はどうしたものかな~と思ってしまいましたけど、2作目、3作目となると徐々にミステリィしていまね。例によって汚れる事が怖い鏡花センセなのに結局汚れ仕事に借り出されてしまうのはお約束。嫌だ、嫌だと言いながらも状況が許さない。可哀相に思うのですがやっぱり笑ってしまいます。それくらい鏡花センセのキャラが面白いのです。一気に3部作読破。けっきょく読み易かったのでしょうね。。。

本日読了『「夜叉ヶ池」殺人事件』楠木誠一郎@中央公論新社C・NOVELS

2007年01月10日 | book
前作『「高野聖」殺人事件』がホラーでしたから、この2作目もそれふうかな・・・と思っていましたが、今作はなかなかちゃんとミステリィしていましたよ。前作ほど血みどろでなくて良かったですね鏡花センセ。でもバラバラ死体はたくさん出てくるんですよね(^^; 

鏡花センセを囲み、酒肴を楽しむ鏡花会が割烹旅館「湖畔亭」で行われることになった。極度の潔癖症の為に見知らぬ土地で宿泊なんてもってのほか、なのですがやっぱり編集者の碓井クンに引っ張り出されてしまうのです。で、例によって犬が怖い、雷が怖い、汚れるのが嫌だ、雨に濡れるのも嫌だとセンセ。今回の鏡花会は百物語。百本目の蝋燭が消された時、第1の殺人が・・・旅館の女将は「龍神の祟り」と呟きます。

鏡花センセと碓井クンのコンビはホント面白い。キャラ読みでも良いんじゃないかな、とも思います。犯人探しミステリィとして読むと、ある意味掟破りのネタなのです。いや、もしかすると2時間サスペンスふうかも(笑) 

さぁ、勢いで3冊目行って見よう!

本日読了『「高野聖」殺人事件』楠木誠一郎@中央公論新社C・NOVELS

2007年01月09日 | book
タイトルに殺人事件と付いていますがミステリィではなくホラーでした。それもかなりスプラッターな(^^; 

泉鏡花というと幻想小説家ってことくらいで作品を読んだ事は無いのですが、この作品に出てくる鏡花センセは見事なほどの潔癖症。このことは事実らしいのですが、とにかく犬が怖い、雷が怖い、血を見ると卒倒する、消毒用脱脂綿を持たずには外出もままならないというキャラを楽しく読ませてくれる作品なのです。そんな鏡花センセ、極度のスランプに陥り、ある日編集者の碓井クンが散歩に連れ出すのですが、世間を騒がす「美女連続神隠し事件」に巻き込まれることになるのです。

蛇の描写には少々まいってしまいましたが、キャラの面白さで面白く読み終えましたよ。オノマトペには好みが分かれるかもしれませんね。しかし大事なのはこの作品に合理的な事件解決を望んではいけない事。そしてスプラッターがダメに人には絶対にお薦めしません(笑)


本日読了『殺意は必ず三度ある』東川篤哉@実業之日本社JOY NOVELS

2007年01月08日 | book
ご存知、かどうか判らないけど(たぶん一般的には・・・)鯉ヶ窪学園の三馬鹿トリオの探偵部が『学ばない探偵たちの学園』の次に首を突っ込んだ事件。最初は敗退を続ける野球部グラウンドからベースが盗まれてしまった事だった。で、例によってしょうもない推理合戦。しかし、後日、野球部の練習試合中に起こった殺人事件。で、またしても無理やり参加、またしてもしょうもない推理合戦。

『密室の鍵貸します』が面白かったものだから、続けて東川作品です。昨年の本ミスでも15位にランキングされていましたね。殺人事件と野球の共通点を上手く料理したトリックが意外とシンプルなのにクオリティが高くて感心していましました。今まで氏特有の軽さがイマイチ趣味ではなかったのですが、その面白さにちゃんと触れた様な気がします。

本日読了『密室の鍵貸します』東川篤哉@光文社カッパ・ノベルス

2007年01月05日 | book
東川氏のデヴュー作。その読み易さの為かあまり記憶に残らなかった『学ばない探偵たちの学園』とあと何だっけ、1冊読んでいるのですがこのデヴュー作は面白かったなぁ~。主人公にかけられた2つの殺人事件の嫌疑。その設定と探偵役の割りふりがちょっと変わっていました。そしてトリックには見事に騙されましたよ。素直にビックリしたし、感心もしてしまう。

あぁ、思い出した『交換殺人には向かない夜』だ。これは語り口があまり好きじゃなかったな。

本日読了『彼は残業だったので』松尾詩朗@光文社カッパ・ノベルス

2007年01月03日 | book
惜しい、って感想です。憎い相手を呪い殺す呪術のままに発見された焼死体、それもバラバラに切断された状態で。事件に関わる事になった主人公のカメラマンとその友人が辿る真相への道とは・・・ってお話なのですが・・・。

島田荘司氏の推薦文が仇となった感じですね。メインのトリックが安易に気づかれてしまうのは勿体無い感じがしました。動機の部分までは判りませんでしたが、真相もちょっと趣味じゃなかったかな、と。展開は面白かっただけに残念。。。

本日読了『背の眼』道尾秀介@幻冬舎ノベルス

2006年12月28日 | book
え~ホラーです。でもちゃんとミステリィです。

ホラー作家の道尾が旅先:白峠村の河原で聞いた不気味な声の正体は・・・。その言葉の真の意味に気づいた彼は東京へ逃げ帰り、縁遠くなっていた友人に相談します。再び村に向かった彼らが対する未解決の児童連続失踪事件と村に伝わる「天狗伝説」。血塗られた過去に根差した悲壮な事件の真相とは?

探偵役が某京極堂や、某御手洗氏に似てたりするのは愛嬌かな。しかし理論的に事件を解決する展開と、謎は謎のままというホラー風味が特色なのでしょう。けっこう嵌りました。これってシリーズなんですかね? 何はともあれ注目の作家さんである事は確かみたいです。素直に面白かった。そして素直に怖かったです。。。

本日読了『バラバの方を』飛鳥部勝則@徳間ノベルス

2006年12月18日 | book
以前に『ラミア虐殺』を読んだときに、そのインパクトの強さにびっくりしたのけれど、あまり趣味じゃないな~という感想でした。といっても、あまり憶えていないんですよね(笑) 

大物画家の私設美術館の展示室に飾られた凄惨な死体の山。聖者殉教の絵そのままに損壊された死体たち。招待客の新聞記者:持田の元に届いた殺人を予告するような内容の不気味な手紙。血まみれの悪夢、狂気の大事件の幕が開く・・・ってお話。

なかなか派手な事件と謎でツカミはOK。そして、探偵役がユニークですね。登場キャラの総てが心に殺意を抱いているわけなのですが、実行犯は果たして誰なのかを探すミステリィはなかなか読み応えがありました。謎解きにはあまり驚きませんでしたが最後で揺らぎましたね、いろいろと。けっこう怖かったです。この作品ってホラーだったのか?