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ぶろぐHELLO,IT’S MIN.

音楽、読書、映画、TV。℃-ute筆頭にハロプロと少しの日記。
そんなスタンスの“ブログはろみん”をよろしく。。。

本日読了『シャドウ』道尾秀介@東京創元社ミステリ・フロンティア

2007年04月27日 | book
「人間は死んだらどうなるの?」

母親を病気で亡くした小学5年生の凰介。父親と二人暮らしになってしまったのですが、そんな彼らを親身になって気遣ってくれる父親の友人:水城の一家。しかし水城家も深刻な家庭問題を抱えていた。そして凰介は母の葬儀の日以来妙な幻覚を見るようになります。

2007年度版「このミス」国内篇第3位。「本ミス」では第6位。この堂々とした本格ミステリィにやっと挑戦です。道尾氏作品だから、そこそこは構えてやや深読みしていたんですけどね~。道尾氏の作品にはやっぱり揺らぎを感じてしまうのです。琴線を掴まれるって感じ。今作も綿密なミスディレクションにまんまとしてやられました。少年と少女の目を通して語られる2つの家族が辿り着くラストシーンが思いの他爽やかだった事も◎。素直に面白かったです。他人にはあまりお薦めはしないかもしれませんが(笑)



本日読了『ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!』深水黎一郎@講談社ノベルス

2007年04月23日 | book
小説家の主人公のもとに届いた一通の手紙。それにはミステリ界最後の不可能トリックを用いた“意外な犯人”モノの小説原案を高値で買わないか、と書かれていた。差出人が切実に訴える、究極のトリックとは?

第36回メフィスト賞受賞作。“この究極のトリック”の設定って昔どこかで読んだ事あるよな~、と思い返してみると20年位前に読んだキリコ&ポテト・シリーズではなかっただろうか・・・。記憶は定かではありませんが、この作品の仕掛けには納得してしまいました。作中の某カードのトリックも良く出来ているし(こっちの方が僕的には面白かった)、メイン・トリックもしっかりしている。ただ、驚愕はしなかったなぁ。

本日読了『世界でいちばん醜い子供』浦賀和宏@講談社ノベルス

2007年04月17日 | book
八木剛士、覚醒! このままシリーズはクライマックスに突入・・・

って思っていたのですが、純菜の方へベクトルは振れましたか(笑)
純菜の一人称で語られる二年前の轢き逃げ事件と、
それに纏わる意外な真相がお話のテーマ。
そして純奈の持つ“力”とは。

エンディングが妙に爽やかだったことにニッコリ。
純奈ってこんなオンナノコだったんだ、って事もわかりました。
意外と読み易い流れだった所為もあり一日で読了。
まだシリーズは続くのでしょうね。。。


本日読了『向日葵の咲かない夏』道尾秀介@新潮社

2007年04月16日 | book
夏休みを明日に控えた終業式の日、ミチオは学校を休んだ友達:S君の家へプリントと宿題を届けることになります。しかしそこで遭遇したのはS君の首吊り死体。パニックに陥ったミチオは学校に駆け戻り担任の先生に報告しますが、先生と警察がS君の家へ着いたときにはその死体が跡形も無く消えていたのだった。。。

ひと夏のひりひりと心を掻き毟られるような少年ミステリィ。いや~正直ビックリしました。読み終えてみると「うわ~こんな仕掛けだったんだ~」と。好みかと言われるとちょっと考えてしまいますが、綾辻氏の初期作品を初めて読んだときのインパクトをこの作品にも感じてしまいました。『片眼の猿』の感想時にも書きましたが情報を隠すトリックと伏線、驚愕の真実。そして揺らいでしまう精神とエンディングの焦燥感。凄いものを読んでしまった。なんだか酔ってしまった、って感想です。

本日読了『バッテリーⅥ』あさのあつこ@角川文庫

2007年04月12日 | book
あさのあつこさんの大人気シリーズ:バッテリーの完結巻である第6巻。

感動の、と言いたいところですが、予想通りのエンディングでしたね。しかしたぶんこれでしかないラストシーン。爽やかです。天才ピッチャー:巧たち新田東中は強豪・横手二中との再試合の日を迎えようとしています。それぞれの思いと、思惑が揺れるキャラたち。そして巧は握った140gに満たない白球を18.44㍍先のミットに向かって投げ込むのです。そこにはただ風が吹いている。とにかく人間ドラマとして面白い作品。単純なスポ根ものじゃないところが素敵ですね。この作品大好きです。

本日読了『もう一つの王国 GUIN SAGA 113』栗本薫@ハヤカワ文庫

2007年04月10日 | book
2600万部・・・想像が出来ないくらい凄いよね。

さて、タイスの都でクムの最強剣闘士ガンダルに見えるグイン。そして場内で遭遇する奇怪な現象はグインを驚異の世界に導きます。シリーズを追っている人には薄々気がつくでしょうが、タイスの地下に広がる水路の冒険が始まります。そして吃驚するような展開、と言うかここで彼が登場するか~。意外性を通り越していますね。タイトルの『もう一つの王国』とは・・・なるほどね~。続きが気になります。。。

本日読了『片眼の猿』道尾秀介@新潮社

2007年04月08日 | book
ある特技を駆使して仕事をする私立探偵の俺。地味だが高い報酬の為に請け負ったとある産業スパイについての依頼調査だったが、とんでもない事件に巻き込まれてゆく・・・ってややハードボイルドふう探偵小説。これが最高に面白かったです。

とにかく仕掛けの爽快感に大喜び。あちこちにばら撒かれた伏線とエンディングの見事さには感動さえしてしまいました。情報を隠すという部分で評価は分かれるかもしれませんが僕的には大満足です。そしてラストのオチに声をあげて大笑い。こんな作品は久しぶりだな。

以前に読んだ事のある道尾作品は『背の眼』のみ。後はやたらと評判が良いのですがまだハードカバーが多いので手を出さず仕舞い。やっぱり読んでみるべきなのでしょうね。というか、読みたくなってきました。あれとかアレとか(笑)

本日読了『花火と銃声』泡坂妻夫@講談社ノベルス

2007年04月05日 | book
『天井のとらんぷ』に続く美貌の奇術師:曾我佳城さんが探偵役を務める短編集第2弾。どこまでもそのトリックと仕掛けが面白いですよね。奇術(マジック)をこれでもかとモチーフに使い、トリッキーながらも粋な仕掛けに冴えを感じました。

僕的には「七羽の銀鳩」と「ジグザグ」が面白かったです。

本日読了『踊る手なが猿』島田荘司@光文社カッパ・ノブルス

2007年03月27日 | book
島田氏'90年頃の短編4作を集めた短編集。
本格風味のサスペンス、って感じです。
ここに収録されている「Y字路」で僕は始めて吉敷竹史作品を読みました。
御手洗シリーズはけっこう読んでいるんだけどね。
しかし、いくら島田作品とはいえ、
嫉妬とか不倫とかやや生っぽい設定はやっぱり苦手です。
そんな中で「暗闇団子」という時代物が面白かったな。
お話はベタな悲劇かもしれませんがアイディアが効いています。

本日読了『岸の館』佐々木丸美@創元推理文庫

2007年03月24日 | book
厳しい北の海を見下ろす断崖にそびえる洋館。孤独を愛する財産家のおばが住まう〈岸の館〉を長期の休み毎に訪れる高校生の涼子といとこたち。二年前におばの養女:千波が命を落とした館・・・。着いた当日から館では絵の消失など奇怪な事件が続発します。雪に閉ざされた館に潜む悪意が千波の命も奪ったのか? そして遂に新たな犠牲者に魔の手が伸びるのです。

初版が77年という本格館ものミステリィ。こんな作品があったのですね。全然知りませんでしたよ。高校生:涼子の一人称で語られるお話ってこともありますが、その感情を吐露するかのような少女趣味(少女漫画的)な文体になかなか馴染めず、読みスピードが上がりませんでした。しかし見事に顔の無いキャラ(良い意味で)、ペダンティズムに溢れた会話と幻想的な館。これぞ本格ですよね。正統派な議論と推理、美しい結末。充分堪能しました。こういう雰囲気、嫌いじゃないですよ。

若竹七海さんの解説で知ったのですが、著者:佐々木丸美さんのデビュー作は『雪の断章』なんですよね。本は知りませんが斉藤由貴の主演映画がありましたね。80年代の中頃だったっけ。主題歌が確か松本隆&筒見京平コンビだったことを憶えています。映画の内容は・・・記憶が遠いな^^;

本日読了『凶鳥の如き忌むもの』三津田信三@講談社ノベルス

2007年03月14日 | book
小説家の刀城言耶が怪異譚を求め取材にやってきた瀬戸内の鳥坏島。島の断崖絶壁の上に造られた拝殿で執り行われる〈鳥人の儀〉の儀礼中に巫女が消えた! 大鳥様の奇跡か、鳥女(とりめ)と呼ばれる化け物の仕業か?

濃密なホラーを読ませて頂きました、って感じです。三津田氏の本は『ホラー作家の棲む家』のみ読了。講談社ノベルスでの既刊3冊を積んでいます(笑) どう見てもホラーな状況に理論的推理を推し進める刀城言耶。しかし真相には吃驚仰天です。そうか~こうきたか~。只のホラーではない部分が凄いな。そして只の本格ミステリで終らないところも魅力です。

本日読了『ポケットは犯罪のために』浅暮三文@講談社ノベルス

2007年03月05日 | book
町の風景の中にある
ちょっとした違和感。
そこに事件は潜む!


浅暮氏の含み笑いが伺えそうな仕掛け満載のミステリィ短編集。「J・サーバーを読んでいた男」のみ某セレクションで読んだ事があったのですが、その他の短編もややサスペンス風の本格です。謎自体は日常生活の上でのちょっとした疑問程度。しかしその裏に潜んでいるのは凶悪事件。って指向の短編集。真相には「おぉ!」と思うのですが、ひっくり返る程ではなかったです。これはたぶん好みの問題なのでしょうね。面白かったことは確かですが、記憶に残るかどうか・・・^^;

本日読了『きみがぼくを見つけた日』オードリー・ニッフェネガー 訳/羽田詩津子

2007年02月28日 | book
恋愛小説です。初めてクレアがヘンリーに会ったのは彼女が6歳のとき。未来からやってきた36歳のヘンリー。それからたびたび時空を越えてやってくる彼に恋をするようになるクレア。そして遂に現在で彼に出会うことが出来たときから、時は二人に試練と純粋な愛を与えるのです。

愛し合う二人に障害はつきもので、クレアとヘンリーの場合はそれがタイム・トラベルであったということです。SF的な設定は障害そのもの。恋愛小説と言っても甘々なロマンティックとはかけ離れている印象です。つまりきれい事だけでは無いってこと。未来からやってくるヘンリーの言行などで読者には二人の未来が解ってしまう。その運命に翻弄されるクレアとヘンリーに感情移入出来れば感動作になるでしょうね。エンタテイメントとしての仕掛けを期待してはいけません。最後までそれを期待した僕が言うのだから間違いない(笑)

やや気になったのはセックス・シーンが多いことと、ヘンリーが服を手にする為に暴力を振るう描写があること。これは馴染めなかったなぁ。二人のエピソードが多すぎて長いな~と思ったことも記しておきます。

本日読了『バッテリーⅡ~Ⅴ』角川文庫

2007年02月20日 | book
いまだからこそ、できることがある。

↑のコピーは3月に封切られる映画版のものです。先日読んだⅠにハマってしまった僕はⅤまで一気読みです。中学生になり野球部に入部した巧と豪。で、やっぱりその絶対の自信と自己中な態度で先輩や顧問教師とぶつかる巧。やがて起こる大事件。それでも巧は投げ続ける。

中学野球をモチーフにしてはいますけが、スポ根とはスタンスが全く違うことが新鮮です。少年の成長物語とも違う。これでもかと人間関係を綴ったドラマなのですから。天才的ピッチャーであるが上の苦悩と孤独。野球以外のことを煩わしく思ってしまう感情。そんな巧に戸惑うキャッチャーの:豪とその友人、あるいは野球部の仲間たち。もちろんライバル登場。そのライバルを含めキャラがホントに魅力的なのです。僕のお気に入りはやっぱり巧の弟:青波と横手第二中学野球部の瑞垣君。この瑞垣がホント面白いキャラなんですよ。どちらかというとキレ・キャラなのですが、普段がムチャムチャ面白い。こういう脇キャラの存在が主役とお話を掻き回してくれるんですよね。助演男優賞決定、って感じ(笑)

お話のクライマックスはⅥ巻目。文庫では4月発売。楽しみに待っていましょう。映画版は・・・どうするかな。原作の素晴らしさを期待できるでしょうか。


本日読了『闘王 GUIN SAGA 112』栗本薫@ハヤカワ文庫

2007年02月13日 | book
剣闘士としてはからずとも頭角を現すかたちとなったグイン。有名になればなるほどタイスの都はグインとその一行の自由を奪ってしまうのです。というか軟禁状態ですからね。タイス伯爵のお気に入りは辛いね~。それでもグインのまわりを取り巻くキャラたちは相変わらず生き生きと動くので、ほんと流れてゆくお話に身を任せていれば自然と行き着く場所へ辿り着く、って感じです。今年はたくさん本が出るらしいので、続きを待たされることもないかな?