goo blog サービス終了のお知らせ 

ぶろぐHELLO,IT’S MIN.

音楽、読書、映画、TV。℃-ute筆頭にハロプロと少しの日記。
そんなスタンスの“ブログはろみん”をよろしく。。。

読了『鏡の国の戦士』栗本薫@ハヤカワ文庫

2007年07月13日 | book
時世が外伝『七人の魔道師』の後、ってことで正伝よりも未来のグインが遭遇する冒険中編集。すでにタイトルの通りなのですが、グインが見た一夜の悪夢って感じです。しかしこの手の本格ヒロイック・ファンタジーは登場人物がグインと妖魔だけだったりすると、なんとなく落ち着かないと感じるのは僕だけでしょうか。現世(正伝の人間)のキャラが一人でもいると安心して読むことが出来るのですが・・・。

しかしまたまた未来に繋がるような予言めいた記述もあったりして、この物語どこまで続くんだ~と嬉しい悲鳴です。

読了『モップの魔女は呪文を知ってる』近藤史恵@実業之日本社JOY NOVELS

2007年07月09日 | book
職場の皆さん、
心の荷物いっぱいじゃありません?


女清掃人探偵シリーズ。ん、そんなシリーズ名だっけ? キリコ・シリーズって言うんだっけ? あやふやでスイマセン。

例によってキリコが紐解く日常の謎、そしてその謎の奥に潜む悪意を綴った短編集。この悪意にふれるってことがけっこう怖くてね。でもキリコの非凡なキャラクタと比較的優しい気持ちになれるエンディングが癖になってしまって、このシリーズが好きなのです。中でも「第二病棟の魔女」は本格度も高いのでしっかりと楽しませていただきました。

読了『空の中』有川浩@メディアワークス

2007年07月08日 | book
高度2万メートル上空で2度にわたって起こった航空機の爆発炎上事故。事故調査委員として春名高巳は岐阜基地へ赴き、武田光稀三尉と共に事故解明へ動き出します。一方、航空機事故で父親を亡くした少年:瞬は、浜でクラゲに似た謎の生物と遭遇していた――― 。

僕にとって『海の底』がヒットでした有川浩さん第2長編がこの作品。未知の生命体とのファースト・コンタクトを描いた本格SF+少年と少女の淡い恋心と成長を描いた青春小説の融合。瞬少年の心理描写にのめり込むと悲しくてね~。そして有川さんお得意の男前な女性キャラがとても魅力的。ライトノベル出身の作家さんらしいキャラの立ち方でぐいぐい展開に引っぱられる上に、爽やかな読後感。高知の方言には最初戸惑いましたけど、またお気に入りな作品が増えました。

『クジラの彼』収録の「ファイターパイロットの君」も併せて読了。光稀さん、可愛すぎます。普段とのギャップにちょっと萌えそうです(笑)

読了『クジラの彼』有川浩@角川書店

2007年06月26日 | book
僕にとって『海の底』がクリーン・ヒットだった有川浩さんの恋愛小説短編集。でも自衛官括り、ってところが面白いですよね。表題作と「有能な彼女」は『海の底』からのスピンオフ。ってことは彼と彼女、そして彼の恋愛事情をビビッドに感じさせてくれます。彼らのお話、って事だけでついニコニコしてしまうのですが、その他の短編がホント面白い。「ロールアウト」と「国防レンアイ」はけっこう笑わせて頂きました。そして男前で可愛い女性たちがとても魅力的ですよね。振舞わされる男達(振り回されない奴もいますが)の純な想いも感慨深かったり。

著者が言うほどベタ甘な感じは受けませんでしたよ。誰もが感じるであろうほろ苦く切ない気持ちにパウダーシュガーを塗したような(結局甘いのか?)短編の数々。ちょっとした心の贅沢感と暖かな余韻。恋愛小説ってあまり読まないのですが、この作品はちょっと拾い物でした。

なを、短編「ファイターパイロットの君」は長編『空の中』からのスピンオフ。これだけは未だ読んでいません。何故なら近いうちに『空の中』を読みたいと思っているからで、それまで暖めておきます(笑)

読了『海の底』有川浩@メディア・ワークス

2007年06月24日 | book
横須賀に突如現れた巨大甲殻類の大群。餌として食われる市民を救助する為に応戦する機動隊。そして孤立した潜水艦『きりしお』に逃げ込んだ少年少女の運命は・・・。

いや~まいりました。最高に面白かった。冒頭の巨大ザリガニ襲来からテンションは上がりっぱなし。お話は潜水艦に逃れた少年たちと2人の海自の下士官たちの間で起こる確執や友情、そして淡い恋心を描く人間ドラマと、横須賀市内に上陸し大混乱に陥れた怪獣と警察機動隊の必死の攻防戦が平行して進みます。

潜水艦内の閉鎖感とキャラが立った登場人物。静と動のバランスが絶妙! そして展開の“じれったさ”がなんとも言えない位に娯楽作品しています。ライトノベル的な文体ではありますけど、しっかりドラマが書き込まれていますね。人称がコロコロ変わることがちょっと気になりますが、お話は本当に面白い。

自衛隊絡みのお話だからというわけではないですが、20年位昔のマンガ『ファントム無無』を思い出しましたよ。夏木&冬原のコンビが『ファントム無頼』の神・栗コンビにオーバーラップして仕方なかった(笑) 久しぶりに読みたいな~。文庫版とか探してみようかな。もちろん他の有川作品にも興味津々。有川さんて女性だったんですね。知らなかったですよ。。。


読了『スラッシャー 廃園の殺人』三津田信三@講談社ノベルス

2007年06月20日 | book
怪奇にして完全なるミステリー、と言うふれこみの三津田氏の新作。ホラー作家が怪異的理想を込めて造り上げた廃墟庭園を舞台にして撮影が始まったホラービデオ作品。そのキャスト、撮影スタッフに忍び寄る怪しげな黒い影。そして惨劇の幕が開くのです。

なんか久しぶりにこんなにも血みどろスプラッターな惨殺シーンを含むミステリィを読みました。いや~な気分になりましたよ。しかしメイン・トリックはありふれていると感じてしました。というか気づいてしまったことが残念だったかな。殺人鬼の正体の方が僕的には面白かったです。じつはアルジェントの作品って嫌いじゃありません。『サスペリア』『サスペリア2』『フェノミナ』。綾辻氏の影響を受ける前からオカルト映画の中でもこの3作はけっこうお気に入りだったのです。そしてこのエンディング・・・。続きがあったりする?(笑)

読了『フラッタ・リンツ・ライフ』森博嗣@中央公論新社C★NOVELS

2007年06月17日 | book
空にいるときだけは
あの日の彼女


森センセの“スカイ・クロラ”シリーズ第4弾。飛ぶために生まれてきた“僕”とその上司のクサナギ氏。戦闘機に乗り、生きるために敵を落とす僕たち。空にいるときだけが幸せの時間。もっともっと飛べたらいいのに。そんな僕でも地上に縛りつけられることもある。ましてや上官であるクサナギ氏はなおさら。戦争を仕事にしなくては生きられない子供たちの寓話です。

求められている、望まれている自分を拒絶したときそこには関係が成り立つでしょうか? もしかしたら視野外に外されもう死んだものとされてしまう。そんな事を考えさせられました。社会的な死も同じようなスタンス。それを知らないのがきっと子供だったりするわけで、無邪気と我が儘が通ってしまう時代。それがきっと実年齢には関係なく“不死”の時代なのかもしれません。

模型飛行機のシーンが大好きです。これはシリーズを読んできている方々なら(この本を単発で読む人の方が少ないよね)解ることでしょうね。画が浮かびます。もちろん鶴田謙二氏の絵が(これはノベルス読者の特権?)。

押井守監督の新作がこのシリーズらしいですね。
アニメ作品らしいですが、とても興味があります。

読了『十月は二人三脚の消去法推理』霧舎巧@講談社ノベルス

2007年06月14日 | book
霧舎学園ミステリ白書の第7弾。学園の秋の行事第1弾:体育祭での事件。校内での不審火発生から近辺へ火は移る。そしてパソコン教室のメールに残された「十月十日の殺人」との関係は・・・?

さて、相変わらず凝ったトリックを使ってきますね、霧舎氏。今回はちょっとラブコメ度は低かったんじゃない、霧舎氏。シリーズが長くなると以前の作品で蒔いた伏線なんて忘れてるよ~霧舎氏(笑) でも最近のミステリ作家の中ではガチな本格トリックに真正面から挑んでいる姿勢に、頭が下がります。

読了『一角獣(ユニコーン)の繭』篠田真由美@講談社ノベルス

2007年06月11日 | book
建築探偵桜井京介の事件簿、本編第13弾です。六月の緑の森の、白い花咲く木の下で蒼は“彼”に出会った。人の姿をした美しい一角獣と。高原の会員制別荘地で起きた家族惨死事件。ただ1人残された少女と宿命的に惹かれあう蒼。そして事件のすべてが明らかにされるとき京介は・・・。

蒼ももう二十歳を越えているんだよね。シリーズを楽しんでいる方々には「何を今更」と言われそうですが、だからこそ感慨深いものがあります。そして今作ですが、「どうか蒼に悲しい思いをさせないでくれ」って思いながらも、いや~な展開を見せるのです。でも、エンディングが最悪なものでなくてホッとしている僕です。でも京介が・・・と思わせぶり(笑)

このシリーズはいったい何処へ向かおうとしているのでしょうね。続きが非常に気になりますが、次は2年後かしら?(^^;


読了『紅鶴城の幽霊 GUIN SAGA 114』栗本薫@ハヤカワ文庫

2007年06月08日 | book
グイン・サーガの最新刊、第114巻です。タイスを舞台にしてのお話もけっこう長くなりましたね。どうやってこのタイスから逃れるかが問題なのですが、ここに来てフロリーの身にとんでもない出来事が・・・以下自粛。

彼女って意外とお気に入りのキャラです。その健気さがやっぱり魅力なのでしょうか。おとなしく慎ましやかなフロリー。静かで平穏な暮らしをさせてあげたいと思うのですが、そこはほらグイン・サーガですから登場キャラはみんな運命の嵐に巻き込まれるわけです。彼女とて例外ではありません。しかしこれほど中原の未来に関わるようなキャラになるとは思いませんでした。彼女にはホント無事に歳をとっていって欲しいな。。。

読了『図書室の海』恩田陸@新潮文庫

2007年06月07日 | book
恩田陸さんの短編集です。『六番目の小夜子』の番外編である表題作、『夜のピクニック』の前日譚である「ピクニックの準備」を含む全10作品。ちょっとホラーがかった作品が多いかな。

恩田さんのホラー(ダーク・ファンタジー)ってなんとなく肌触りがブラッドベリに似ているんですよ(と、思っているのは僕だけ?)。焦燥感、って言うのかな。僕の恩田作品デヴューは『puzzle』でしたが、内容はあまり覚えていないのに読んだ感覚、読後感は生々しく覚えているのです。それくらいインパクトが強かった。ブラッドベリの『10月はたそがれの国』を初めて読んだときのように。その感覚をこの短編集を読んで思い出しました。

僕的なお気に入りは表題作の「図書室の海」そして「睡蓮」。漂う時間と空気の層を感じます。

本日読了『イナイ×イナイ』森博嗣@講談社ノベルス

2007年05月19日 | book
新章開幕、Xシリーズというらしい森センセの新刊です。

当然、過去シリーズとのリンクもあるんだろうな~とか、新シリーズ時には何かトリッキーな仕掛けがあるんだろうな~とか期待していると、なるほどその片鱗を匂わせてくれました。事件の真相とトリックが「あれっ」っていうくらいに軽く流してくれたので、何度かエンディングを読み返すことになりましたが、そこは森センセのことですから、その企みにニヤリとしてしまうのです。

自ら“探偵”と名のる男、美貌の探偵(助手?)、しかし真の探偵役は別みたいですよ(笑)

本日読了『赤い夢の迷宮』勇嶺薫@講談社ノベルス

2007年05月14日 | book
―――すべては赤い夢の中の出来事。

青い鳥文庫『名探偵 夢水清志郎事件ノート』シリーズ(僕は『機巧館のかぞえ唄』がお気に入り)で御馴染みのはやみねかおる氏による大人のためのミステリィ。外界から閉ざされた館で起きた殺人事件の真相と殺人犯とは?

お話が主人公の小学生だった頃の回想や出来事を含んでいるので、どうしてもジュブナイル的な文体になるのは仕方ないですよね。その分軽さを感じてしまい、それ故にトリックが判りやすかったのかもしれません。メイントリックは早いうちに気づきましたよ。しかしエンディングでクラッとされられましたね。タイトルがややしっくりとしないですね。かと言って思いつきませんけど(^^;

本日読了『書物狩人(ル・シャスール)』赤城毅@講談社ノベルス

2007年05月10日 | book
古本者の究極の夢は、生まれ変われるならば〈変身ヒーロー〉でも〈イケメン〉でもなく、〈書物狩人〉になること!―――喜国雅彦

世に出れば、世界情勢や、歴史さえも揺るがしかねる可能性を秘めた書物を合法非合法を問わず手に入れる書物狩人。しかし彼らの活動が表舞台に出ることはない。ジョン・F・ケネディ暗殺の真相暴露、バチカンから依頼された福音書、ナポレオンの旧蔵書が持つ歴史的な問題を含む書き込み・・・。

各国のスパイも暗躍する冒険小説です。もちろんお話はフィクションなのですが、物語を構成する要素は事実に基づいているようです。それぞれの短編がとにかく「おぉ!」というアイディアに溢れていますね。そして古書好きには堪らないであろう設定。中でも僕のお気に入りは「Nの悲喜劇」。キャラも立っているのでこのシリーズが続けられる可能性大、かな(笑)

本日読了『Gボーイズ冬戦争 池袋ウエストゲートパークⅦ』石田衣良@文藝春秋社

2007年05月07日 | book
好調IWGPシリーズも7冊目になります。マコトも大人になったよな、なんて感じてしまう作品集。例によって短編3本と中編1本のボリューム。悪質な振り込め詐欺グループ、絵画商法の“ヴィーナス”に恋したオタク青年、少年放火犯VS連続放火犯、そして池袋Gボーイズの内部抗争によるキング:タカシ最大の危機。

舞台を池袋に限っている事が、やや大事件に感じなくなってはいるものの、軽快な石田氏らしい文体によって失踪するマコトがやっぱりカッコ良いのです。中でもお気に入りなのは「バーン・ダウン・ザ・ハウス」。繊細が故に放火してしまった少年が、マコトと共に連続放火犯を追いつめる短編。エンディングには泣きました。少年とその家族との本当の意味での心のふれあい。マコトは主人公なんだけどドラマは彼の目に映っているのでしょうね。。。