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ぶろぐHELLO,IT’S MIN.

音楽、読書、映画、TV。℃-ute筆頭にハロプロと少しの日記。
そんなスタンスの“ブログはろみん”をよろしく。。。

読了『リロ・グラ・シスタ the little glass sister』詠坂雄二

2007年10月05日 | book
リロ・グラ・シスタ―the little glass sister
詠坂 雄二
光文社



帯に書かれた「綾辻行人氏激賞!」のコピーに惹かれて読み始めた学園ハードボイルド。その上じつに本格風味。

校舎の屋上で発見された墜落死体。屋上に墜落・・・在りえない状況。事故か、事件か? 名高い学園の“名探偵”が受けたのは、依頼人の無実を証明することだった、ってお話。キャラがいかにも今ふうですよね。そして乾いたセリフを散りばめ、これでもかとハードボイルドな一人称ミステリィ。けっして読み易いとは言えない文体ですが、そのいびつさや、ひねくれ具合が大きなトリックに結びついていたりするのです。驚愕の真実とはいきませんでしたが、なかなか楽しめた娯楽作品でした。次作も期待します。。。

読了『墜ちた天使と金色の悪魔』浦賀和宏@講談社ノベルス

2007年10月02日 | book
不死身の力を得た。
奴らに復習もした。
・・・・・・孤独になった。


浦賀氏のこのシリーズも、もう7冊目ですね。そろそろ終るかと思いきやまだ続くようです。不死身の身体を武器に、自分を虐めてきた人間への復讐を果たした“奇跡の男”八木剛士。相変わらずの妄想大魔王ぶりですが、金髪の美少女にもなつかれ、これまでの日常が一変しています。でも純菜への想いに囚われていることも相変わらず。彼にとって大きな出来事も起こりますが、お話の盛り上りが無いんですよね。次作へのインターバルのような作品。そろそろ終ってくれないかな。個人的には“笑わない男”シリーズの新作が読みたいのですが。。。

読了『新本格もどき』霧舎巧@光文社カッパ・ノベルス

2007年09月29日 | book
新本格もどき―本格推理小説 (KAPPA NOVELS)
霧舎 巧
光文社




帯に書かれているコメントを見ただけで新本格好きは大盛り上がりしてしまいます。しかし霧舎氏、美味しい所をついてきますよね。記憶喪失治療中の吉田さんがミステリィ・マニアのマスターが作るカレーを食べる度にあの名探偵、この名探偵になりきってしまう。しかしその推理は・・・ってスタイルの連作短編集。新本格括りなので、吉田さんが変身するのは綾辻作品のアノ人だったり、法月作品のコノ人だったり。本家のネタバレは避けつつこれでもかとネタを詰め込んだ霧舎氏に「アッパレ!」と声をかけたい気分です。。。

読了『キラレ×キラレ』森博嗣@講談社ノベルス

2007年09月12日 | book
好調(なのかな?)森センセのXシリーズ第2弾。三十代の女性が満員電車内で襲われる事件が連続する。何かカミソリのようなもので切りつけられるのだ。探偵:鷹知と共に依頼された調査にあたる小川令子。無作為に選ばれたような事件の被害者にはある共通点が見つかるのです。犯行の異常な動機が浮かび上がるとき明らかになる真相とは・・・。

このシリーズって、相変わらずの森ミステリィなので新鮮味はイマイチ無いかもしれません。謎から真相への構築は理論的なのですが、真相にビックリしないんですよね。読んでいるときにはそれなりに面白いのですが、記憶に残るかどうか・・・^^;

結局文体の趣味だけで読んでいるのかもしれません(今頃気づいたのか?)。それでも講談社ノベルスで新刊が出る限りは読み続けるのです。。。

読了『死者は黄泉が得る』西澤保彦@講談社ノベルス

2007年09月03日 | book
凝りに凝りまくる西澤氏のパズラーって反則ギリギリなんだけどちゃんと本格なんですよね。この作品も死人が甦る館に隠れ住むファミリーが登場し、その近隣で起こる連続殺人事件にどう絡んでくるか、が見物なのです。とにかくどんどんその術中にハマって行き、アッと言う間に驚愕のフィナーレへ。そしてエピローグでのもう一捻りにビックリしながらも納得。この作品のトリックは記憶に残りそうです。素直に「とっても面白かった」と声を大にして言える(かな?)

死者が甦るという設定内での謎解きというと僕も大好きな山口雅也氏の『生ける屍の死』が思い出されますが、どうやら山口作品に対しての西澤氏なりのオマージュって感じでしょうか。

読了『ドアの向こう側』二階堂黎人@講談社文庫

2007年08月30日 | book
「かつてこれほど孤独な私立探偵があっただろうか」のシンちゃんシリーズ。本格ハードボイルドまっしぐら(笑)な新刊です。幼稚園の同級生:カオルコちゃんの失踪したウサギを探す表題作がやっぱり面白いですね。シンちゃんらしい短編というか、台詞回しについニコニコしてしまいます。

ボリューム的には中編の「かたい頬」なのでしょうが、ちょっとルル子さん活躍し過ぎじゃないかな~と。幼稚園児の現実とシンちゃんのキャラ、絶妙です。楽しすぎます。ありふれたハードボイルドのパロディなんかじゃない、シンちゃんの活躍はこれからも続くのでしょう。幼稚園を卒園することは無いのかな?(笑)

読了『敗北への凱旋』連城三紀彦@講談社ノベルス

2007年08月20日 | book
昭和二十年、八月十五日。
廃墟になった帝都に夾竹桃の雨が降る・・・・・・。


終戦後間もないクリスマスイヴ、安宿で見つかった男の死体には右腕が無かった。容疑者の中国人女性:玲蘭は彼の情婦も続けて殺害、そして自らも身を投げる。よくある痴情の縺れとみられた事件だったが、背後には恐るべき陰謀と悲しい愛の悲劇が隠されていたのです・・・ってお話。

初めての連城作品です。ちなみにこの作品が上刊されたのは1983年11月。すいません積んでいました^^; と言っても24年積んでいたわけでは・・・あれ?

しかし哀しいお話でした。ドラマ性の強い物語なのですが、とびきりトリッキーなミステリィだったりするのです。なにせ暗号解読ですよ! 普通じゃ解けないよ、こんな暗号・・・でも美しい~。こんなにも哀しくて美しいミステリィが80年代に書かれていたんですね。びっくりしましたよ。。。

読了『ソロモンの犬』道尾秀介@文藝春秋刊

2007年08月16日 | book
大切な人を喪った夏。
ひとりよりふたりでいたかった。


大学生:秋内とその3人の友人たちは、ゼミで教わっている助教授の息子:陽介がトラックに撥ねられる瞬間に居あわせてしまう。幼い友を喪った哀しみの中、「なぜ陽介が死ななくてはならなかったのか?」と議論を重ねる彼らに衝撃の結末が・・・ってお話。

ビビッドな青春ミステリィと思いきや(いえ、正統派の青春ミステリですが)いきなり大技を仕掛けてくれましたね、道尾氏。それでいいのか、とツッコミを入れかける読者を尻目に、その上を行く大仕掛け(笑) これだから道尾作品は面白い。秋内が片思いしているオンナノコへの妄想ぶりが可愛い&可笑しいですね。あぁ、青春だな~とニコニコしてしまいます。そしてちょっと妙で変な探偵役。彼は今後も作品に登場しそうなキャラですね(にこっ)

読了『急行エトロフ殺人事件』辻真先@講談社ノベルス

2007年08月13日 | book
講談社ノベルス25周年記念、綾辻・有栖川復刊セレクションの1冊。82年の刊行ですからちょうど25年前の作品ですね。じつはこの本、当時の物を所持しているんですよ。積んであったわけですが(笑) ん、これは誤解を受けるかも。25年積んであったわけではなく、手に入れたのは3、4年前です(たぶん) このキリコ&薩次シリーズ、昔よく読んでいたんですよ。懐かしいなと思いながらの読書でした。

お話はというと、失踪してしまった友人の安否を気にしつつも集まった同窓会の出席者が次々と不可思議な死に方をします。残ったのはご存知(?)キリコの兄だけ。キリコと薩次は事件の手がかりを求めてエトロフ島へ向かうのです。

急行エトロフ? って不思議に思った人は正しい。このお話は大きな仕掛けと言うか、ややSF的な設定があるのです。時は昭和十九年から二十年にかけて。しかし軍国が進みながらもまだ日米が開戦していない昭和19年なのです。パラレルワールドな設定で起こる本格鉄道ミステリィ。これが実にトリッキーな本格モノで面白いのです。犯人についてはやや掟破りかなと思わないではありませんが、面白かったのでOKでしょう。

読了『水神の祭り GUIN SAGA 115』栗本薫@ハヤカワ文庫

2007年08月11日 | book
快楽の都:タイスの年に一度の「水神の祭り」がいよいよ始まります。町に於ける祭りの観光案内的な説明書きが多いのは仕方ないかな。それよりグインたちの運命の方が気になるのですが、これもこのサーガでは必要な世界観説明の一つ。と、解ってはいるもののやや斜め読み(笑)

しかしグインのタイス脱出作戦は少しずつ形を成そうとしているようです。はたしてグインvsガンダルの対決は観られるのか? フロリーの運命は? 毎回の事なんですけど続きがとっても楽しみです。

ところで表紙カバーはリギアでしたね。何と美しいんでしょう。。。

読了『QED~flumen~九段坂の春』高田崇史@講談社ノベルス

2007年08月09日 | book
鎌倉宮、浅草寺、熊野灘・・・。
封印された歴史に導かれ、悲しき殺人の連鎖を解く!!


QEDシリーズの番外編。時節は過去へ飛びます。中学生の桑原崇のほろ苦い初恋物語。奈々や小松崎、御名形史紋らの周囲でもそれぞれに起こる怪事件。すべての糸が1本につながる美しさはさすが高田氏ですね。もちろん歴史の闇に覆われた史実にも大胆な考察の衣を纏わせ、事件のモチーフにもしてしまう。連作短編という形が如何にも番外編っぽくてユニークな仕上がりです。シンプルに読むことが出来る事も好印象でした。。。

読了『ねじの回転(上・下)』恩田陸@集英社文庫

2007年08月05日 | book
『蛇行する川のほとり』で心地よいガーリー・ミステリィを楽しんだ恩田さんのSF長編。“二・二六事件”という史実をモチーフに人類絶滅の危機を迎えた近未来からの過去修復再生プロジェクトが発動されるのです、ってお話。

冒頭から二・二六事件の真っ只中。SFというとその世界観や設定にかなりの説明を必要するジャンルだと思うのですが、もう転がり始めているストーリーにいきなり放り込まれた感じでアワアワしているうちにもうお話の虜でした。タイムトラベルSFにちょっとしたアイディアが加わり、そして恩田さん特有のノスタルジックな表現文章がおいしく絡まり、本当に楽しませていただきました。ガチガチなSFでないところが如何にも彼女らしい。硬派な衣装を纏いながらも恩田さんのファンタジーはリリカルです。

読了『天帝のつかわせる御矢』古野まほろ@講談社ノベルス

2007年07月29日 | book
超Q級豪華寝台列車で密室殺人劇が幕を開ける・・・・・・

前作『天帝のはしたなき果実』が意外とお気に入りだったので迷わず購入したのはいいのですが、暫く積んでいました。1週間ほど読書モードでは無かったようなので・・・と言い訳をしておいてこの作品です。例によって化けコアラのまほまほが満州から日本へと帰還の際に乗り込んだ豪華寝台特急内で起こるバラバラ殺人事件。乗客も様々な過去と現在を有する人々ばかり。その事件発生がこのぶ厚い本の真ん中あたりで起こるまではスパイの暗躍する冒険小説ふう。しかし事件が起こればそこからはこれでもかと本格スピリット大爆発(笑)←なぜ笑う?

相変わらず英語、フランス語、ロシア語、○○語等々ルビふりまくりの文体は読み辛いのですが、そのトンガリ感も相変わらず。事件の展開と告発形式で語られる謎解きに関しては妙に正統派なのことが、僕的には好みでしたよ。でも、その分前作の青春小説っぽさが薄くなってしまった感あり。しかしシリーズは続きそうですね。期待していいのでしょうか・・・。

読了『蛇行する川のほとり』恩田陸@中公文庫

2007年07月20日 | book
あの夏、あの場所であたしは何を見たんだろう

ブックストアの文庫コーナーに平積みされていたので、新刊かと思い購入。買ってから「あぁ、新書で以前に出ていた作品じゃん!」と気づく。失敗したな、ノベルス好きの僕としたことが・・・。

そんなことは措いといて、恩田さんの紡ぐガーリーでノスタルジックな物語。憧れの上級生、香澄と芳野の二人から夏休みに演劇祭の舞台背景を描きあげる為の合宿に誘われた鞠子。心躍らせながら香澄の家:船着場のある家に赴いた彼女を待ち受けていたのは、遠い夏の日に封印されたはずの秘密だった・・・ってお話。

もうこの雰囲気だけで惹き込まれますよね。懐かしい少女漫画を読み返したような導入部と鞠子を襲う不確かな過去の記憶。ビックリしたのは第二部で視点が変わること。封印された出来事に近づいてゆく鞠子はもう視点の外。それどころかこの展開って・・・(絶句) そして第三部での視点は・・・。これが非常に良く出来たお話なんですよね。大どんでん返し、ってわけではありませんがとても繊細な物語を堪能した、って感じです。

読了『四神金赤館銀青館不可能殺人』倉阪鬼一郎@講談社ノベルス

2007年07月16日 | book
「殺してやる。みんな殺してやる」
館にこだまする女の怨言。


いきなり物騒なコピーですが倉阪氏だから仕方ない(笑) 今月唯一の講談社ノベルス新刊はビックリするような仕掛けが施されていました。

古くからの名家:四神家と新興の花輪家。その花輪家が所有する銀青館に招待されたミステリ作家の屋形と招待客たち。嵐の夜、館主が密室で殺害され、さらに連鎖する不可能殺人。そして対岸の四神家:金赤館でも凄惨な連続殺人の幕が切って落とされます。忌まわしい因縁に繋がれた両家で起こる新たな悲劇とは・・・。

嵐の夜に閉ざされた館、そして連続殺人と名探偵。これぞ本格、とワクワクしながら読み進めて行くと・・・あれ、ちょっと変だぞ、と。そしてあちこちに散りばめられた伏線が明らかにされるとき驚愕の真実が(笑)←何故笑う?

そういう意味では、しっかり騙されました。これ、シリーズになるといいなぁ(笑)←だから何故笑う?