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スターンのベートーヴェン・ヴァイオリン・ソナタ。

2017年10月25日 22時57分46秒 | ベートーヴェン
何だか大変な総選挙でしたね。強烈な台風が直撃する中、私も投票所に傘を差しても濡れながら行きました。でも、自民は30%ちょっとしか投票されていないのに、議席は2/3近い数を獲得するという、この選挙制度ってどうなんでしょうね。また、地方自治体の首長が国政政党の党首って、これもなんだか変ですよね。もっというなら、はっきりとした政策も???の政党がそれなりに当選者が出ていることもねえ。日本の民主主義は大丈夫なんですかね。

ということで、今回はベートーヴェン。ベートーヴェンの数あるジャンルの中で、あまり聴かないのは、ひとつはピアノ三重奏曲。大公すらあまり聴きませんね。そしてもうひとつはヴァイオリン・ソナタ。春とクロイツェル以外は、果たして聴いたことあるんかね、というくらいのものですね。それで、今回はまったく聴かないな、と思っていたヴァイオリン・ソナタであります。ベートーヴェンは、このジャンル、10曲作っていますが、第9番までが作品50まで。ということで、けっこう若いときに作ったものが多いのですね。その中から、ヴァイオリン・ソナタ第6番イ長調作品30-1であります。この曲、知ってはりますか。

ヴァイオリン・ソナタ第6番は、7・8番とともにロシア皇帝アレクサンドル1世に献呈された「アレキサンダー・ソナタ」の一つ。作曲されたのは1802年と言われており、交響曲第2番あたりと同時期ですね。アレクサンドル1世からは、献呈時には代金を払ってもらえず、12年後にウィーンを訪れた皇后エリーザベトが代金の30デュカーテンを支払ったということでも有名になったようです。

ということで、この演奏ですが、最近私はアイザック・スターンの演奏をよく聴いていまして、今回も、スターンのヴァイオリンとユージン・イストミンのピアノでの演奏。1982~3年の録音。
スターンのヴァイオリン、音色は非常に美しい。しかし、情熱的や熱いとか感情がほとばしるとか、そんな印象はあまり持たないんですね。このベートーヴェンもそうなんですが、多少控え目なヴァイオリンであり、それほど強い自己主張も感じないのです。そういうとマイナスの印象かと思うのですが、そうではない。そんなスターンの演奏に最近たいそう惹かれるのです。それは、強烈な自己主張をしなくても、こんないい演奏ができるんだ、と言わんがばかりのものであるし、たいそう均整のとれた、安定感に満ちた力強さに裏付けられた、大変な美音で弾かれるベートーヴェンは知らず知らずのいうちに心に染み込んでくるのです。そんなスターンのヴァイオリン、実にいいです。加えて、イストミンのピアノもスターン以上に端正でバランスがいい。もしかすると、このイストミン、スターンのヴァイオリン以上に私は好感を持ちました。これもそれほどの不必要な自己主張はなく、淡々と弾いているのですが、そこから醸し出す情景がいいです。そして、そんな二人の演奏は、均等な演奏量で、どちらも引けを取らないのです。

ただ、ヴァイオリン・ソナタの録音って、ヴァイオリンに重点を置いての録音が多いんです。昔になればなるほど。まあそれでもいい曲もありますが、私的にはこの演奏がひとつの理想型と思います。そうでない録音で聴くと、ピアノをかなり過小評価してしまう危険があるんですねえ。
そんな録音も、この演奏には有利に働いているのかも知れません。

この曲は三楽章からなり、全体的に非常に穏やかな様子なんです。第1楽章、両者の均整のとれた美しさがいい。そして一番いいのは第2楽章瑞々しさがほとばしるような美しさにあふれ、これは実によい。第3楽章は変奏曲。ここでもベートーヴェンの変奏曲を楽しむことが出来ます。スターンとイストミンがうまく調和したベートーヴェンでありました。

台風22号は各地で大きな被害をもたらしましたが、また今週末から来週にかけて23号がくるかもしれない。もう10月も終わりなんですがねえ。
(SONY 88697826772 2011年 輸入盤) 

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