こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

最晩年のセルとドヴォルザーク

2008年10月26日 11時27分27秒 | ドヴォルザーク
今回は、ドヴォルザークの交響曲第8番ト長調「イギリス」です。演奏は、ジョージ・セル指揮クリーブランド交響楽団。

このCDは、先日三宮の中古やさんで、450円ほどで買いました。買った動機は、まあこの曲を久しぶりに聞いてみてもいいなあ、というのと、値段が安かったことでした。ドヴォルザークのCDは、その昔、室内楽に凝ったときに、2枚ほど買いました。そして、新世界からを2枚ほど持っているだけで、私的には全くと言っていいほど聴かない作曲家なんですね。ほんと聴いてないですよ。交響曲も7・8・9番しか、聴いたことがない。そして、7番については、ほとんど憶えていません。その昔、友人がドヴォルザークの交響曲全集を買ったことを聴いたときには、ようそんなCDを買うなあ、と感想を述べたような次第でした。そんなこと言っててはいけませんねえ。

そんな私でも、このCDは知ってました。セルの代表的演奏であるし、この曲の超名演奏としてかなり有名なものであります。そして、今から約35年前、中学生のときの友人がこのレコードを持ってまして、その友人の家で何回か聴いたことがありました。その友人はセルが大好きだったんですね。ませた中学生であります。このCDの録音は、1970年4月。いうところのセルの最後の録音です(以前にエントリーしたシューベルトの9番も4月27.29日と言われています。このCDはそれよりも後ということは…?、…?、)。

この曲は、4楽章、すべて極めて聴きやすいです。超有名な第3楽章だけではなく、他の3楽章もですねえ。その反面飽きやすいかもしれません。ただ、4つの楽章がいろいろな顔をもっている曲ですが、セルはそれに合わせての個性あふれる演奏を聴かせてくれます。クリーブランドの力量もすごいです。第1楽章、弦による序奏。この弦はきれいですねえ。そして、明るい第一主題がフルートで登場しますが、これまたフルートがいいです。きれいですねえ。糸を引くようにのびていくあたりも極め美しい。そして次第に盛り上がっていくあたり、セルの演奏はドヴォルザークの音楽に強い共感を持っていますね。そして、第2楽章、ここが最もいいです。木管などを中心に郷愁たっぷりの旋律が散りばめられていますが、演奏の透明感というか、澄んだ音色には感心させられるし、それに対しての弦も一糸乱れぬ、細やかで美しい。そして、誰もが知っている第3楽章。混じりけのない純な弦で哀愁たっぷりの美しいワルツが登場。うっとりと聞き入ってしまいます。弦の背後で木管も頑張っていますよ。若いころは、こんな甘い音楽は嫌いでしたが、年を取ってくるといいもんですねえ。中間部の歌劇「がんこ者たち」からの主題も楽しい。第4楽章。一転して曲調が変わり強烈な展開に。ここでもクリーブランド管はしっかり統率され、頑張りを見せてくれます。曲がかなりの変化を見せてくれますが、この対応もさすがであります。

この曲にも、ブラームスの影響を感じさせるそうですが、そう言ってみると、ボヘミア版ブラームスなんでしょうか。意識するとブラームスの3番・4番なんかが思い出されます。
(EMI TOCE-3038 1995 Grandmaster series)

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8 コメント

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好きな曲です (ヒロノミンV)
2008-10-26 20:02:30
 ドヴォルザークの8番、自分は大好きな曲です。9番はコンサート(特に岡山での・・・)で頻繁に演奏されすぎて、もうええ加減飽きてきた感じがしますが(爆)、8番はまだまだ飽きが来ないです。第2楽章あたりは、ヒグラシが鳴くような晩夏・初秋あたりの日本の水田風景にも結構似合うような気がしています。
 セルの演奏はCBS盤で持っています。弦の一糸乱れぬアンサンブルは見事です。
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ありがとうございます。 (mikotomochi58)
2008-10-26 21:01:32
ヒロノミンV 様、コメントありがとうございます。ほんとにドヴォルザークは、今まで聴かなかったんですが、反省をして、今後しっかり聴いていこうと思います。ドヴォルザークさん、ごめんなさい(笑)。8番では、第2楽章が大好きです。また、セルの演奏、ほんとに見事なアンサンブルです。凄い演奏ですねえ。
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ドヴォ8、最高の1枚と思います (mozart1889)
2008-10-28 06:20:19
これ、素晴らしい演奏ですね。僕は、この交響曲、大好きなんですが、セル&クリーヴランド管以上の演奏にはまだ出会っていません。特に最晩年、このEMI盤が素晴らしいです。
メチャクチャに巧いオーケストラ、スケール豊かで巨匠風の指揮、そして郷愁を誘う美しい旋律が浮き立ってくる・・・・ああ、最高のドヴォルザークと思います。
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どうもです。 (mikotomochi58)
2008-10-28 17:14:54
mozart1889 様 コメント&TBありがとうございました。最近ですが、セルの演奏を真剣に聴くようになりました。今、思うことは、この演奏を生で聴いたら、さぞ凄かっただろうな、ということです。特に、クリーブランドの生の音色を聴いてみたいですねえ。まあ、それもかなわぬことですが…。機会を見つけて、CDをあさろうと思います(笑)。
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旧盤が良いという評論家がいる (ken)
2010-09-05 02:31:54
旧盤に固執している評論家がいますが、私は断然1970年盤を推します。というか比較になりません。音色の深みが桁違い、絶対の名盤です。
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コメント感謝です。 (mikotomochi58)
2010-09-06 20:03:38
ken様、この演奏もほんとに懐かしいものです。旧盤は私は聴いたことがありません。この新盤で十分なのですが、旧盤も聴いてみたいと思います。ご教示ありがとうございます。
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メロディーメーカードボルザーク面目躍如の曲 (Klug)
2016-08-19 06:39:00
個人的にはワーグナー張りの第4交響曲、のだめ有名になった第5番、ブラームスの第2交響曲に似ている第6番までが本来のドボルザークと思っています、過渡期的な第7番のあとにある第8番は交響詩に近いイメージもあります。アプローチの仕方は2つあり、カラヤンのようにメロディーの美しさを極限まで表現する方法てセルのように徹底的に音を磨き込むやりかたに大別されると思いますが、ボヘミア的響きの延長線上にこの曲があると捉えた場合、ノイマン、アンチェル そしてコシュラーの三者は外せません。でもこの三人も往年の一言の中にうもれつつあります。残念です。異色盤ですがワルター コロンビアの演奏の第三楽章のリズム感、秀逸て思います
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コメント、ありがとうございます。 (mikotomochi58)
2016-08-21 00:32:07
Klug 様、コメント感謝です。ドヴォルザークは、最近とんとご無沙汰であります。交響曲についても、6番以前は、ほとんど覚えていません。またしっかり聴こう!と思います。今後ともご教示ください。
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