こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

ケルテスのベートーヴェンを見つけました。

2014年11月16日 18時48分02秒 | ベートーヴェン
ほぼ三週間ぶりに、この日曜日は家でゆっくりしました。この三週間は、休日出勤や夜の飲み会、そして一泊の出張と、まあ家にいることがあまりなく、そうすると、音楽もじっくり聴けず…。
反面、この間ネットで注文したCDなんかがけっこう届けられたりして…。うーん、欲求不満がたまるのでありました。そして、確実に寒くなってきて、今日は頭痛と鼻水がちらほら。これは風邪の初期症状か?などと思いながら、心はどんより曇った、気持ちの晴れない毎日であります。

そんなわけで、今回はベートーヴェンであります。先日三宮への出張帰りに、元町の中古やさんでイシュトヴァン・ケルテスのベートーヴェンの交響曲第4番とレオノーレ序曲第3番、コリオランとエグモント序曲を三つ収めたCDを発見しました。値段も400円でした。ケルテスのベートーヴェンとは…、と思いながら買ったのでありました。ケルテスが1960年頃にバンベルク交響楽団と録音したCDでありました。当時ケルテスは、30才ぐらいだったんでしょうね。

ケルテスは、将来を嘱望されながらも、1973年に43才でテルアヴィヴの海岸で水泳中に事故死された、夭折の指揮者であることは周知のとおりであります。VPOとのドヴォルザークやブラームスの交響曲の名盤を残していますが、ベートーヴェンの交響曲の録音はまったく知りませんでした。同じバンベルク響と残した交響曲第2番の録音もあるそうで、それも是非聴いてみたいと思いました。

このバンベルク響は、当時は、カイルベルト1949年以来が首席指揮者を務め、カイルベルトの死後はヨッフムが後を継ぎ、1973年からはケルテスが首席指揮者となる予定でありました。現在でもカイルベルトやヨッフムによる多くのCDが残されているオケですね。ドイツの地方都市のオケですが、このようなドイツの名指揮者のもと、ドイツっぽい音色を聴かせてくるオケでありますねえ。

しかし、ベートーヴェンの交響曲は、いろんな演奏を何回も繰り返し聴いているのですが、聴く度に新鮮な気持ちのなるのは、やはりこれらの曲のふところの深さなんでしょうか。このケルテスの演奏で、交響曲第4番を聴いても、やはりいい曲ですねえ、としみじみ感じたのでありました。ケルテスの演奏、私には30才という若い時のものとはなかなかおもえないような、落ち着いた、そしてオケのよさをしみじみと感じさせ、これぞベートーヴェンの交響曲だと思わせてくれるものでありました。30才の指揮者にしては老練さも感じる、逆にいうなら若さとかその勢いよりも、オケをドライブしての巧さも感じてしまう、そんな印象を持ちました。同じ頃、首席指揮者であったカイルベルトもベートーヴェンの交響曲を録音しているのですが、この4番はハンブルク・フィルですので、聴き比べることができないのが残念でした。

第1楽章から大仰な表情や感情的な表現は、見られず、少し残念な気もしたが、バンブルグ響の渋い響きと音色がいいです。重厚さではなく、軽快であるが落ち着いた演奏に耳が奪われる。第2楽章、ゆたっりとした流れ。誠実に奏でる弦や堅実な木管など、心に旋律が染み込んでくる。この援徐楽章、各楽器のバランスもよく、実にいいです。第3楽章メヌエット。ここでも大人の落ち着きを感じ、ケルテスはもっと勢いがあってもいいのかな、という気もしますが、これはこれでしっとりとしたメヌエット。各楽器の堅実が光っています。そして、第4楽章、近年の演奏では、ここで爆演的なものもあるので、少々物足りなさも感じるが、それはそれで、この演奏での求めるものとは違うということ。最後まで、管弦楽のよさを実感させてくれるのでありました。

このCDには、あとに三つの序曲がありますが、それもいい演奏になっております。ケルテスの事故のとき、岡村喬生さんやルチア・ポップさんも一緒だったそうですね。岡村さんは著作の中で、この事故の詳細を述べられています。傷ましい出来事でありました。ご冥福を祈念します。(DENON COCO84343 2007年 オイロディスク・ヴィンテージ・コレクション)

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2 コメント

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生きていれば巨匠 (木曽のあばら屋)
2014-11-16 21:32:15
こんにちは。
ケルテスの死はホントに惜しまれますね。
私も岡村さんの本は読んだような気がします。
波が荒いので皆が止めたのにケルテスは
「大丈夫大丈夫」といいながら海に入って行ったんでしたっけ
(うろおぼえ)。
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コメントありがとうございます。 (mikotomochi58)
2014-11-17 23:07:35
木曾のあばら屋 様、コメント感謝です。ケルテスの訃報は、当時新聞で知りました。、大変なことがあったんだなあ、とけっこう驚きました。ネットで、岡村氏の文を最近になって読みましたが、その詳細を知るに及び、悲しさが増幅されました。ほんとに惜しい限りであります。またご教示ください。
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