ローマ教皇のポッター・シリーズ批判

白雲
ハリーに揺れる米キリスト教原理主義

ローマ教皇がポッター・シリーズを批判
米国ではキリスト教社会を二分する論争に

そもそも「魔法」「魔法使い」とは何か。古代から中世にかけて、ローマ教会が権力を確立する過程で、教会が利用できる非キリスト教的な文化的要素は「キリスト教起源」のものとして塗り替えられ、取り込まれた。例えば12月25日をキリスト誕生のクリスマスとして祝う慣行も非キリスト教的由来によるものである。同時に、取り込まれなかった一切の風習、知識、技は反キリスト教的、悪魔的、魔術的なものとして抑圧、排除された。
 ポッター・シリーズの世界は、こうした反キリスト教的、魔術的要素で構成され、キリスト教的な文化的要素は全く登場しない
こうした魔法界の世俗化は、キリスト教徒がその対極に置くキリスト教的な価値規範自体の世俗化につながるのだ。宗教的な権威やイデオロギーにとって、権威の反対物(=魔法界)を世俗化して許容することは、権威それ自体を相対化し、その至高性を掘り崩すことになる。友愛や正義の価値観が「魔法界」において成り立つならば、キリスト教倫理の至高性は崩れる。

米国の親イスラエル政策の根にあるエバンゲリカルズの台頭
キリストが再臨し世界が最後の審判の日を迎える前に、ユダヤ人が聖地エルサレムに復帰する。ユダヤ人によるイスラエル建国は「神の計画」の必要な一部である。そしてキリストの再臨までにユダヤ教徒が一斉にキリスト教に改宗する時期が訪れる。ユダヤ人がイスラエルを建国した事実は予言の一部であり、神が存在することの証しでもある。またアラブ諸国の多くが貧困に瀕しているのは、神がイスラエルを苦しめる者を罰している証しである
聖書に書かれていることは文字通り真実であり、キリスト再臨による最後の審判の日が到来すると信じている宗教的保守派

ポッター・シリーズは宗教的原理主義の暴走から世界を救う現代の福音だと言えるかもしれない
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