マイナンバーの根本的問題、露呈した政府の“IT後進性” 導入反対した左派系野党に批判の資格なし

ばかな野党と マスコミのつけが・・・

 

元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一

【日本の解き方】マイナンバーの根本的問題、露呈した政府の“IT後進性” 導入反対した左派系野党に批判の資格なし

 新型コロナウイルス対策として全国民に1人10万円を配る特別定額給付金をめぐり、マイナンバーカードを使ったオンライン申請で自治体によっては不具合が生じたところも出た。マイナンバーカードと預貯金口座のひも付けも、全口座ではなく1口座を対象に検討する方針だという。

 そもそも、日本のマイナンバーの導入は、先進国の中でビリだった。米国に限らず先進各国ではかなり前から共通番号が導入されていた。米国、カナダでは社会保障番号。スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フランス、韓国では住民登録番号。オーストラリア、イタリアでは納税番号があり、他の制度の運用にも利用されて、共通番号制になっている。

 これらの国では、納税の際に共通番号を利用している。と同時に、預金口座開設にも共通番号を使うのは常識だ。筆者も米国生活経験があるが、米国到着のその日のうちに地方事務所に行き、社会保障番号の取得手続きを行った。なにしろ、社会保障番号がないと、銀行口座も開けず、自動車免許も取れず、米国生活は不可能だからだ。

 日本のマイナンバーには使用制限があるが、米国では銀行口座開設、自動車保険申請、自動車免許取得、クレジットカード取得など、あらゆる生活基盤と社会保障番号がリンクされている。

 新型コロナ対策の給付金でも、米国では社会保障番号にリンクされた銀行口座があるため、実施決定から2週間で政府から個人口座への振り込みが行われた。米国では社会保障番号と銀行口座のリンクが今ほど普及していなかったときでも、毎年社会保障番号の住所に年金通知が郵送されていた。米国の定額給付金の支給では、政府振出小切手が直接政府から社会保障番号の住所に郵送されていた。

 いずれの方法も、地方自治体が個人の住所に郵送し、それの返送を再び地方自治体で審査して銀行口座に振り込むという今の日本の方式よりはるかに早く定額給付金を支給できる。マイナンバー制導入が遅れた政府のIT後進性が、今回の定額給付金で露呈してしまった。

 今回オンライン申請した分は、マイナンバーと銀行口座のリンクは済んでいるはずだが、政府はその情報すら、次回の給付金に今の法律では活用できないというのはお笑い草だ。

 そういった数多くの反省を前向きに生かすためにも、個人のマイナンバーと全ての預貯金口座のひも付けの義務化を進め、マイナンバーを社会インフラとし、それを日常の行政で活用する仕組みが重要だ。他の先進国のように、マイナンバーで税務申告をさせれば、銀行口座のトレースができるので、課税の公平や税務の効率化にもなる。

 だが、政府はひも付けの対象を1口座だけとする方針で、不十分さは否めない。

 一方、日本でマイナンバーの導入が遅れたのは、左派系野党がプライバシーを理由として反対してきたからだが、今度は定額給付金の手続きが遅いと批判しているのはいかがなものだろうか。 

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