どうしても民主党はヒラリー

宮崎正弘のコメント

初盤戦でのヒラリー陣営の戦いの遣り方は、民主党内の有力者の支持を効率的にまとめ、さらに大口献金者を固めて有力な集票マシーンを築くことでした。
夫ビル・クリントンが率先して、昨年秋までに早々と組織を固めた。まったくヒラリーの圧勝基盤、独走態勢が構築されていたのです。
 オバマは、この民主党のエスタブリッシュメントに飽き足らない、環境運動家、人権活動家などが100ドル、200ドルを持ち寄っての志願兵の戦いで、これらバラバラの各団体、各層、各人種を一つ纏めるために、とりあえずのスローガンは「change」しかありません。
 だから反主流派連合がオバマをとりあえず御輿に担いでいる。
 しかしオバマが具体的な政策提言をすれば、烏合の衆、野合でしかない、いまのオバマ支持層の分裂は明々白々です。宗教、環境、人種、とくに移民政策や保険制度で、みんな、意見が違います。
 民主党は、次にルイジアナ、ネブラスカ、ワシントン、これにワシントン特別区とウェストバージニア州の予備選が行われますが、このあたりは、いまの勢いに乗ってオバマが押さえる可能性が高い。
 しかしこれら五州を制したところで、オバマが獲得できる代議員数は多寡がしれており、次は大票田のテキサスとオハイオ州です。
この二つはヒラリー優位です。
 ここで接戦が演じられるでしょうから、八月の党大会まで、もしオバマの息が続くとすれば党大会決戦にもつれ込む。
だが八月の民主党大会では連邦議会議員、知事、労組幹部など「特別代議員」が780名前後おりますから、これら党のエスタブリシュメントが、オバマに投票するとは考えられない。
という三段論法で考えてくると、どうしても民主党はヒラリーとなります
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