ドロリとしているのが健康な血液

ゲンダイネット
『「流れる臓器」血液の科学』中竹俊彦著(講談社 820円)
「スムーズに流れる健康な“サラサラ血液”」「流れがスムーズでない不健康な“ドロドロ血液”」という言い方がよくマスコミに登場するが、これは本来の血液の姿とかけ離れた作り話だと著者は言う。
 まず、「血液ドロドロ」というと、血液に脂肪分が溶けてベタベタになっているイメージを持つ人が多いが、血液中の脂肪分はタンパク質のカプセルに入って循環するため、血液が脂肪でベタベタになることはあり得ない。さらに言えば、ドロリとしているのが健康な血液の状態。それがサラサラ流れるとしたら、むしろ重度の貧血など、不健康な状態だ。
 そもそも血液は血管外で凝固する性質があるため、採血直後に抗凝固剤を入れないと観察できない。そして、抗凝固剤を入れた「固まらない血」から判断できるのは、赤血球の変形能(形を変える能力)のみ。
 採取した血で体内にあるときの血液の流動性がわかるかのように伝えるのは、非科学的な“視聴者だまし”にほかならない――など。
 臨床血液学の第一人者が、顕微鏡で見た血液の様子から、血液の循環と働き、ヘモグロビンの正体、白血球の姿と働きまで、血液に関する科学的知識をわかりやすく解説する

著者の生い立ちからの解説 ↓
講談社BOOK倶楽部:本|中竹俊彦
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