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批判続々の検事長「定年延長問題」 永田町をざわつかせた高市早苗氏の“正論”
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批判続々の検事長「定年延長問題」 永田町をざわつかせた高市早苗氏の“正論” | 文春オンライン
黒川弘務東京高検検事長(63)の定年延長問題が、波紋を広げている。黒川氏を寵愛してきた菅義偉官房長官の主導による決定だけに、これまでなら、異論があっても水面下で収まるはずだった。だが遂に閣内からも批判が飛び出した。
永田町をざわつかせたのが、高市早苗総務相(58)の“正論”だ。2月28日の記者会見で、「総務省では、原則、電子決裁することが規則で定められていて、私も電子決裁をしている」と明言、「会議への出席などは口頭で了解を得る場合もあるが、これは決裁ではなく口頭了解と呼んでいる」とまで言及したのだ。
検察官の定年延長はできないとしてきた従来の法解釈の変更を「口頭で決裁した」と説明した森雅子法相に対し、野党が国会で「あり得ない」と猛反発している最中の発言。加えて「高市氏は第一次安倍政権から二、三、四次まで全てで閣僚を務めるなど首相と関係が近い」(政治部記者)だけに注目を集めたが、「実は他の元閣僚や重鎮からも批判が表に出てきています」(同前)。
「口頭で決裁といった説明を国民が納得するか」
中谷元・元防衛相は所属する谷垣グループのあいさつで「手続きに瑕疵はないと政府はいうが、決裁が口頭というのはどうか」と不満を表明。「ポスト安倍」の本命とも目される岸田文雄政調会長でさえ、カメラの前で「口頭で決裁といった説明を国民が納得するか」と批判した。
小野寺五典・元防衛相はオフレコで「役所はすべて公文書で記録を残すのが当たり前。口頭なんて私の防衛大臣時代も聞いたことがない」と記者団に漏らしている。元防衛担当記者は「小野寺氏は記者のメモが流出し、首相や官房長官ににらまれるのを怖がり、オフレコでも常に慎重な発言を繰り返す人だったのに」と驚く。
「桜を見る会」を巡っては「安倍首相はウソつき」との見方が広がり、定年延長問題では相似形のように「森法相はウソつき」との批判が押し寄せ、内閣支持率は急降下。今は新型肺炎への対応が優先のため野党もマスコミも小休止だが、「検事長の定年を法に反して延長し、“官邸の守護神”とされる人物を優遇した問題は、法治国家の根幹にかかわる。簡単に沈静化はしない」(政治部デスク)。
この問題を追及する複数の野党議員には今も全国の検事から情報提供が相次ぐという。黒川氏を是が非でも検事総長に就任させたい官邸に反発する動きだろう。
「安倍政権を支持してきた産経新聞でさえ、この問題には社説で『異様』『あまりに不自然』『法務省が、法治国家の行政のありようを傷つけた』と強硬に批判しています」(同前)
無法のツケは、首相の支持基盤崩壊に及びつつある。
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