過去にも似たトラブルが 横浜に建つマンションはなぜ傾く?

日刊ゲンダイ

過去にも似たトラブルが 横浜に建つマンションはなぜ傾く?

 横浜市のマンション傾斜問題は、全棟建て替えにまで発展した。渦中の物件は三井不動産レジデンシャルが06年に販売したものだが、横浜では過去にも同様のトラブルが起きている。住友不動産が03年に分譲したマンションも昨年、傾きが判明した。

 そもそも横浜は坂が多く、地中も急な傾斜になっているような土地柄。横浜市内で杭打ちをした経験のある福島工業高専の金子研一元教授は、NHKの取材に 「10メートルほど離れると、地盤が4メートルくらい下がるのはよくある」と話していた。関東でもとりわけ複雑な地形とされる横浜に立つマンションを購入 すること自体が、リスキーな選択だったともいえる。

■昔は不人気エリアだった

 住宅評論家の櫻井幸雄氏はこう言う。

「昭和時代は坂が多く、複雑な地形の横浜は嫌われていて、住みたがる人は多くありませんでした。地震などの災害を考えると、不安に感じる人が少なくなかっ たのでしょう。もっとも、現在は建築技術が相当に進歩している。ボーリング調査をしっかりやり、キッチリと設計して建築した建物であれば、心配いりませ ん」

 ハイカラでオシャレな“横浜ブランド”のイメージは、この半世紀ほどで膨らんだものなのだ。

 関東大震災は首都・東京府(当時)の壊滅的ダメージばかり伝えられるが、震源地だった神奈川県の被害も大きかった。被災した1府9県中、全壊は最多の6 万棟超。死者・行方不明者は東京に次いで多く、3万人余りに上った。横浜のランドマークである山下公園は、復興事業としてガレキをかき集めて造成されたほ どだ。

「完成した建物だけを見て設計ミスや手抜き工事を見抜くのは、プロでも難しい」(前出の櫻井幸雄氏)

 マイホーム選びは上物の立派さより、地盤の固さだ。
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