ロシア人の人生観

松緒錦江
ロシア人の人生観
蟻とキリギリス
ロシア人の感覚では、「困っているキリギリスを助けない蟻は悪人」であり、「遊ぶべきときを遊んで、人生を満喫したキリギリス」のどこが悪いのか?むしろ、楽しむべきときを楽しむのは、正しい!むしろ、それを助けないで自分たちだけで結束してしまう蟻の精神というのは、非常に利己主義で冷酷なものだと非難する

離婚率の高さがある。まず、彼らの人生において重要なのは、自分にとってのその場、その場の好悪の感情なので、若いときに情熱的な恋愛に走ったら、そのまま結婚へとゴールインしていく。そして、数年で挫折。あっさり別れる。この場合、大半がそれまでに子供がいれば引き取るのは女性・・・・
いくつになっても、恋愛にたいして見境や分別はなく、情熱があれば、自分が何歳だろうが、相手が何歳だろうが結婚する。ある意味、正直な分、幸せな面もあるが、崩壊したときのこととか、その後の生活がどうなるとか、「将来的計画」を無視して、暴走してしまうところがあって、まさに「キリギリス的人生観」

女性が重い荷物を持っているとする。すると、全然知らない大きな体格の男性が近付いてきて、何も言わずに、その荷物を階段の下まで降ろしてくれる。あるいは、老女が重い荷物で困っているとき、迷わずに知らない若者に頼んで、途中まで運んでもらう。また、ときには雪道で転んでいる人がいれば、通りかかった人が、無言で腕を引っ張って、助け上げて去っていく

日本では知られていないが、ロシア人にとって「芝居」というのは、人生において相当重要なものだし、特に「今首都で一番注目されている芝居」を見ていないような人は、どんな分野においても、真のインテリとは呼べないというくらい・・・・
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