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「黄砂」シーズン突入 最悪事態 猛毒「PM2.5」で脳梗塞の恐怖
日刊ゲンダイ 2013年3月5日
「黄砂」シーズン突入 最悪事態 猛毒「PM2.5」で脳梗塞の恐怖
とうとう「黄砂」のシーズンに突入した。2月28日から北京の空は真っ黄色。視界が悪いため、高速道路も封鎖されてしまった。
5月まで「黄砂」のピークがつづくことで心配されているのが、猛毒物質「PM2.5」だ。黄砂と一緒になって日本を襲ってくる。
「黄砂そのものも、脳梗塞を引き起こす危険性が報告されています。今年はPM2.5が付着した黄砂が飛んでくるだけに、さらにリスクが高まる恐れがあります」(東京農工大教授・畠山史郎氏=大気科学)
黄砂によって、脳梗塞を発症するリスクは1.5倍、飲酒や喫煙の習慣のある人は2~2.5倍もアップするという。
しかも、PM2.5も、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす恐れが強い。体内に有害物質が入ると、通常は痰(たん)として口から排出される。のみ込んでしまっても、胃酸によって無害になる。
ところが、粒子が小さいPM2.5は、このメカニズムをすり抜けて、血液に侵入してしまうのだ。「新ゆり内科・海外渡航者外来」の高橋央医師はこう言う。
「PM2.5は、非常に小さいものですが、口に入ったからといって、そのまま血液に侵入するわけではありません。多くは、肺に届くまでに絨毛(じゅうも う)にキャッチされ、外に出される。ただ、なかにはすり抜けて肺胞まで届くモノもあるでしょう。PM2.5が蓄積すると、肺胞を破壊し、血液に流れ込む可 能性があります」
血液に侵入したPM2.5は、全身に回って心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす。
それでなくても、今年の春の「花粉」は例年の5倍という飛散量だ。〈黄砂、PM2.5、花粉〉の三重苦である。安倍政権は、とりあえずPM2.5が70 マイクログラムを超えた時は外出自粛という暫定的な指針をまとめたが、黄砂と混じったPM2.5の危険性がどのくらいなのか、きちんと調べるべきだ。
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