宮崎正弘の国際情勢解題」
令和五年(2023)5月5日(金曜日。端午節)
通巻第7737号
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NATOが日本に駐在員オフィスを開設へ
NATO会議に岸田首相が出席、事務局長来日で伏線は敷かれていた
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1月31日にNATOのストルテンベルグ事務総長が来日した。会合で岸田総は安保三文書を説明し、同戦略への支持がNATO側から表された。とくに予断を許さないウクライナ情勢やインド太平洋情勢を踏まえ、「自由で開かれたインド太平洋」の実現を含み、地域に「法の支配」の国際秩序の維持・強化のため、日・NATO協力を「更なる高みに引き上げていく」ことで合意がなされていた。
とくにサイバーなどでの協力を一層に進展させること、安全保障の重要な分野、とりわけ新興技術、宇宙、偽情報対策などの分野での双方の協力が重要と確認された。
この席でNATOがインド太平洋地域への関心と関与を深める必要があり、NATO代表部を設置する意向が伝えられた。加盟国以外でオフィス設置はジョージアとウクライナである。日本におけるNATO駐在オフィスは2024年中に設立され、韓国、台湾、フィリピンなどもカバーすることになるという。
岸田首相がNATO会議へ出席したのは22年6月29日で、ドイツでのG7に引き続きスペインで開催されたNATO首脳会議に日本の総理大臣として初めて出席した。
ことし7月のビリニュスNATO首脳会議にも岸田首相が出席の予定だ。
日本はNATOと、継続中のウクライナ戦争でロシアや、覇権主義的行動を強める中国を念頭に世界のいかなる地域でも力による一方的な現状変更を許してはならないという姿勢を共有するとし、日本とNATOの連携強化を確認している。
この動き、日本のメディは大きく伝えないが、台湾は速報で大きく扱っている