米国の大多数のテレビでは「メリークリスマス」は使わず、「ジングルベル」も流さない
ハ~イ! みなさん。日本は大型連休だったようだな。米国にも多くの日本人が旅行に来ていた。俺の住むテキサスには、ヒューストン宇宙センターやアラモ 砦(とりで)など、お勧めの観光地がたくさんあるぜ。米議会上下両院合同会議で素晴らしい演説をした安倍晋三首相にも、ぜひ、訪ねてほしい場所だ。
ただ、現在の米国には、お勧めできない部分も多々ある。「米国型のリベラリズム」は、その筆頭といえそうだ。
米独立宣言(1776年)の冒頭には「すべての人間は生まれながらにして平等であり、その創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権 利を与えられている」と記され、米国憲法修正第1条は、信教の自由を保護している。米国人は「自由」と「平等」を最も大切にし、それぞれの人種や宗教への 敬意を持ち続けているはずだった。
ところが、米国では最近、「キリスト教への見えない差別」が絶えないんだ。連邦政府が公式に始めたわ けではなく、リベラル派の「キリスト教などの宗教に興味を与えたり、肯定的に報道をすることは、政治的に正しくない」という考えのもと、マスコミやハリ ウッド、公立学校などが主導している。背後には、リベラル派の巣窟・米民主党の存在がある。オバマ大統領自身が、キリスト教を否定するようなスピーチまで している。
日本人には信じられないかもしれないが、米国の大多数のテレビでは「メリークリスマス」は使わず、代わりに「季節のあいさ つ」という。「ジングルベル」も流さない。まるで宗教を否定する共産主義国家みたいだ。テレビや映画には事実上、キリスト教を中傷し、あざ笑い、侮辱する ような表現も多い。
この間、ラジオのトーク番組を聴いていたら、司会者が、大西洋で66日間も漂流した男性について話していた。男性は漂流時のことについて、「聖書を隅から隅まで、何度も読んだ」と証言したんだ。聖書が、男性に生きる希望と勇気を与えたのだが、この漂流劇を報じた新聞記事には「聖書」という言葉は出てこなかった。これを正しく報じていたのは、英国のメディアだった。
政教分離や、宗教絡みのテロも背景にあるのだろうが、こんなことをしてい たら、キリスト教に基づいた米国の伝統や文化を破壊し、米国人の信仰や信条を否定することになるぜ。リベラル派は将来、米国人に「インターナショナル」 (=社会主義者の革命歌)でも歌わせる気なのか?
俺はここ数年、日本を何度も訪れ、北海道から、本州、九州、沖縄まで回った。日本には素晴らしい伝統と文化があるが、日本人はすべての宗教に敬意を払っていた。カトリックの俺も、自然に神道や仏教に接することができた。現在の米国で見られる宗教への差別もなかった。
親愛なるみなさんと、日本と米国に神のご加護がありますように。国の破壊をもたらす、米国型のリベラリズムだけは輸入しないでくれ。
では、また会おう!
■トニー・マラーノ 評論家。1949年生まれ。テキサス州在住のイタリア系米国人。サラリーマンを退職後、動画サイト「ユーチューブ」などで連日、評論活動を行っている。世 界のあらゆる“悪”と戦う「プロパガンダ・バスター」でもある。大変な親日家であり、日本でも圧倒的ファンを獲得している。著書に『テキサス親父の「怒 れ! 罠にかかった日本人」』(青林堂)など。