今回の選挙でアメリカの民主主義は死の淵に臨んでいます。

 

「宮崎正弘の国際情勢解題」  令和三年(2021)1月15日(金曜日)弐 通巻第6765号 

(読者の声4)「死の淵に臨むアメリカの自由と民主主義」
 アメリカ大統領選挙に伴う新政権の帰趨は、20日の新大統領の就任式を数日後に控えたこの期に及んでもまだわかりません。今ほど、徹底的な懐疑主義が必要なときはありません。全く明らかだと思えることでも嘘かもしれず、あり得ない話が事実であるかもしれないのです。わかった風の早計な判断は禁物です。
 根本的な疑問があります。
アメリカ大統領選挙の慣例は、選挙で勝った側が勝利宣言をするだけでは足りず、負けた側が敗北宣言をし、国民に新大統領のもとでの団結を呼びかけるスピーチを行うことによって終わるはずではなかったのでしょうか。少なくとも、2000年のゴア対ブッシュの大統領選挙では、ゴアが敗北宣言をするまで、メディアは最終結論を留保していました。この時は、民主党がクレームを付け、フロリダ州で票の再集計が行われたのです。
 ところが、今回は民主党のバイデン陣営がはやばやと勝利宣言をし、トランプが敗北宣言をしていないのに、一斉にメディが確定したことのように報道しました。
これは最終確定しないうちに、メディアが一方の側に肩入れして既成事実をつくってしまうという露骨に党派的な行動に出たことになります。
 本来は、あれほど多くのケタ外れの不正の事例が指摘されているのですから、接戦州だけでも厳格で中立公平な管理のもとに、票の再集計をすべきです。
その結果、バイデンが本当に勝っていたなら、それはそれで結構なことで、その時は国民の分裂は起こらなかったでしょう。なぜ、そうしなかったか。実はトランプ派が勝利を確信していただけでなく、バイデン派が敗北を確信していたからです。フェアープレイの精神はどこにもありません。
 主流メディアによれば、「1.6議会乱入事件」の責任は専らトランプ側にあるそうです。議場では不正疑惑への再調査・再集計の方向での本格的な議論が始まろうとしていた矢先でした。
その時、暴徒が押し入り、議場を占拠し、議論をメチャクチャにぶち壊し、死者が出て、再開された議場では恐怖に駆られた議員たちがそそくさとバイデンの選挙人の正統性を認めてしまったのです。
 しかしその日の9時半に、あるラジオ局が乱入事件の予定原稿を報道していました。突入を先導したのは、アンティファやBLMのメンバーの可能性の方が大きく、事件はまさに仕組まれていたのです。スタントマンの如く議事堂の屋根に手を掛けて突入しようとする男の映像も見ました。
 ホワイトハウスの前に集まった群衆に対するトランプの演説のどこに、議会乱入の扇動があるのでしょうか。
トランプはそんなことは全く言っていません。民主主義の表現手段として許される普通の平和的集会が行われていただけです。ホワイトハウスからキャピトル・ヒルまでは2キロの距離があります。演説と事件の因果関係は時系列的にも成立しません。
 「1.6事件」は裏があり、裏の裏があり、裏の裏の裏があります。確定的な真相はわかりませんが、分かっていることだけでも、トランプに全責任を負わせるメディアの報道は明らかに不当です。
 しかも、オールド・メディアは勿論のこと、ネット媒体のビッグ・テックまで、トランプ派の言論の自由を完全に奪う驚くべき暴挙に出たのです。9000万人のフォロワーを持つ世界ナンバーワンの覇権国家のトップのアカウントがことごとく削除される、などという事態を想像した人がはたしているのでしょうか
 公正な選挙なしには、民主主義は機能しません。今回の選挙でアメリカの民主主義は死の淵に臨んでいます。
今のアメリカは、私たちの知っているアメリカではありません目的のためには手段を選ばない」という思想、全体主義の支配原理、中国の超限戦が持ち込まれたからです。
このままバイデン政権になれば、アメリカは巨大な全体主義国家に変貌しかねません。それは人類にとっての不幸です。
  (藤岡信勝

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