これは毛沢東の共産軍や蒋介石の国民党軍が日本軍に繰り返した戦術とうりふたつでした。
国民党軍は日本軍が近づくと市街地に火をつけて引き上げ「日本軍の犯行」と宣伝しました。
2014年の香港雨傘運動の時も同様に盛り上がったが、首謀者が拘束されるとあっけなく鎮静化しました。
1989年天安門事件の時もそうだったが、学生運動はリーダー格の学生が逮捕されるとひとたまりもない。
2019年の香港民主化運動はリーダーが存在せず、ネット上で運動を呼びかけて自主的に集まった。
中国政府としてはリーダーを逮捕して終わりという訳にはいかず、鎮圧に手こずっている。
ではこうした民主化運動で中国政府が民主化を認めたり、香港革命が起きるかというと望み薄です。
中国政府は一時的に妥協して容疑者引き渡し方案を撤回する事はあるでしょうが、後で名前を変えてこっそり成立させます。
フランス革命の有名なバスティーユ襲撃、本当の主役はデモ隊を見逃した警官隊と、国王を裏切ったフランス軍だった
革命は軍隊が寝返って起きる
世界中のあらゆる革命は市民のデモ行進などで起きた事になっているが、真実ではありません。
フランス革命の原因はルイ14世が革命を認めてしまった事と、フランス軍が裏切って革命派についたからでした。
ロシア革命もまったく同じで、ニコライ2世が革命派に譲歩を繰り返し、最後に軍が寝返った。
明治維新も同じで徳川慶喜は長州征伐以降譲歩を繰り返し、旗本百万騎が徳川を裏切った。薩長軍が江戸を包囲した時、江戸城に集まった武士は500人だけで、全員が同心など下級武士だった。
清国が滅んで中華民国が成立した辛亥革命は、地方軍が反乱軍となり、孫文のもとに革命軍となって清国を倒した。
アメリカがイギリスの植民地から脱した独立戦争は、植民地軍がイギリス軍を倒したから実現した。もしイギリス軍が植民地軍に勝っていたら、その後のアメリカ合衆国は誕生せず、今日のアメリカもなかった。
同様にロシア軍やフランス軍が裏切らず、革命軍を倒していたら今もロマノフ王朝やフランス王家は続いていたかも知れない。
つまり革命とは市民のデモ行進が始まりだったかも知れないが、軍が革命側に寝返って初めて起きる。
軍が王や国家に忠実なら革命は絶対に起きないので、いくらオウムや赤軍があばれても日本で革命は起きない。
香港には香港軍が存在せず、守備隊すらないのでこれだと革命が起きる可能性は小さい。
香港警察は民主主義に目覚めるか
もし香港で革命が起きるとしたら、東ドイツ崩壊の時のように警察が国家を裏切って市民側に味方した時です。
香港警察の指導部や警官たちが、急に民主主義に目覚めて市民を守るなどありえるのでしょうか?
中国人の役人にそうしたメンタリティがあるとは聞いたことがないし、強きを助けて弱きを叩くのが中国の伝統です。
例えばソ連邦が崩壊した時、共産軍の戦車部隊が市民のデモ隊と遭遇し、市民らは戦車の前に立ちふさがったり寝転んだりして戦車隊は停止しました。
90年の天安門事件でも同じことがあったが、中国共産軍の装甲車は天安門広場の学生約3000人の前で止まる事は無かった。
同じ事は2008年チベット騒乱でも2009年ウイグル騒乱でも起きていて、装甲車に立ちふさがる僧侶を共産軍と治安部隊は蹴散らした。
中国4000年の歴史で軍や警察が「市民のために国家と戦った」など一人も聞いたことがない。
もし香港警察が中国を裏切って市民側につき、香港革命が起きたら、日本人は中国人への認識を変えなくてはならない。
だがその可能性は宝くじで一等が当選するよりも低いでしょう。