「自民党へ3年3000万円以上の献金をした諸団体」TOP14|会社四季報オンライン

一般財団法人の国民政治協会は自民党の政治資金団体で、自民党は同協会を窓口にして政治献金を受け入れている。同協会が1年間に受け入れる30億円ほどの政治資金のうちの70~80%が、あらためて自民党に寄付される構造だ。
「『自民党への献金が直近3年3000万円以上の企業』TOP53社」では、自民党への政治献金が大きい上場企業をランキング形式で紹介した。

本稿では、業界団体、政治団体を対象にして自民党への献金額の大きい順に別表にまとめた(5月13日時点)。
国民政治協会の政治資金収支報告書(2023年1~12月の入出金が対象)で、寄付者の区分が「法人・その他の団体」「政治団体」に該当し、1000万円以上の寄付を行った法人(企業を除く)を抽出した。同条件で過去の報告書も調査し、直近3カ年分の合算値を一覧にしたのが別表だ。
寄付金の返還などの資金移動は考慮せず、国民政治協会の政治資金収支報告書に記載された寄付金のみを集計対象とした。
おもな団体を紹介すると、3年合計で6億5000万円を寄付した日本医師連盟は「日本医師会の目的を達成するために必要な政治活動を行う」団体だ。寄付金の支出先は多岐にわたる。国民政治協会のほかにも、自民党の数多くの選挙支部に寄付を行い、石破茂首相が支部長を務める鳥取県第1選挙区支部も寄付先の一つだ(2023年実績)。
自由社会を守る国民会議(自由国民会議)は「自由民主党を側面から改革、支援しようという人々で構成されている組織」だ。同会議の会員は自民党の党友として自民党・総裁選挙の投票権を持つ。2023年の収支は、会員からとみられる会費収入が8000万円、自民党党本部から得た寄付金が3000万円で、それらのうちの7800万円が国民政治協会への寄付金にあてられた。
日本自動車工業会(自工会)は自動車メーカー14社で構成され、自動車関連の市場調査なども行う。税制改正大綱や国政選挙、新政権発足時などは会長名で意見表明する。
自民党(国民政治協会)への献金額が大きい業界団体・政治団体(2021~2023年)
順 位 |
法人名 | 寄付金額 (百万円) |
団体種別 | 主な加盟企業 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
3年合計 a+b+c |
23年 a |
22年 b |
21年 c |
||||
1 | 日本医師連盟 | 650 | 200 | 200 | 250 | 政治団体 | - |
2 | 自由社会を守る国民会議 | 236 | 78 | 77 | 81 | 政治団体 | - |
3 | 日本自動車工業会 | 234 | 78 | 78 | 78 | 業界団体 | 日産自動車 7201)、トヨタ自動車 (7203)、ホンダ (7267)など | (
4 | 日本電機工業会 | 231 | 77 | 77 | 77 | 業界団体 | 日立製作所 6501)、富士電機 (6504)、安川電機 (6506)など | (
5 | 日本鉄鋼連盟 | 190 | 70 | 60 | 60 | 業界団体 | 日本製鉄 5401)、神戸製鋼所 (5406)、大同特殊鋼 (5471)など | (
6 | 石油連盟 | 150 | 50 | 50 | 50 | 業界団体 | 出光興産 5019)、ENEOS(ENEOSHLD <5020>)など | (
7 | 不動産協会 | 120 | 40 | 40 | 40 | 業界団体 | 三井不動産 8801)、三菱地所 (8802)、住友不動産 (8830)など | (
8 | プレハブ建築協会 | 90 | 30 | 30 | 30 | 業界団体 | 大和ハウス工業 1925)、積水ハウス (1928)、積水化学工業 (4204)など | (
9 | 日本鉱業協会 | 60 | 18 | 21 | 21 | 業界団体 | JX金属 5016)、三菱マテリアル (5711)、住友金属鉱山 (5713)など | (
10 | 石油化学工業協会 | 45 | 15 | 15 | 15 | 業界団体 | 旭化成 3407)、住友化学 (4005)、東ソー (4042)など | (
11 | 日本商工連盟 | 36 | 12 | 12 | 12 | 政治団体 | - |
12 | 日本船主協会 | 30 | 10 | 10 | 10 | 業界団体 | 日本郵船 9101)、商船三井 (9104)、川崎汽船 (9107)など | (
〃 | 日本薬剤師連盟 | 30 | 10 | 10 | 10 | 政治団体 | - |
〃 | ワールドメイト | 30 | - | - | 30 | 宗教関連団体 | - |
(注)2025年5月13日時点。国民政治協会の政治資金収支報告書(総務省公表、2024年11月29日、2023年11月24日、2022年11月25日)で1000万円以上の寄付金支出があった団体(私企業を除く)のみが対象。100万円未満は切り捨て。各年の100万円未満切り捨て額を合算して3年合計額を計算した