2012年(平成24)4月20日、中西智海和上がお浄土へお還りになられました。
26日にご自坊のある富山県氷見市にて葬儀が行われました。私は仕事でお参りできませんでしたが、謹んで哀悼の意を表すると共に感謝の意を表します。先生、ありがとうございました。
思い起こせば12年前、ふとしたご縁で中西和上の「親鸞聖人と浄土真宗」を手にとって読んだのが私と浄土真宗との出会いでした。
当時、私は浄土真宗を名乗る異安心教団に所属しておりました。恥ずかしいことです。
「変なことが書いてあったら突っ込んでやる」
と思って中西和上の著書を読んでいったら、
「あれ?本派って十劫秘事とも口称正因とも違うんじゃないの??」
と疑団がわいたのを思い出します。
懇切丁寧に宗祖の教えを明快に説かれた著書を通して私の心の中に宗祖のお言葉が染み入りました。
今も忘れません。
しかし、ある会のマインドコントロールの中にあった私は、認めながらも逃げていました。恐かったのかもしれません。
私が10年近く師と仰いだあの男が間違いであることを認めるのが……
10年近い歳月を経て、まことの真宗に出遇った後、なぜか中西和上の「親鸞聖人と浄土真宗」が読みたくなったのを思い出します。
現在手元に「親鸞聖人と浄土真宗」がありますが、実は私一人のために書かれたご著書だと思います。
悔しく思うのは、浄土真宗に帰依してより、中西和上にお礼を申し上げたいと思っていましたが、その思いを果たす前に中西和上はご往生なされたことです。
諸行無常の響きここにあり。
中西和上に直に対面することはかないませんでしたが、中西和上は今も、「お念仏を申しなさい」と私を導いてくださっておられると思います。
中西先生、ありがとうございました。先生のおかげで私は浄土真宗に出遇うことができました。
感謝しても感謝しきれません。私も先生の待つお浄土に参らせていただきます。その際にはご著書のように懇切丁寧なご教導をよろしくお願い申し上げます。
南無阿弥陀仏
南無阿弥陀仏