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misty green and blue

Life is like an onion...

SIMONDOLL 四谷シモン展

2014-07-06 | artist


私にとっての人形―
抱き人形や着せ替え人形(リカちゃん人形)など、いわゆる幼児時代の玩具に過ぎなかった

玩具以外の人形は、なんとなく怖いと感じていた


昨日、独学で球体関節人形の制作を始め、常に新しい人形表現を模索し続けてきた日本の球体関節人形の第一人者・四谷シモンの生誕70年を記念した展覧会『SIMONDOLL 四谷シモン』展を開催中のそごう美術館に足を運んだ

無垢な少年少女がテーマの「無垢なるもの - 少女、少年」、艶めかしい女がテーマの「誘惑するもの - 女」、機械仕掛けの人形がテーマの「自ら動くもの - 機械仕掛」、天使をテーマにした「天上のもの - 天使、キリスト」、ナルシシズムとしての「自らを作るもの - シモン」、原点回帰と新たなる挑戦の「未完なるもの、そしてベルメールへのオマージュ」と、初期から最新作までの厳選46点の作品が6つの章に分かれて構成、シモンドールの世界を探求している

まるで標本のような「解剖学の少年」(1983年)、サイボーグの如き「機械仕掛の少女」(1985年)、木枠で囲まれた「目前の愛」シリーズ(1995年)、精神的苦境の真っ只中に救いを求めて制作した「キリエ・エレイソン 2」(1996年)など、展示された作品はシュールながらもどこか哀切を秘めた表情が印象的だった
 
とりわけ私の目を引いたのが、「天上のもの - 天使、キリスト」の章に配された「目前の愛」シリーズだった
物憂げな面持ちと細マッチョな体躯が中性的で、崇高さと人間臭さが入り混じった不思議な魅力を湛えていた




四谷シモン

私が一風変わったその名を知ったのは、1980年代半ば―もう随分前のこと

“珍書奇書に埋もれた書斎で、殺人を論じ、頽廃美術を論じる博識家(@三島由紀夫)”・澁澤龍彥を崇拝するマイケル好きのペンパルが、ひょんなことから紹介してくれたのが、『少女コレクション序説』―少女によって象徴される美を論じたエッセイ集だった
その表紙の装丁に用いられていたのが、四谷シモンの人形・少女だった

1965年に雑誌『新婦人』にHans Bellmerの球体関節人形を紹介、その記事に衝撃を受けたシモンが球体関節人形を作るに至ったといういきさつがある

そういえば、「天使―澁澤龍彥に捧ぐ」(1988年)と題された作品の深い慈愛に満ちた面差しは、観る者に癒しと希望を与えてくれる
My Fabourite SIMONDOLL Best 10の企画でも1位に輝くほどの人気ぶりである
ちなみに、「目前の愛」シリーズ3体の内の1体、「目前の愛 2」が9位にランクインされていたことが、ちょっと嬉しかった

たまたまシモン氏によるギャラリートーク&サイン会が行なわれていた時に入場していた私、思いがけなくも氏の素顔を垣間見る機会を得たが、
華奢で柔和な好好爺然とした風貌は、やや意外ながらも妙に納得してしまった



人形は、やっぱり今でもちょと怖い


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