贋・明月記―紅旗征戎非吾事―

中世の歌人藤原定家の日記「明月記」に倣って、身辺の瑣事をぐだぐだと綴る。

久しぶりに、伊井直行「青猫家族輾転録」読んで

2007-02-04 19:42:07 | 読んだ本
半年ぶりの投稿です

伊井直行「青猫家族輾転録」読んだ。

題名と装丁に惹かれて、「短そうだし、ちょっと」という軽い気持ちで手に取った次第。

ここ半年、ブログを書けなかったのは、ある程度まとまった「書評」めいたものを書かねばという気持ちがあったからです(正直言うと)。
「書評」など誰も期待していないのは、わかっているのだが、そこはそれ、「自意識」というのがあるからね。
いちおう文学に関してあれこれ言うことを仕事にしているし。

本を読んだ印象や、その時の自分の感じを、文字に定着させておくことが、案外大事なことだという気がしていたのも、確かなことなのだけれど。

ともあれ、それがいささか重荷だった。

そんなわけで、これからは、本の感想もカルーク書くことにした。

さて、「青猫家族輾転録」である。
冒頭部分にこんな一節があって、結局、物語の内容よりも、これが心に残った。

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五十過ぎの人間が自らを僕と称し、一昔前の若者小説みたいな文体で小説を書くのは気味が悪いと苦言を呈する人がいるとしたら、そりゃもっともだと賛成する。賛成はするものの、結局僕はこのスタイルを貫くだろう。五十歳を過ぎた自分に戸惑い、年齢にふさわしい文体がこの世に存在しないという事実を苦く受け止めながら。

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このブログの文章も、いつも「なんだかなあ」(我ながら)と思いながら書いているから、共感しきり。

最後に作者の経歴を見て、1953年生まれと知り、改めて共感。

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