隅田川つれづれ

隅田川沿いで働き、暮らしてます。
ちょっと味のある暮らしが気に入ってます。
そんな毎日をすこ~しおすそわけ。

奄美大島 1日目後半 金井工芸訪問

2011-09-23 00:29:17 | 奄美
さぁ、お腹がいっぱいになったので、南へ!

と、その前にみなとやのすぐ目の前の浜へ行ってみます。
ありゃ?数日前の台風の影響でしょうか、浜には漂着ゴミが・・・(^_^;)
そうか、笠利の海は外洋に面しているので大陸側からのゴミが流れ着いてしまうんですね。
奄美で最初に案内した浜が漂着ゴミだらけ、というのはちょっと残念でした。
「台風でゴミが多いですね」と思わずフォロー。
片っ端から拾って歩きたい衝動に駆られました。



さぁさぁ、ここからはひたすらドライブです。
けっこうタイトなスケジュールなので、立ち寄り場所も絞り、
トイレ休憩以外では1か所のみを予定。
先輩のリクエスト
「泥染めの工房に行きたい!」
をかなえるために事前に調べてあった工房に行くことに。

実は当初「大島紬村」をご案内しようかな?と思っていたのですが
洋服好きな先輩は、泥染めのニットを持っていて
それがどうやら奄美大島で染められたものだ、というのです。

都心の百貨店に入っているようなブランドで泥染め・・・

奄美の中には泥染めの工房はいくつもありますね。
でもそのほとんどは「泥染め体験」などを売りにした
体験型の工房です。
または、自分たちで作った素材を染めて売っています。
関東圏のアパレルメーカーと共同で仕事をするような工房は
そうそうありません。

さぁ、どこだろう?
と調べているとき、twitterでお見かけしたのが「金井工芸」さん。

昨年の水害の被害が大きく、大変なようだが頑張っている、と
どなたかが書いていたように記憶しています。
どれどれ?とネットであちこち調べてみたら、なるほど、
紬だけではない泥染めの魅力を知ってもらえるように
さまざまな努力をされている若手の後継者がいるんだな、とわかりました。

その後も雑誌の取材なども受けている様子。
先輩の買った泥染めのニットも、もしかしてここの仕事なのでは?
と見当をつけました。

そこで、ギリギリではありましたが、出発直前に金井工芸さんに連絡。
泥染めの体験をする時間はないけれど、工房にお邪魔してもよいか、と
ご相談させていただくと、快くOKいただき、南下する途中、
「戸口」にある工房を訪ねることにしました。



戸口集落に着いてからも少々迷いつつ、工房に到着。
こじんまりとした工房です。
中を伺うと独特の香りがします。
大きな窯、木片が山になっています。
(あれがテーチ木かしら・・・・)



しばらくウロウロとしていると奥から金井さん登場。
どうぞどうぞ、と工房の中を案内してくださりました。
お若いなぁ!30代前半でしょうか。
Tシャツに前掛け。前掛けはさまざまな色に染まっています。
窯でぐつぐつと煮出されているのは、やはりテーチ木。
煮汁に布を浸せば独特の色合いに。
さらにその布を泥田にさらせば化学変化でグレーに。
それを繰り返し、徐々に黒く染まっていくのですね。
何度も何度も繰り返し、艶のある大島紬の深い黒に・・・。



でも、今金井さんが取り組んでいる泥染めには
黒以外の色もあるのだそうです。
それがこの時見せていただいた淡いピンクやベージュ、
さらに黒まで染めないグレー。



見たことのないような繊細な素材に、独特の風合いの
淡いトーン。
これは素敵です。
はぁ~~~
と思わずため息。
私はピンク、先輩はグレーのワンピースが気に入ったようです。
「これがお店に並んでたら即買い!」

金井さん、お話しの途中で、先輩の着ているニットに目をやります。
「もしかして・・・」
そうなのです、先輩はこの日の為に、
泥染めのニットを着て奄美入りしていたのです。
「やっぱり、そうです、ウチで染めたものです」
ビンゴ!
これはうれしい対面です。
「島じゃ売っていないので着ている人を見ることもなくて、
こうして実際に着てくださってるのを見るのは初めてです」
と金井さんにも大変喜んでいただけたようです。
私もお連れした甲斐がありました!

「どうぞ、裏の泥田もご覧になっていってください。」
と案内されたのは、工房のすぐ裏
そこに小さな泥のたまった池があり
木枠の中で作業をするのだそうな。
1つひとつを手で触り、目で見て、染めていく ・・
全てが手作業なのだなぁ、と実感。
到底機械化のなじまない作業です。



金井さん、泥を一すくい
「触ってみませんか?」
つやつやとした泥
触ると「わ!なめらか!泥パックしたいくらい!」
そう、私たちの「泥」の感覚とは別物ですね。
非常にきめ細かい粒子なのでしょう、プリンを触ったような感触です。

初めて触れる泥染めの世界。
聞けば金井工芸さんでは、色々なものを自分で持ち込んで
染めることができるとのことで、それを聞いた先輩は
「じゃ、白いワンピースとかTシャツなんかも?」
「はい、ちょっと染みがついちゃった服などでも染めるとまた違う風合いになって着られますよ」
きら~ん☆
先輩の目が光るのを見逃しませんでした・笑
「絶対染めにくる!」
と意気込んでいましたから、少し着飽きた服や、
小さな染みを作ってしまった服をどっさり染めにくるかもしれません。
なんだか私も、家で半分寝ている服をもう一度染めて着てみたくなりました。
自分好みの色になるまで染めて、いい加減のところで止めればいいので
きっと思いおもいの色に染めあがるんでしょうね。



泥染めには正直これまであまり興味がなかったのですが
今回、金井工芸さんにお邪魔して、俄然興味がわきました。
今度、奄美に行く時には、海や山で遊ぶ以外の楽しみ方もできそうです。



お忙しいところ、快く案内してくださった金井工芸さんには心から感謝。
これからのご活躍にも大いに期待したいと思います!



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3 コメント

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ふむ~ (Mr.Timebonus)
2011-09-23 00:52:29
泥染めって単語自体を初めて知りました。
っていうか、染まるんですね~。
それにビックリ。
ググっちゃいましたよ。
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う~ん (mf)
2011-09-24 01:22:07
泥染めって、たしかにあまり聞かないですね。
奄美で染物といったら「泥染め」なんですよ。
泥を選ぶので適さない場所ではできないようです。
私も未体験なので今度挑戦してみたいです。
返信する
おお~ (Mr.Timebonus)
2011-09-24 10:45:13
記事内容がさらに詳しくなってる!
雰囲気がよく伝わってきますね。
そうか~、古着も染めれば生き返りますよね。
奄美は色々と独自の文化があって面白そう。
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