NHKスペシャル

NHKスペシャル｜激流中国　チベット　聖地に富を求めて

不愉快な番組だった
いや番組が悪いんじゃなく
内容が不愉快でやりきれなくて

青蔵鉄道が開通して観光客が急増したチベット
漢民族による開発が急ピッチで進んでいる
チベット文化を売り物とするホテルが舞台

いかにもやり手な感じのホテルのオーナー
顔にも態度にもあくどさがにじみ出ている
文化も伝統も売れるものとしか見ない

チベット族の村で骨董品を買い叩いたり
法要をホテルのイベントにしようとしたり
能力別給料や罰金で人件費削減を推進したり

悔しいのは日本人がターゲットだってことだ
レストランのコースにマツタケづくしを入れたり
３万円なんて価格設定の法要は
日本人なら興味を持つだろうから、と言い放ったり

腹立たしさマックスだったのは
日本語で宣伝されているマツタケコースの前で
日本人観光客と一緒に映っていたのは
私たちについていたローカルガイドだったことだ

チベットを「外地」と呼び
チベット人は貧しいと蔑み
チベット語を学ぶ気が皆無で
チベット製品にはロクな物がないと言い続け
チベット医学に関してまともな通訳ができない
成都出身のヤツだヤツ！

ああ思い出すだけで腹が立つ
一生に一度の旅行を台無しにしてくれた
漢民族の代表みたいなあのガイドを
まさか国営放送の番組で見てしまうとは

チベット文化やチベット仏教に触れるはずが
漢民族に支配されて急速に中国化している
チベットの現実を嫌でも思い知らされた旅行だった

それを番組を通して再確認してしまった
ポタラ宮もジョカン寺もデプン寺のタンカ開帳も
懐かしいというより痛々しかった

今後観光客は倍増するという
開発もガンガン進むんだろう
「チベットに行くなら早いほうがいい」
散々言われて行ったチベットだったけど
「チベットに行くのはもう遅い」かもしれない


ポタラの白宮