(1989年)オフコース解散
五万人以上を集めたこの日の東京ドーム公演を以って解散。
同月はじめの武道館公演がラストステージだと思ってたから、直前になっていきなり東京ドーム・ファイナルが告知された時はやられたと思った。
それぐらい突然の発表だったが、あれだけの会場を借りる以上、予算や準備の面からも結構前から、即ち、ファイナル・ツアーのスケジュールが検討されてる段階で既に決まっていたとも推測される。
よりサプライズ度を高める為の計画的な「突然の発表」だったのでは?(真相は分からないが)。
解散が決まってから、東京に行こうか行くまいか、随分迷った。
交通費や宿泊代も結構かかる。
貧乏な田舎の高校生に用意出来る額ではない。
それに、肝心のチケットすら手に入らない。
結局諦める他なかったが、あの時、たとえドームに入れずライブに参加出来なくても、あの場所へ行けばよかった、と20年以上経った今でも思うことがある。
行ってどうなる訳でもないが、とにかく、バンドが最後を迎えるその日・その時・その瞬間を、メンバーの傍で迎えたかった。
僕が初めて行ったライブはオフコース。
そしてそれが、オフコースのライブに足を運んだ最後の機会となっている。
いつか再び全員揃ったステージが実現するまで、各メンバーのソロのライブには行かないと決めている。
こう言うと、如何にも再結成を心待ちにしてるように思われるかも知れないが、必ずしもそうとは限らない。
寧ろ、そうなって欲しくないという矛盾する願望すら抱いている。
凡百のバンドの如く、安易に再結成してもらいたくないという気持ちが強いから。
……と言いつつ、21世紀のオフコースを聴いてみたいのも本音。
再び集まることがあるなら、ライブは勿論だが、是非オリジナルアルバムを制作してもらいたい。
昔の曲の焼き直しでお茶を濁すような、ありきたりの新譜でなく、全てが新曲で構成された正真正銘のニューアルバムのリリースを望む。
どうせやるならそこまで徹底してもらいたい。
でも、やっぱりオフコースだけは再結成はないだろうなぁ。
何となくそんな気がする。
これは僕だけでなく、本当に彼らが好きな人ほどそう考えてる人が多い。
1988年1月に発売されたシングル『君住む街へ』を聴いた瞬間、「あ、オフコースはもうすぐ解散する」と直感したのを思い出す。
解散に向けたメッセージ・ソングでもないのに、僕にはそんな風に聴こえた。
まるで集大成のような、重い印象があった。
が、それはあくまでイメージ的なもので、まさかその翌年にそれが現実のものになるとは夢にも思わなかった。
あの直感だけは、外れて欲しかったなぁ……。