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川瀬有希の時の旅


「今日は何の日」と題し、過去のその日に起こった出来事を、自由気ままに語るブログです。

2014(平成26)年9月の出来事

2014-09-30 22:00:00 | 2014(平成26)年

(9月9日)安部俊幸さんの逝去が公表される

今月は印象的な出来事がいつにもまして多かったように感じるが、個人的にはやはりこの訃報に最もショックを受けた。
チューリップのギタリスト・安部俊幸さんが、7月7日に居住先のインドで脳出血の為亡くなっていたことがこの日公表された。

あれは1984年のこと。
その日たまたまラジオのチューニングをNHK-FMに合わせた際、チューリップが夏に行った野外ライブの特集をやっていて、流れてくる曲の良さに魅了され、一発でファンになった。
まだ現役だったものの、リアルタイムでリリースされるものより、遡って昔リリースされた曲の方をより熱心に聴いていたように思う。
とりあえずその時の「今」に早く追いつきたい、その一心でデビューの頃から順に作品をチェックしていくといった感じだった。
そして、やっと追いついた頃に解散(1989年)。
けれど、それで熱が冷めるどころか、過去のアルバムのCDによる再発が活発になった恩恵?を存分に受け、更に熱心に聴くようになり、いつしか僕にとっては別格的なアーティストのひとつとなっていた。

安部さんは朴訥とした語り口が特徴で、その話に耳を傾けるだけで人のよさが伝わってくるような、そんな人物だった。
チューリップでリードボーカルを務めたナンバーは極めて少ないが、同じくメンバーの姫野達也さんとのコンビ(安部さん作詞・姫野さん作曲)による楽曲には数多くの名作があり、財津和夫さんの才能が目立つチューリップの作品群に於いて、それとは異なるかたちで個性的な楽曲を届けてくれる重要な存在であった。
だからこそ、安部さん(や姫野さん)が一時脱退した後のチューリップが明らかにパワーダウンしたように当時感じられたのも、当然と言えば当然だった。

安部さんはビートルズのジョージよろしくインドに人一倍心を奪われたようで、遂には暮らしの拠点をインドに移し、バンドの再結成のたびに日本に戻って来るという生活スタイルを採っていた。
インドといっても開発著しい都市部でなく、ヒマラヤ近くの本当に自然豊かな田舎だったという。
古くからの友のつのだひろさんの話によると、倒れてから病院に運ばれるまで、そういう場所な為に約8時間も要したらしい。
それでは助かるものも助かるまい。
もし日本に暮らしていれば……とつい考えてしまうが、安部さんの立場からすれば、こういうかたちであれ、愛するインドで人生の幕を閉じられたことは幸せだったのかも知れない。
それは、本人にしか分からないが……。
ひとつ言えることは、もうオリジナル・メンバーでのチューリップの演奏を、この目で、この耳で確かめることは永遠に叶わなくなったということ。
この歴然たる事実が、堪らなく哀しい。

安部さん、長い間本当にありがとう。
のこしてくれた作品の数々を、これからも愛し続けるよ!


2014(平成26)年8月の出来事

2014-08-31 22:00:00 | 2014(平成26)年

(8月23日)代々木ゼミナールが来年20校を閉鎖すると発表

具体的には、来年4月からは本部校(渋谷区)・札幌校・新潟校・名古屋校・大阪南校・福岡校・造形学校の計7校のみを残し、他の20校を閉鎖するとのこと。
また、大学別の模試と高校1・2年生対象の模試は継続する一方、その他の受験生向け全総模試を廃止することも発表した。
大学入試センター試験の自己採点結果を集計・分析する「センターリサーチ」も中止するとのことで、これまで蓄積してきた膨大なデータが無駄になりそうな感さえある。
少子化や受験生の現役志向(冒険するよりは今の実力相応の大学を優先する姿勢)など、色々と原因は語られているが、それだけなら他の大手予備校も同様に縮小してもおかしくないのに、ここまで大鉈をふるうのは代ゼミのみ。
ということは、代ゼミ特有の問題が何かあると考えるべきだろう。

大学受験を経た身として、自分も代ゼミには思い出がある。

うちは家計に余裕のある家庭ではなかったので、もし現役で失敗したら、最小限の負担で済むよう、早い段階から宅浪(自宅浪人)をするつもりでいた。
で、案の定?現役ではクリア出来ず、予定通り宅浪生活に突入と相成った。
ただ、1年間ずっと家に閉じ籠り、受験勉強ばかりしてるのは気晴らしも一切なく体によくないし、また、高校時代から参考書でお世話になっていた有名講師の授業を実際に受けてみたいという気持ちもあり、水曜の夜と土曜の午後の週2回、北九州市の小倉にある代ゼミ小倉校に3コマだけ通うことにした。
今は分からないが、当時の北九州・下関地区では地域に根差した北九州予備校(通称・北予備)への支持が圧倒的で、そこに大手の代ゼミが殴り込みをかけてきた状況にあった(開校にあたり、認可問題ですったもんだがあった記憶がある)。
授業料の大幅免除などの餌をちらつかせ、本科生になるよう両校から勧誘電話がかかってきたりもしたが、どちらも丁重にお断りした。

代ゼミでは衛星回線を使い、代々木本校の講座を全国に向けて中継する「サテライン」が評判で、僕は当時絶大な人気を誇っていた現代文の田村と古文の土屋、そして、確か斉藤(とかいう名前だったがちょっと思い出せない)の英語を受講した。
どれも分かりやすい授業で、高い金を払い、遠出してでも通った甲斐があり、無事志望校に合格することが出来た。

授業だけでなく模試も、こちらは現役の頃から活用させてもらった。
どちらかというと、代ゼミは駿台や河合塾より私大対策が充実してて、私立専願の自分には相性がよく、高校主導で休日に実施される進研模試や河合塾の全国模試は完全無視し、わざわざ代ゼミの全総模試や大学別模試に個人で参加していた。
それくらい代ゼミ派だったので、今回の報道には正直寂しさを禁じ得ない。
自分にとってはもうひとつの「母校」であるから。

浪人中、土屋の古文ゼミで知り合った友達(彼は今も元気かな?)と、小倉校の建物というか造りは何となくホテルっぽいね、なんて話したりしてたが、来年閉校となった暁には、あの校舎はどうなるのだろう。
あの頃冗談で言ってたことがまさか本当になり、ホテルに改装されたりして(笑)。
とにかく、受験産業の世界も大きな曲がり角に来ていることは確かである。


2014(平成26)年7月の出来事

2014-07-31 22:00:00 | 2014(平成26)年

(7月20日)上海福喜食品の工場で食肉の不正製造問題が発覚

アメリカ食材卸大手「OSIグループ」傘下の中国法人「上海福喜食品」の食肉加工工場で、消費期限切れの食肉が製造に使用されていたことが上海のテレビ局の潜入取材により発覚。
上海市当局は工場を営業停止処分にし、23日には工場責任者など5人が警察により拘束された。

期限が半月も過ぎた肉を製造ラインに通す、床に落ちた肉をそのまま機械に入れて製造・出荷する、返品された商品の生産日を改竄して再発売する……もう無茶苦茶だ。
外資系企業傘下とはいえ、現地法人が携わってる以上、当然これは中国産(中国製)とみるのが適切。
中国で生産される食品にはかねてからその安全性が指摘されてきたが、今回の事件でその疑惑は決定的となった。
諸外国は勿論、日本にもマックやファミマをはじめとする企業を通じて数多く輸入され、何も知らない我々はそれを食してきたことになる。
考えただけでぞっとする。
しかし、今回摘発された企業と手を切るだけで、これだけリスクの高い中国産食品・食材を、これからも日本企業は輸入し続けようとすることは疑いない。
安全よりとにかくコスト優先というモラルなき企業体質。
我々消費者に出来ることは、そういった企業が発売する商品は絶対に買わないこと。
中国産の食品を全く使わずに食卓を飾ることは、今日に於いてはほぼ不可能に等しいが、意識的に徹底してそれらを拒否し、売り上げを落としていけば、企業側も変わらざるを得ない。
所詮商売だから、売れないものを供給し続ける訳にはいかないのだから。
そういう地道な〈徹底抗戦〉しか、企業体質は変えられない。

もっとも、安心出来る水準にまで改善されることはまずないだろうという現実が容易に想像されるのも、残念ながら事実である。
多分、こんな不正をやっている企業が他にもあるに違いない。
そして、今回の問題を受けて真摯に反省し、改善に取り組むかというと、まず期待出来ない。
寧ろ、ばれないようにより巧妙なやり方で生産される可能性の方が高い。
それくらい中国企業の食の安全に対する意識は低い。
職業レベルというより道徳レベルで疑うべき杜撰さといっても過言ではあるまい。
そうと知りつつ、こんな重大事件が起こってなお、中国頼りの食品・食材輸入をやめようとしない、負けず劣らず道徳意識の低い、利益至上主義の日本の各企業。
最早絶望的状況である。


2014(平成26)年6月の出来事

2014-06-30 22:00:00 | 2014(平成26)年

ザッケローニ監督率いる日本代表は、C組でコートジボワール・ギリシャ・コロンビアと対戦。
かつてなく海外組が揃い、直前のテストマッチもまずまずの結果だったことから、大いに期待は高まったものの……。

以下、日付は全て日本時間。



(6月15日)対コートジボワール戦 1-2

本田が先制ゴールを決めたところまでは良かったが、日本は「らしさ」を思うように発揮出来ないまま、徐々にコートジボワールのペースに。
そして、ドログバ投入後、明らかに試合の空気が変わる。
コートジボワールの攻撃に押されっぱなしの末、同点に追いつかれ、間を置かず、あっという間に逆転を許す。
その後も有効な反撃を繰り出せないままに試合終了。
まるでドイツ大会の初戦・対オーストラリア戦の逆転劇を再現したかのようなこの敗北は、チームに致命的な打撃をもたらした。



(6月20日)対ギリシャ戦 0-0

前評判通りのギリシャの堅守をこじ開けることは出来ず、痛恨のスコアレスドロー。
2試合終了で勝ち点1。
この時点でグループリーグ突破の可能性は、事実上なきに等しいものとなった。
戦前の予想で、最も勝ちを計算されていたのがこのギリシャ戦。
大抵の評論家はそう断言していた。
あの自信は、一体どこから生まれたのだろう……。



(6月25日)対コロンビア戦 1-4

決勝トーナメント進出への僅かな可能性を信じ、南米の強豪コロンビアと対戦。
不用意なPKを与え先制を許し、そのまま前半終了かと思われたところで、岡崎が印象的な同点ゴール。
しかし、反撃もそこまで。
後半は地力に勝るコロンビアの攻撃になすすべもなく、終わってみれば1対4の完敗。
日本代表のブラジル大会は、1分け2敗の勝ち点1でC組最下位・グループリーグ敗退というかたちで幕を閉じた。



繰り返しになるが、このブラジル大会は2006年のドイツ大会とダブって見えた(そう感じた人はきっと多い筈)。
直前まで高い評価をされ、かなりいい結果が期待されながら、初戦で余りにダメージの大きい敗戦。
続く2戦目も有効な手立てが打てないままにずるずると引き分け。
そして3戦目は、力の差を見せつけられるかたちでの敗北。
相手が違うだけで同じシナリオの試合を観戦したかのようなこの既視感。
何だろう、単にがっかりさせられた以上のこの虚脱感は。
個々の選手のレベルアップ・チーム力の強化・世界レベルに通用するだけの戦術の確立……。
挙げられる課題は、ドイツ大会後と何ら変わってないような気が。

2018年のロシア大会では、この完全なる敗北が、後の大躍進の始まりだったと振り返られるような、そんなこれからの4年間であって欲しい。


2014(平成26)年5月の出来事

2014-05-31 22:00:00 | 2014(平成26)年

(5月17日)ASKAが覚醒剤取締法違反の容疑で逮捕される

以前に疑惑報道がされていたので、今回の逮捕劇は、個人的には言われるほど驚きはなかった。

昔から芸能人の薬物問題は後をたたない。
創作上のプレッシャーや人気の浮き沈みなど、アーティストがそれに溺れる原因は様々に語られてきたが、つまるところ、それをやることが「カッコいい」とする価値観が根底にあるからではないかと考える。
その昔、海外の有名アーティストの多くがドラッグに手を染めていた時代があったが、彼らの音楽に憧れ、圧倒的な影響を受けた日本人アーティストは、真似るとまでは言わないものの、その音楽同様、ドラッグに対しても興味を掻き立てられる何かを感じとってしまう傾向があるように映る。
もし彼ら(海外アーティスト)がそれに対し強く拒絶反応を示していたなら、その後の状況はかなり変わっていたのでは?
「カッコいい」なんて単純な理由で人生を棒に振るような馬鹿をするかと思われるかも知れないが、人は往々にして理屈より感情に支配される生き物だ。
もっとも、真の理由は本人にしか分からない……。

さて、ASKAの復帰はあるか否か。

薬物程度で(という表現もどうかと思うが)永久追放されたアーティストはいないものの、今回は余りにイメージダウンが激しい。
「そういう」方向性を作品や生きざまで見せていたタイプではないので、昔からのファンほど受けたショックは大きい筈。
過去のケースのような安易な復帰は難しいだろう。
しかし、これで彼の創った楽曲が封印されるのは至極残念。
月並みな表現だが、曲に罪はないのだから。
楽曲が解禁されるのは比較的早いように思うが、それと本人の活動復帰には相応のタイムラグが生じる可能性が高いと予想する。

でも、そんなことより、本人が完成に依存状態から脱却することの方が難しいだろうな。
一度使用した者には必ず売人が接触をはかるし。
本当の意味で元に戻ることはあるまい。
が、必要以上の同情はしない。
自業自得だし。