(12月30日)大滝詠一急死
今朝までは別の事を綴る予定でいたが、余りに衝撃的な訃報が届いたので急遽変更。
大滝詠一が昨日亡くなった。
享年65。
30日夕方、東京都下の自宅で倒れ、搬送先の病院で死亡したことが、31日になって判った。
119番通報で救急搬送する際は既に心肺停止状態だったという。
松田聖子をはじめとしていろんな歌手の曲をテレビで聴く際、クレジットにその名をよく目にしていたので、幼い頃から存在自体は知っていたものの、特に深く追求することはなかった。
アルバム『A LONG VACATION』を筆頭にやたら推されていた中、このへそ曲がりな性格が災いし、敢えて避けて通った為、じっくりと耳を傾ける機会は随分後になってしまった。
例えばロンバケも、CD選書という廉価盤になって漸く手にしたぐらいだ(レコード発売から既に10年が経過していた)。
一番最初にロンバケを聴いた時は、「ふ~ん、こんなもんか」と別段感動する程でもなかった。
長年高い評価を聞かされてきたので、自分の中で途方もなく凄い出来なんだろうというイメージが勝手に刷り込まれてたことが、そんな醒めた感想を導いたのかも知れない。
が、繰り返し聴いていくうちに、恰も魔法にかけられるかの如くその魅力にはまっていったのが自分でも不思議だった。
聴く回数を重ねるたびにどんどん作品に惚れ込んでいく、噛めば噛む程味の出る、いわばスルメ的アルバムは、(その当時の)僕の場合、邦楽アーティストではそんなにいなかったから、新鮮な響きをもって心を魅了した(ちょうど同じ時期にピンク・フロイドの『狂気』を購入し、全く同じような体験をしたので、ロンバケというと『狂気』がセットになって浮かんでくる極めて特殊な記憶が刻まれたのは、今となっては良き思い出)。
65年で生涯に幕が閉じられるのは、どう考えても早過ぎる。
本人もまさかこんな早い旅立ちになるとは思ってなかった筈だ。
大変残念ではあるが、作品はいつまでも輝き続ける。
よって、彼の名が色褪せることはないだろう。
また、そうであって欲しい。
ご冥福をお祈りします。