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川瀬有希の時の旅


「今日は何の日」と題し、過去のその日に起こった出来事を、自由気ままに語るブログです。

2月20日/ 今日は何の日

2012-02-20 19:00:00 | 事件・事故・災害

(1933年)作家・小林多喜二が拷問を伴う取り調べの末、死亡

『蟹工船』をはじめとするプロレタリア文学で有名な作家。
問題提議した作品の内容や特高警察による拷問死という悲惨な末路もあって、イデオロギー的側面から評価されがちだが、僕はもっと広い意味での理想家として彼を捉えるべきだと考える。
徒に「思想」や「時代」という枠に当てはめ、解釈するのは、彼の人生を矮小化しかねない。

近年、若者の間で『蟹工船』が再び脚光を浴びたが、あの風潮は自分には腹立たしく映った。
所詮生活苦への不満・反発を基にするに過ぎない社会批判と、人間としての最低限の尊厳も顧みられない極限状況を命を賭けて描いた、その怒りと哀しみの声を同次元で扱うなと言いたい。

(写真は自宅に運ばれた多喜二の遺体)

2月8日/ 今日は何の日

2012-02-08 22:00:00 | 事件・事故・災害

(1982年)ホテルニュージャパン火災

深夜に発生した火災で、33名が死亡する大惨事となる。
かたちだけ取り付けられ、配管されていないスプリンクラーに象徴される防火設備・対策のずさんさや、経営者・横井英樹の無神経な言動が非難の的となった(彼は後に、業務上過失致死傷罪で実刑判決をうけている)。
跡地はなかなか買手がつかず(そりゃそうだ)、千代田区永田町という一等地に火災発生当時のままの姿で、文字通り幽霊屋敷のように長年放置されていた。

よく懐かしのニュースを特集する類いの番組で、猛火を逃れる為に窓の外に寝間着姿でしがみつく男性の映像が流されることがあるが、モザイク処理されてるとはいえ、当の本人がそれを目にすると、あの夜の恐怖がフラッシュバックして精神が不安定になりはしないか気を揉むことがあるが、多分その手の番組には注意深くチャンネルを合わせないように気をつけてるのかな、と想像する。

また、この火事は、翌日に起きた日航機羽田沖墜落事故とワンセットで記憶している方が多いだろう(僕もそうだ)。
あれは、呪われた2日間だった。

2月3日/ 今日は何の日

2012-02-03 00:30:00 | 事件・事故・災害

(1959年)音楽が死んだ日

1971年にドン・マクリーンがリリースした『アメリカン・パイ』という曲をご存じだろうか。
後にマドンナがカバーしたので、そちらで知ってるという方も多いだろう。
この曲の中に「音楽が死んだ日(The Day the Music Died)」という有名なフレーズが登場する。
それは、1959年に起きたある事故を指している。
当時人気のあったバディ・ホリー、リッチー・ヴァレンス、ビッグ・ボッパーがツアー移動中に搭乗した小型飛行機がアイオワ州で墜落、操縦士を含む彼ら全員が亡くなるという大変痛ましい事故のことだ。
ロックンロールのスターが一度に三人も命を落としたこの惨劇は、ファンを悲しませると共に、アメリカに於けるロックンロールの時代の終わりを象徴する出来事として記憶されている。

僕は『ラ・バンバ』をヒットさせたリッチーしか知らないが、彼はその時まだ17歳という若さだった。
前日までステージに立ち、歌っていた憧れのスターが、次の日には帰らぬ人になるという衝撃。
リアルタイムでは「音楽が死んだ日」に接していないものの、人々が、特にファンが受けた衝撃は身に沁みて分かる。
あのユッコ(岡田有希子さん)の死を同時代に体験した僕には……。

1月26日/ 今日は何の日

2012-01-26 00:15:00 | 事件・事故・災害

(1979年)三菱銀行猟銃強盗殺人事件発生

大阪市住吉区の三菱銀行北畠支店で、この日強盗殺人事件が発生。
28日に機動隊員に射殺されるまで、行員や顧客を盾に籠城。
長時間に渡る拘束、しかも、いつ自分達が殺されるか分からないという極限状態の中で、人質の方々が負った心の傷は、一生癒えることはないだろう。
悲惨過ぎる内容故に詳細を書くのを躊躇われる為、事件についてもっと知りたい方は、以下のリンク先を参照のこと。

三菱銀行猟銃強盗殺人事件

確かに、犯人・梅川昭美の恵まれない境遇は可哀相ではあるが、だからと言って、よくある「社会が悪い」式の同情論には耳を傾けない。
この種の論法に、僕は決して賛同しない(説得工作にも駆り出され、その後、社会的非難に晒されたであろう彼の実母には同情するが……)。
また、少年法の抱える問題が浮上した事件でもあったが(梅川は未成年の時、別の殺人事件を起こしていた)、随分経ってから、それも別の事件を契機に小手先の改正はされたものの、抜本的な改正は現在に至るまで為されていない。


1月23日/ 今日は何の日

2012-01-23 19:00:00 | 事件・事故・災害

(1902年)八甲田山雪中行軍遭難事件発生

近く迫る対ロシア戦を念頭に、厳寒地での作戦展開を見据え、様々に対策が練られる中、鉄道が止まった場合の部隊移動を想定し、陸軍第8師団・歩兵第5連隊第2大隊が冬季訓練でこの年の1月23日、青森の駐屯地から八戸へ向け出発、遭難した事件。
部隊の210名中199名が死亡。
生き残った11名も、比較的軽症なのは僅か3名に過ぎず、他は四肢切断などの重症を負った。
新田次郎の小説『八甲田山死の彷徨』や、それをもとにつくられた映画『八甲田山』により、今日でもよく知られる事件だ。

記録的な風雪や不十分な装備、更には指揮系統の混乱など、原因は様々に指摘されるが、それら全てが複雑に絡みあって起こった悲劇と見るのが、やはり妥当だろう。
絶望の中死んでいった兵士らへの同情を禁じ得ないのは勿論、無事帰還した者もその体故に不自由な生活を余儀なくされ、また、軽症で済んだ3名も、日露戦争で戦死或いは負傷しており、結局、部隊全員が過酷な運命を辿ったことになり、その悲惨さに言葉をなくす。