goo blog サービス終了のお知らせ 

after 9 caffe

今日も明日も明後日も

昔の会社の記憶

2010-12-05 05:05:35 | 過去の話
子供の頃は、よく会社に遊びに行っていました。
当時まだお姉さんお兄さんさんだった社員の方々が、お菓子を出してくれたり、遊んでくれたりしました。
まだ法的規制がなかったのんびりした時代でしたから、時々現場にも入れてもらっていました。
頼まれたわけじゃないけど器具の洗い物を手伝ってみたり、休み時間に試験操作なども教えてもらった覚えがあります。
一度、高価なガラス器具を割ってしまった事がありました。
ガラス器具の入った箱のフタだけを持ってそれを持ち上げ、中身が床に落ちてしまったのです。
父親からこっぴどく叱られ、それ以来、気軽に現場に入るのを止めました。

当時は、養護学校の生徒さんが時々事務所に入り込んできて、お菓子をあげたりしていた記憶もあります。
最後は社員のお姉さんが「おうちに帰らないと狼さんが来るよ」と言って帰らせるのです。

用務員のお爺さんがアルコール依存症で、医者から止められているにも関わらず宿直の時にこっそりとお酒を持ち込んではチビチビとやって、社長に見つけられて叱られていた記憶もあります。
優しいお爺さんでしたが、やはりというか、お酒のせいでほどなくお亡くなりになってしまい、悲しい思いをしました。

自分の中には、当時の家族みたいな会社の雰囲気が、一つの理想像としてノスタルジックに記憶にあります。
ゆえに、先日の風通しが良くないという話にも通じますが、正直、今の社内には、どこか冷たくて割り切られていて淋しい何かを感じずにはいられません。いや、社内だけではなくて、社会全体が、という事なのかもしれませんが..。

ざざむしロック

2010-10-07 23:16:56 | 過去の話
コンビニで懐かしい人に会いました。
俺が学生だった頃、地元ケーブルテレビの番組の1コーナーを、企画、構成、レポートとやらせてもらった時期があったのですが、それを一緒にやっていた人でした。
しばし懐かしい思い出話に花が咲きました。

知っている人がいるかどうか、、ざざむしロック、という地元音楽シーンを応援する番組で、その中の伊那谷トワイライトゾーン、という10分ほどのコーナーでした。
地元の怪しいスポットや変わった仕事、人、趣味などを取材して回る、という内容で、2年ほど続きました。
(同番組は現在もカンタロックと名前を変えて続いています。)

当時、好んで取材したのは、母校、信州大学農学部の学生寮「中原寮」。
寮にある秘密の地下バーを取材したり(廊下の途中にマンホールのふたがあり、それを開けると4畳くらいの広さの空間があり、棚や机、椅子、電気スタンドなどがあって、酒瓶が並んでいて、夜な夜な寮生が集まって飲んでいた)、汚い部屋コンテストを開催してベスト3を決めたり、寮祭での裸踊りやモヒカン刈りの儀式を取材したり、とまぁ楽しませてもらいました。
(今年から男女共同になってしまい、そーいったバカぶりは見られなくなってしまった様です)

それから、今はもうなくなってしまいましたが、とあるバーのオカマのマスターを取材しました。とにかくよく喋る面白い人で、東京に恋人(♂?)がいる、といっていました。

それから、今は冴えない地味なお店になってしまいましたが、当時は怪しくも新しい感じだった隣町のジロンドという服屋さん。
ここは当時、綺麗なグラデーションに染めたり、柄を入れたりするオリジナルのジーパンを作っていました。

それから俺の趣味ではない(というか近づきたくない)所でしたが、ヤンキー改造車を作っていた秘密のガレージ。

数百万円もする様な超高級スピーカーを通信販売で扱うおじさん。

当時はまだ新しい遊びだったサバイバルゲームを森の中で夜な夜な繰り返す集団。

勿体ない事に取り壊されてしまいましたが、戦前に建てられたモダンなビルに潜入。

小学校の先生の夜の宿直に立ち会う。

など、毎月1回、ばかばかしい企画と取材を2年ほど続けたのです。

当時とはすっかり風貌も変わってしまったのでさすがに分かるまいとは思ってはいるのですが、今も年に1回くらいたまたま知りあった人から、「もしかしてざざむしロックに出てました?」と言われる事があります。

カルガモとの思い出

2010-08-18 21:56:59 | 過去の話
20代半ば、東京にいた時の事。
当時住んでいた借家の玄関先にカルガモの雛が落ちていた事がありました。
住宅街で近くに公園もなく、何故そんな所に雛が落ちていたのかは全く不明だったのですが、とにかく助けてあげなきゃというわけで、まず東京都の野生動物課?に問い合わせてみると、条例で野生動物は飼う事はできないし、都としても引き取りは出来ないので、直ちにどこかに逃がして下さい。と言うのです。
どこかに、と言われてもヒヨヒヨの雛をその辺に放つという事は殺してしまうに等しいわけで、その何とも答えになっていない行政の対応に憤りを覚えつつ、しかたなく独り立ちできるくらいまで飼おうとカミさんと決めたのです。
その日から、お風呂の浴槽がその子の家になりました。
お湯でふやかした小鳥用の餌を与えると、野生パワーでガツガツと食べました。
なかなか慣れてはくれず、時々指を突かれましたが、お腹がすくとピーピー鳴くし、なんだか親になった様で、かいがいしく世話をしました。
少し大きくなると浴槽に水を張って泳がせました。
3ヶ月くらいすると慣れてきて、抱き上げても抵抗しなくなりました。
で、このままだと情が移るからぼちぼちどこかの池にでも逃がそうか、という事になりました。

さて、どこに逃がしたものかと、カミさんとあちこちの池に下見に出かけました。
たいがいの公園の池にはカルガモの群がいましたが、よく観察しているといじめっ子がいたりして、ここは雰囲気が良くない、とか言ったりして、なかなか場所が決まりませんでした。
アイデアが煮詰まった頃、カミさんが、以前行った事のある大宮公園に動物園があって、鳥舎があってその中に池があって、カルガモがいた気がする、と言い出しました。
動物園なら餌ももらえるだろうしいいかも、という事になり、カルガモをバックにこっそりと詰めて大宮公園に行きました。
公園の人に引き取ってもらえるようお願いしてみるつもりでした。

さて、行ってみると確かに大きな鳥舎があり、池があって、カルガモが4羽いました。
飼育員は、、と探してみましたが、どこにいるのか全く分かりません。
で、とりあえず相性の良し悪しもあるだろうし、放してみて様子を見てみよう、という事になり、バックから彼を取り出して池に放してみたのです。
するとどうでしょう。
まるで我が家の様にすすーっと泳ぎ出したのです。
更に驚くべき事に、そこにいた4羽の鴨が近づいてきたではありませんか!
あ、や、や、
いじめられるかもと思い、救いの手を差し伸べようとしましたが、
何の事はなく、4羽の鴨は彼に優しく寄り添っただけだったのです。
ドキドキしつつ、しばらく観察してみましたが、やはり皆寂しかったのか、その唐突に降ってきた仲間を皆が歓迎している様にすら見えました。
30分くらいか、カミさんとそこにいました。
「もうこのまま行っちゃおうか」
「..そうしよっか..」
というわけで、結局、誰にことわる事もなく、彼をそこに残して帰りました。
飼育員さんが後日1匹増えている事に気付き、頭を傾げたかどうかは知りません。
ただ、半年後に行ってみたところ、彼もその他の4匹もそのままそこにいたので、特に問題にはならなかったんだな、と都合よく理解しています。

こら、お父さんの話を聞きなさいよ、事件

2010-06-05 12:49:28 | 過去の話
株主総会が近づいています。
去年の株主総会で、ある事件が起きた事、皆さんは知らないでしょう。

去年の総会でオレは株主方から承認されて取締役に任命されたのですが、実は総会の席で不服を申し立てた個人株主がいたのです。

今もなお思い出すと悔しさで胸が一杯になるのですが、それは総会本番の席での事でした。
その日、社内取締役として俺。そして社外取締役として某社社長のA氏の2人が選任される事となっていて、オレとA氏は株主席の一番前の左端に並んで座っていました。
総会の議題が進んで、前期の決算内容の説明が始まった時です。
A氏が横から、この数字はどういう意味だ?とか、何でこうなっているんだ?とか、あれこれと俺に質問してきたのです。
シーンとなった会場で、ヒソヒソ声が響きました。
今になって思えばA氏は完璧なまでのKYで、多少常識のない所があるというのが社内でも共通認識になってはいるのですが、去年のその時期にはさほどの付き合いもなく、ただ偉い社長さんという事もあって無視するわけにもいかず、俺としてもその場で質問にいちいち答えてしまったのです。
するとです。
突然、後ろにいた60代くらいの見知らぬ株主の男性が、「こら!お父さんが一生懸命に説明しているじゃないか!黙って話を聞きなさいよ!」と怒鳴ったのです。
いい年して、しかもご近所の社長さんと2人して、人様から「こら!」などと言われるのは情けない事この上ありませんでした。
しかも、最後の取締役就任の承認の時に、そのおじさんが突然に立ち上がり、「どうせ私の所有する株数では反対したところで通らないでしょうけど、私は息子さんの取締役就任には反対です。この様な重要な場面でヒソヒソ話などして緊張感のかけらもない!改めて修行してあと1年待つべきです」と言ったのです。
結果的には、大株主の賛成でオレとA氏の取締役は決まってしまいましたが、最悪の気持ちでうつむくしかありませんでした。

総会の後、オレはその株主を捕まえて、ご指摘はもっともなお話しでした、今後肝に命じて頑張ります、と言いました。そしてその方は。分かってもらえたらそれでいいんです、と言いました。

その後、関係者が、あれは貴方は一切悪くなかった、とか、あの株主は株価が下がってるもんだから何かいちゃもんを付けたくていいターゲットにされたんだ、とか、あれこれと慰めてくれましたが、
その後しばらく随分と落ち込み、あの場で自分で取締役を断ってしまえばよかった、、という思いが付きまといました。

取締役は会社で何か不祥事があれば、たとえそれが末端の従業員のやった事であっても法的責任を問われます。自分は知らなかった、関与していなかった、では済まされないのです。
総会の席でのヒソヒソ話に対する叱咤も、そんな心の隙が自分自身の大きなあだとならぬよう、気を引き締めなさい、という、あの人からのメッセージだったのかな、と、今では思える様になりました。

今月の総会も荒れると予想している人もいます。
心してかかりたいと思います。