長野でロハス生活

モダンと古きよきものを大切にした生活を自然に囲まれ送りたい。オースティンの小説のような生活に憧れる日々。

辻が花

2006年09月29日 | kimono
母の大好きな着物を「辻が花」と聞いたのは
もう、大分昔のことである。
「辻が花」という、言葉はよく耳にすれども
具体的に、正確に、何と説明するのは正直私には難しい。

しかし、それはある着物の柄だった。
「これは辻が花よ。」「今回のは、辻が花。」と
母が私に見せる着物は色もみな違っていたが
共通な、似たような、柄の部分があり
それは着物の裾の方に描かれた柄であった。
ぼかしたような、花の柄の点在、それをそう呼ぶのだ
というのが勝手な私の解釈であったが
今回、調べてみたのでそれを載せておく。

辻が花は、15世紀初めに登場した文様染で、
桃山期に最盛期を迎えるが
江戸時代に入ると忽然と消滅したと言われている。
そのため幻の絞り染ともいわれる。
名称の由来には、「つつじが花」がつまったもの、
十字の文様の多さから道の交叉点「辻」によるというもの、
糸を巻いて絞るさまを頭のつむじになぞらえたものなど諸説があるが、
いまだに定説はない。
辻が花の特徴は、練貫という白生地を用い、
多色を使いわけて文様をあらわす絞り染にある。
白く抜いた部分に墨や朱の線でくま取りをした模様を描きそえたものもある。
さらに金銀の摺箔や豪華な刺繍などを加えたものも多い。
小袖や胴服の背や袖付の縫い目をまたいで連続する文様など、
絵画性をもった意匠を思うままに展開した。
(参考:http://www.sengoku-expo.net/tf/J/kaisetsu_tsujigahana.html)

という背景があるらしい。
とにかく、作るには手間もかかるらしい。
そのため、普通の染の着物よりはるかに値段も高いらしい。
華やかには見えないが、落ち着いた素朴な美しさがあると思う。
が、母は「それ故に華やかなのだ」と以前、言っていた。

私にはそれほど「辻が花」の魅力が現在は分からない。
しかし着物好きの目の肥えた母が好きであるのを見ると
どうやら、好きな人にはたまらないものである様子。

具体的な絵柄をいずれご覧に入れますね。
染めた上に、さらに絞るという着物に何重の手間をかけて
作るので、絞りの着物は高級とされているのかもしれません。
私も、知識が曖昧な点がありますので
もし詳しい方がいらっしゃれば、どうぞご指摘下さい。

振袖物語

2006年09月27日 | kimono
秋になると、振袖を選んだ日を思い出します。
振袖は高校生の時に作ってもらいました。

馴染みの呉服屋さんに来て頂いて、祖母の家で選びました。
あの時、初めて着物を選ぶ喜びを体験しました
何十という、反物を見せて頂いて、生地から選びました。

今年は、高校生の従妹が昨年秋に選んだ着物が仕立て上がり、
できてきたのを見せてもらい、ついでに軽く羽織らせて
もらいましたので、その写真を載せておきます。

この振袖は、絞り、辻が花、刺繍、鹿の子、など複数の絞りで
全体が仕上げられていまして、
手の凝り方がたいそうなものでした。

私の振袖は、絞りではなく染なので
総絞りの振袖は着てみると、まさにずっしりと
重くて驚きました
絞りは、生地が二重になっているので
染の着物よりも量感があるのだそうです。

振袖を手にした途端、女の子は何時の間にか
大人びて、女性に変身するので
従妹がどんな風に変身するか楽しみです

この着物に合わせた帯も、着物に負けないものでしたので、
次回は帯について書きます。

FIGARO japon 10/5号

2006年09月24日 | kimono
本来なら、今日は三島由紀夫の演劇でも
見に行こうと思っていたのですが
些か体調が優れないので
おうちに静かにしています
持ち帰りした仕事も溜まっています・・・。

昨日、本屋さんで「フィガロ」の最新号を
買ってまいりましたので、眺めています。

いつも買うわけではありませんが、
今回は「秋の京都へ行こう。」がキャッチフレーズ

しかも着物の写真や、京都の着物案内など
呉服屋さんや着物小物やさんの情報が満載

何よりも、志ま亀の着物が素敵
こういう、こっくりした色合いは他の何処にも見られません。
夏は、絶対水色がいいと思っていましたが
やはり、柿色も素敵ですこと。

母が、また新たな着物を購入したというので
志ま亀が欲しい、と言ってみますと
「自分で貯金して買いなさい。」とのこと。

ほほ・・・。そうですわねぇ。ご尤も。
この表紙のこんなアンティークにも惹かれます。

それから、京都できものパスポート(by.京都で、着物暮らし)
が始まったようです。
着物で訪れると、お得な事も多いようですから
秋の京都の紅葉は、是非着物姿でご覧になって下さいませ。

私はその前に着付けの練習です

日常の浴衣 part2

2006年08月24日 | kimono
今年も普段着に着れる様な日常の浴衣を
ユニクロで見つけて購入しました

もう浴衣の季節が終わりそうですが、
柄が私の好きな竺仙のものに似ていたものですから。

最近は、甘い柄ではなく
大人っぽい柄や色に惹かれます。
色で言うなら、藍や紺や白。
夏の深い藍色は、涼しげ。

こちらは、向日葵の柄ですが
色合いで随分向日葵の印象も変わりますね

振袖浴衣

2006年08月04日 | kimono
6月になると浴衣が沢山、お店に並び始めます。

昔から夏に浴衣を着せてもらい、花火やお祭りに
出掛けた記憶があります

浴衣は、フォーマルなものではなく本来は湯上りに
着るようなカジュアルなものですが、
最近は、浴衣でもフォーマルな場所に着るような工夫の
雑誌の記事が増えてきました。

数年前に、東武デパートの浴衣コーナーで出逢ったのが
撫松庵の浴衣です。
大きな麻の葉柄に大輪の花が描かれた豪華な浴衣でした。

買い物をする時は、迷ったら買いません。
私が振袖を選んだ時もそうでしたが、この時も数多くある
浴衣の中でこの浴衣が自分を呼んでいる気がしました

これは、当時雑誌のCanCamでモデルの山田優ちゃんが着ていて
(私が着ると随分違いますが
本当に素敵で、もう一度一目ぼれをしました

普通の浴衣と違うのが、袖が通常のものより長くて
振袖のようになっているところです。
そう、振袖浴衣なのです。
ですから、帯に帯締めなどをしたり(まだした事ないのですけど)
半襟を加えればお食事にも着て行けそうですわね

必ずしも花火大会などではなく(そうそう行く機会もないですし)
浴衣をフォーマルにアレンジしてお出掛けできると
素敵ですよね

日常の浴衣

2006年08月03日 | kimono
いよいよ梅雨明けでしょうか
日常に着物を着るのが私の理想ですが、
この時期はとても暑くて蒸し蒸ししますね。

ですから、日常に浴衣
如何でしょうか。
名付けて普段着浴衣。
日常に着ようと思っても、浴衣も良い物は高いですし、
ちょっと普段使いするのは勿体ない気がしたりもしますわね。

そんな私が去年、買ったお気に入りの浴衣があります。
柄は「金魚」。夏らしくて、色も淡くて可愛らしいの
夏の金魚柄が大好きです

何処で手に入れたと思いますか?
何とユニクロです
生地は、やはりデパートのものなどに比べると質が劣りますが
値段と比べると簡単に色々な浴衣を着るには良いと思います。

昨年は、旅行先にこの浴衣を持って行き、
着たりしました。今年もそうするつもりですが、
もっと家でも着たりしようと思います。

着物を着て、日々を過ごすようになるには
まだまだ長く時間がかかりそうです。

そんな着物好きに理解がある伴侶を見つけられたら
良いのですけど・・・

次回は、一番お気に入りの浴衣を紹介致します。

銀座の着物

2006年07月17日 | kimono
久しぶりに着物のことを書きます。
昨日、家族で銀座に行った時に、
初めて銀座の呉服店に足を踏み入れました。

銀座の呉服屋さん。みなさん、高いというイメージは
ありませんか?私も、お値段や敷居、共に高いイメージが
ありました。

ですから、母とでなければ、私もお店に入る勇気はちょっと
ありませんでした。たまたま、母と銀座で着物を見よう、という
ことになってわくわくしました

一軒目は、「銀座もとじ」さん。よく本で見かけるお店です。
織物が多い、イメージですが、流石夏の織の着物が多く
ありました。

こんなに夏の織の着物を見たのは初めてでした。
夏に織というのも、なかなか素敵です。
お店の方に、勧められ、黄八丈の黒と黄色の格子の反物を
あててみました。値段も相応なものであり、けして高すぎることなく
驚きました
ちょうど、今年は値引きもして下さるようです。

二軒目は、かねてより行きたかった「志ま亀」さん。
「志ま亀」は、林真理子さんなど、多くの著名人に愛されて
大変有名なお店です。
私が、ちょっと気軽に・・・などという軽い気持ちで
入れるわけもないと思っていました。
しかし、私がいつか自分で初めて着物を買うなら、
「志ま亀」の小紋と決めています。

「志ま亀」はデザインとこっくりとした色合いが大好き
手書きのものは、100万単位ですが、型染めなら割とすぐに
手に入れることもできそうです。

ここで、着物を持ち運びできるような、大判の風呂敷を購入しました。
大きな風呂敷は、着物を持ち運ぶのにとても便利ですが
いいものがなかなかありません。

銀座の呉服屋さんは、他にも色々あるので
また、母を誘って着物めぐりをしたいです

臈纈染めの単

2006年06月04日 | kimono
表千家同門会長野県支部総会のお手伝いを
頼まれて、行ってきました

もう、6月。やや日中は、夏の暑さを感じますね。
この間、実家から持ってきた
臈纈(ろうけつ)染めの単を着ました。

臈纈(ろうけち)とも言うそうですが、
蝋を使って防染したものを言うそうです。
当時は今の中国(唐)から技術が輸入され染められたようです。
臈纈は長い間謎とされ幻の染めと言われていましたが、
明治時代頃から徐々に解明されてきました。

ちょうど若草色で、この新緑の芽吹く季節に
合う色の着物でした

何百人もの方に、お茶やお菓子を出すのも
容易なことではありませんね。
沢山の着物の皆さんの帯や着物をじっくり
拝見する間もなく、忙しく動いて来ました。

私が、びっくりした事が2つありました。
一つは、その会場で実家の方の知り合いのお茶の先生に
お会いしたこと。
二つ目は、数茶碗に十牛図画が使われていたこと。
十牛図は、高校時代に知った禅の教えでした。
ドイツの哲学者ハイデガーが、この禅の思想に言及している
ことに興味を持った、懐かしい記憶があります。

お茶のお茶碗は、本当に「一期一会」。
人との出会いもまた然り。

本日のお軸は「雲収山岳青」(雲収めて山岳青し)でした。


初めての訪問着

2006年05月28日 | kimono
以前、母の実家に長年出入りする呉服屋さんに
注文した着物が今日、偶然実家にいる時に
届きました

母は、「初めての訪問着を一枚作ってあげましょう」と
作ってくれたのです。
結納の時にも着れるようにという、
考えがあるかもしれませんが、そんな日は当分来そうにありません

しかし、その白生地を呉服屋さんに見せて頂いた時
素人の私でも生地の重厚さにため息が出ました。
加賀友禅作家の落款まであり、母もおそらくまだ私などには
勿体無いと思ったでしょうが、あまりの素晴しさに手に入れたいと
思ったようです。

綺麗な卵色の仕上がりに、うっとりし、
母に感謝しました
それだけと思っていたのですが、その後、
となみの帯まで購入していました。

私は、まだ母のような着物を見る目はありませんが
着物は、芸術のような品々が多く感動します。
いつかこれを着る日が来ますように