病院で働く知人の話から。
9月ぐらいの事だが、夜中に高熱がでたので診察してほしいとの電話。38度程度とのことだが、インフルエンザが心配だという。大変なことが起きているかも知れないとの主張であった。まあ、それで深夜2時ぐらいに夜間救急で対応したという。
この暑かった9月。それなのにインフルエンザが心配。たまに有名人が夏だというのにインフルエンザになったとかいう報道もあったと記憶してはいるが、季節がら心配するようなことではないし、夜中に無理して病院に出かける方が体に悪い。そういう判断ができないらしい。結局解熱剤をもらって帰ったとの事。
知人はインフルエンザを恐れている人がこの5年ぐらいで増加したとの印象を持っていると指摘していた。マス・メディアでインフルエンザを取り上げる事は多いし、そのほとんどが注意を喚起するものであり、なんか大変なことが起こっているかのような印象を与えている。知人もインフルエンザが重篤な病気のように受け取られていると嘆いていた。
色々と科学的知見が増加すると、逆説的に心配事が増えることもある。リスク社会の姿ではあるけど。
僕なりのインフルエンザに対する理解は、罹ってしまった場合、自宅で4〜5日安静にしていれば治るという程度の病気である。まあいっぱい汗かいて寝てればいい。その程度の病気だし、学級閉鎖になったら、ラッキーと思っていたものだ。
5年ほど前だったかと記憶しているのだが、栗本慎一郎がやってるラジオ番組に感染症の専門家が出演して、次のようなことを言っていた。
(質)「インフルエンザに罹ったらどうしますか?」
(答)「家でゆっくり寝ています」
(質)「薬は?」
(答)「葛根湯ぐらいなら飲むけど他はいりません」
(質)「お子さんが罹ったら?」
(答)「基本的には大人と同じですけれど、熱が40度も出るようなら、そういうときは解熱剤ぐらいは使います。まあ暖かくして休むことが第一です」
アンケート調査の結果では、その病院の感染症専門の医者は90%以上、上記のような答えであった。
僕が子供の頃は、インフルエンザに罹ると、体が丈夫になると言っていたものだったけれど、その程度のおおらかさの方がいいんじゃないかなと思ったりする。これからインフルエンザの季節だけれど、過剰反応して心配する方が、よっぽど精神的にも良くないよね。だって、寝てれば治るんだから、大概。