中国が「海警法」を改定し、一段とギアチェンジして来ている。
それに対する日本側の対応は、ほぼ「拱手傍観」(きょうしゅぼうかん)-手をこまねいて何もせず、ただそばで見ていることーー
日本側の漁船が海警船に追いかけられているのをじっと見ているのはつらいものだ。
海上保安庁の巡視船が頑張って漁船を守っているのがせめてもの救い。
政府は中国に対してもう一段強い抗議をすべきだろう。
こんな状況下で、何かあれば米国が助けてくれるというような甘い考えが日本政府の中にあるようだ。
考え違いも甚だしい。
自国の領土を自国が守る意思がなくて、さらには何も行動せずして、米国が助けに駆け付けてくれるなどありえない。
中国があからさまに軍隊を出動して尖閣占領という暴挙に出れば、米軍は駆け付けざるを得ないだろう。
しかし中国はそんな愚かな手は使わない。
今中国が海警船で日本の漁船を追い掛け回すのは、この海域が自国の領海内であるという既成事実を積み上げるため。
建前上、海警船は軍隊ではない。そこに日本の自衛隊が出て行けば明らかに過剰防衛の批判を浴びる。
日本が出来うる手段は、一次的には海上保安庁の体力強化。ヒトモノカネの貼り付けだ。
もう一つの手段は、中国が日本とのビジネス・チエーンを切ることが出来ないようにしておくことだ。
そのためには日本の技術的優位の技を磨いておかなければならない。
その点で菅政権は致命的な欠陥を抱えている。
科学技術に対する敬意に欠ける。「日本学術会議」任命問題で露呈した。
コロナ対応でも全く同様。
感情的対応で韓国と向き合うな。リアルに向き合うべし。
韓国が中・露・北朝鮮の陣営に引き寄せられるのか、もしくは米・日・豪の仲間に加わるかで東アジアの安定は変わってくる。
日本と韓国との対立で一人にんまりしているのは、「習近平」である。
今、韓国の文在寅大統領は、中国や北朝鮮から無視され米国からは冷たい視線にさらされている。
こんな時に手を差し伸べるのが、有利に交渉できる良きタイミングだと思うのだが、菅政権にはそんな余裕もないようだ。
必ず全きを以て天下に争う 孫子
相手を傷めつけず、無傷のまま味方に引き入れて、天下に覇をとなえる