行雲流水の如くに

菅政権による日本学術会議への人事介入を甘く見ないほうが良い

菅政権は、菅義偉というライオンの頭、安倍晋三という山羊の胴体、二階俊博という毒蛇の尻尾を持つキメラのような合体政権である。

キメラとはギリシア神話に登場する怪物だ。強靭な肉体を持ち、口から火を吹く極めて危険な生き物とされている。

このような倫理観無き権力欲だけの政権に対して、侮ると手ごわい。

 

今回のような学術会議へ人事介入は、安倍政権下で検討され、菅政権になって断行したと考えてよい。

介入すると決めた会合には、おそらく菅首相、杉田官房副長官、和泉補佐官が出席。

排除の判断基準は、安保法案、特定秘密保護法、改正組織犯罪処罰法などに反対したということがポイント。

この政権は、官僚だけに飽き足らず、学問の自由にも統制色を強めようとしている。

今の段階で踏みとどまらなければ、戦前のような思想統制が始まるだろう。

 

安倍・菅政権の危険性は拙ブログで何回か警告してきた。

「言論の自由を誰が守るのかーー雑誌選択の挑戦」    2019、4,21

「安倍以上の危険をはらんだ菅政権には注意が必要だ」  2020,9,28

 

秦の始皇、先代の典籍を滅ぼし、書を焚(や)き儒を坑(あなうめ)にする。   

焚書坑儒

安倍・菅政権は、森友、加計、桜を見る会などで公文書を改ざん、隠蔽、破棄した。

そして今度は、学者の命の次にあるいは同等とも思える学問の自由に手を突っ込んできた。

 

今回除外された宇野重規東京大教授の発言、

民主的社会を支える基盤は多様な言語活動です。かってジョン・スチュアート・ミルは、言論の自由が重要である理由を以下のように説明しています。もし少数派の意見が正しいとすれば、それを抑圧すれば、社会は真理への道を自ら閉ざしたことになります。仮に少数派の意見が間違っているとしても、批判がなければ多数派の意見は硬直化してしまいます

民主的社会の最大の強みは、批判に開かれ、つねに自らを修正していく能力にあります。その能力がこれからも鍛えられ、発展していくことを確信しています。

 

私は宇野重規氏の「保守主義とは何か」を読みましたが、まともな本で大変勉強になりました。

今我々に必要なのは、学問の自由や言論の自由を制限するような権力側の抑圧に「NO]を突き付けることだ

ここで踏みとどまらなければ、この国は戦前のような「抑圧された」社会になってしまうだろう。


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