あるところにツノの生えた女の子がいました。
小さい頃から外を出るときは必ず帽子をかぶり、人前でそのツノを見せてはいけないよと両親に言われてきた女の子。
女の子はなんで自分にはこんなツノがあるんだろうと、鏡を見ることも大嫌いになりました。
みんなこの帽子の下にあの醜いツノがあることを実は知ってて笑っているんじゃないか。
女の子はあまり人に関わるのをやめました。
そんなある日、クラスに転校してきた男の子。
その男の子には長い長いシッポが生えていました。
明るく社交的な男の子にそのシッポはとてもよく似合っていて、シッポも心なしかキラキラ輝いています。
その男の子はクラスの人気者になりました。
私もツノなんかじゃなくあんなシッポが生えていたら・・・。
女の子がそううつむいた瞬間、男の子のシッポが女の子の頭にぶつかって帽子が脱げてしまいました。
そこには女の子がひた隠しにしてきた小さなツノ。
(みんなに気持ち悪るがられる!)
女の子が居たたまれず教室を出て行こうとすると、男の子が言いました。
「うわー!かっこいい!!!」
女の子はその言葉をすぐには理解できませんでした。
ただ女の子に小さく生えているそのツノは小さく光りだしていました。
私は声が低くてかすれやすく女性的な声が出ません。
私は声が特徴的で声帯が太いため周囲に混ざらず自分の声を通すことができます。
物事には元々の良い悪いの意味などなく、物事の良し悪しを決めているのはいつだって自分だ。
今回の主人公の自己への気付きは心を打ちます。
私の生きる場所は自分で見つける


なかじまなかじま
西炯子
メロディ 白泉社
2011年から2014年まで連載
全3巻
「娚の一生」、「姉の結婚」、
そして以前こちらで紹介した「お父さんチビがいなくなりました」
また先日のイベントで紹介した「カツカレーの日」などを手がける
男女の年齢差や、過去・現在・未来といったトキを華麗に操る西炯子先生の作品です。
この作品は、
一人の自己評価が低すぎる女子大生が二人の「なかじま」と関わっていくことで本当の自分を思い出していく物語です。
現状の自分自身を正当に見つめ直し、改めて自分のやりたいことを見つけていく・・・
自らの手で切り開いていく新型シンデレラストーリー。
西炯子先生が描く主人公たちは、一筋縄にはいかない恋愛観の持ち主たち。
今回の主人公も癖だらけ。
内容↓
良いところのお嬢様たちが通う女子短大紅学園の1年生・北白川麗奈
ただ名前負けも良いところで、スーパージメジメ地味女子。
176cmもある身長にただのTシャツGパン、もさいめがねを掛け髪も5年伸ばしっぱなしで身長を気にするあまり常に姿勢が悪く猫背。
短大自体も補欠合格で受かっただけのただの田舎の公務員一家。
唯一の趣味は陸上選手ウオッチという名の、若手選手をテレビや雑誌で見つけて青田買いして陰ながら応援すること。
そんな学校にも馴染めていない生活を送っていたある日短大のあまり話したこともない芸能事務所の社長令嬢の同級生が映画のエキストラに来てくれないかと誘ってくる。
そこであったのが、一人目の「なかじま」44歳映画監督・中島圭。
麗奈の顔を見てすぐに「暗いブス」と罵ッタかと思えば、
「こんなブスを探していた」「俺のミューズ」「お前は女優になって俺の作品に出ろ」とここから付きまとわられることになる。
そしてもう一人の「なかじま」は、先ほどと変わって麗奈の憧れの男の子。
唯一の心の安息ところである、陸上選手ウォッチで小六の頃から目をつけ、現在陸上界両距離の期待の星とされている16歳・中島俊。
彼がたまたま部活帰りに麗奈の働くハンバーガーショップに来たことで知り合いの関係になる。
映画監督の中島圭には翻弄され、年下高校生の中島俊には癒されていく・・・
と、麗奈の近くに今までの人生ではいなかった二人の男性「なかじま」が現れたが、
実は、この二人は親子。
離婚しているため、父子家庭で2人暮らし。
この親子関係は読者には1話ですでに語られるが、ずっと麗奈は知らないまま、二人と別々に過ごして距離を各々と縮めていく・・・
(中村pedia)
という、1人のダメ女子×父×息子の複雑すぎる三角関係が出来上がっている!!!!
思春期の俊が年上の麗奈にドキドキするも、同級生からマザコンとからかわれて麗奈と距離を置き出したり、
しつこく女優になれと言ってきてストーカーまがいのことをしてくる監督中島圭に腹立つのに、仕事でお前が必要なんだと言われ傷つく自分がいたり、
麗奈も俊も圭もこれが恋なのか何なのか三者三様に悩み悩みぶつかり・・・と恋愛パートもすごく面白い。
そして、私のなかのこの作品のもっとも魅力的な部分が、自己評価の低すぎる麗奈が、女優としての道を本当に少しずつ歩み始めるところ!
・監督中島圭とは別に同級生から頼まれて小劇場の芝居でダッチワイフ役をやることになった時に、
最初イヤイヤで、なんでこんな塩化ビニールの物体に・・・と思っていた時に、
そうか!舞台の上では私は北白川麗奈じゃなくなるんだ、それが演じるってことなんだ!と気づき高揚感を感じる
・その後もうまく踏み出せないでいたものの、久々に会った両親に無難に生きることの美徳を言われ、
自分がいかに昔からその言葉に囚われていたかに気づき、
自らの意思で綺麗になろうとする、そしてラストにかけて、麗奈が自分で全ての道を切り開いていく
誰がなんと言おうが、関係ない。
自分で舵をとり、自分で自分の人生という舟を漕いでいくんだ。
ぜひご一読くださいませ。
少々の少女マンガ紹介と、日常、告知等のブログ
中村涼子『THE挑戦。』→http://ameblo.jp/haramikarubi
ほぼ毎週月曜22:00ごろから SHOWROOMにて
『別冊・少女マンガ倶楽部』
紹介youtube→別冊・少女マンガ倶楽部ページ
Twitterもやっています!
にほんブログ村
にほんブログ村
小さい頃から外を出るときは必ず帽子をかぶり、人前でそのツノを見せてはいけないよと両親に言われてきた女の子。
女の子はなんで自分にはこんなツノがあるんだろうと、鏡を見ることも大嫌いになりました。
みんなこの帽子の下にあの醜いツノがあることを実は知ってて笑っているんじゃないか。
女の子はあまり人に関わるのをやめました。
そんなある日、クラスに転校してきた男の子。
その男の子には長い長いシッポが生えていました。
明るく社交的な男の子にそのシッポはとてもよく似合っていて、シッポも心なしかキラキラ輝いています。
その男の子はクラスの人気者になりました。
私もツノなんかじゃなくあんなシッポが生えていたら・・・。
女の子がそううつむいた瞬間、男の子のシッポが女の子の頭にぶつかって帽子が脱げてしまいました。
そこには女の子がひた隠しにしてきた小さなツノ。
(みんなに気持ち悪るがられる!)
女の子が居たたまれず教室を出て行こうとすると、男の子が言いました。
「うわー!かっこいい!!!」
女の子はその言葉をすぐには理解できませんでした。
ただ女の子に小さく生えているそのツノは小さく光りだしていました。
私は声が低くてかすれやすく女性的な声が出ません。
私は声が特徴的で声帯が太いため周囲に混ざらず自分の声を通すことができます。
物事には元々の良い悪いの意味などなく、物事の良し悪しを決めているのはいつだって自分だ。
今回の主人公の自己への気付きは心を打ちます。
私の生きる場所は自分で見つける


なかじまなかじま
西炯子
メロディ 白泉社
2011年から2014年まで連載
全3巻
「娚の一生」、「姉の結婚」、
そして以前こちらで紹介した「お父さんチビがいなくなりました」
また先日のイベントで紹介した「カツカレーの日」などを手がける
男女の年齢差や、過去・現在・未来といったトキを華麗に操る西炯子先生の作品です。
この作品は、
一人の自己評価が低すぎる女子大生が二人の「なかじま」と関わっていくことで本当の自分を思い出していく物語です。
現状の自分自身を正当に見つめ直し、改めて自分のやりたいことを見つけていく・・・
自らの手で切り開いていく新型シンデレラストーリー。
西炯子先生が描く主人公たちは、一筋縄にはいかない恋愛観の持ち主たち。
今回の主人公も癖だらけ。
内容↓
良いところのお嬢様たちが通う女子短大紅学園の1年生・北白川麗奈
ただ名前負けも良いところで、スーパージメジメ地味女子。
176cmもある身長にただのTシャツGパン、もさいめがねを掛け髪も5年伸ばしっぱなしで身長を気にするあまり常に姿勢が悪く猫背。
短大自体も補欠合格で受かっただけのただの田舎の公務員一家。
唯一の趣味は陸上選手ウオッチという名の、若手選手をテレビや雑誌で見つけて青田買いして陰ながら応援すること。
そんな学校にも馴染めていない生活を送っていたある日短大のあまり話したこともない芸能事務所の社長令嬢の同級生が映画のエキストラに来てくれないかと誘ってくる。
そこであったのが、一人目の「なかじま」44歳映画監督・中島圭。
麗奈の顔を見てすぐに「暗いブス」と罵ッタかと思えば、
「こんなブスを探していた」「俺のミューズ」「お前は女優になって俺の作品に出ろ」とここから付きまとわられることになる。
そしてもう一人の「なかじま」は、先ほどと変わって麗奈の憧れの男の子。
唯一の心の安息ところである、陸上選手ウォッチで小六の頃から目をつけ、現在陸上界両距離の期待の星とされている16歳・中島俊。
彼がたまたま部活帰りに麗奈の働くハンバーガーショップに来たことで知り合いの関係になる。
映画監督の中島圭には翻弄され、年下高校生の中島俊には癒されていく・・・
と、麗奈の近くに今までの人生ではいなかった二人の男性「なかじま」が現れたが、
実は、この二人は親子。
離婚しているため、父子家庭で2人暮らし。
この親子関係は読者には1話ですでに語られるが、ずっと麗奈は知らないまま、二人と別々に過ごして距離を各々と縮めていく・・・
(中村pedia)
という、1人のダメ女子×父×息子の複雑すぎる三角関係が出来上がっている!!!!
思春期の俊が年上の麗奈にドキドキするも、同級生からマザコンとからかわれて麗奈と距離を置き出したり、
しつこく女優になれと言ってきてストーカーまがいのことをしてくる監督中島圭に腹立つのに、仕事でお前が必要なんだと言われ傷つく自分がいたり、
麗奈も俊も圭もこれが恋なのか何なのか三者三様に悩み悩みぶつかり・・・と恋愛パートもすごく面白い。
そして、私のなかのこの作品のもっとも魅力的な部分が、自己評価の低すぎる麗奈が、女優としての道を本当に少しずつ歩み始めるところ!
・監督中島圭とは別に同級生から頼まれて小劇場の芝居でダッチワイフ役をやることになった時に、
最初イヤイヤで、なんでこんな塩化ビニールの物体に・・・と思っていた時に、
そうか!舞台の上では私は北白川麗奈じゃなくなるんだ、それが演じるってことなんだ!と気づき高揚感を感じる
・その後もうまく踏み出せないでいたものの、久々に会った両親に無難に生きることの美徳を言われ、
自分がいかに昔からその言葉に囚われていたかに気づき、
自らの意思で綺麗になろうとする、そしてラストにかけて、麗奈が自分で全ての道を切り開いていく
誰がなんと言おうが、関係ない。
自分で舵をとり、自分で自分の人生という舟を漕いでいくんだ。
ぜひご一読くださいませ。
少々の少女マンガ紹介と、日常、告知等のブログ
中村涼子『THE挑戦。』→http://ameblo.jp/haramikarubi
ほぼ毎週月曜22:00ごろから SHOWROOMにて
『別冊・少女マンガ倶楽部』
紹介youtube→別冊・少女マンガ倶楽部ページ
Twitterもやっています!

