5月の歌舞伎座はもちろん團菊祭。稀代の名優、九代目市川團十郎と五代目尾上菊五郎の芸を慕う役者と観客のお祭りです。ふたりとも明治36年の同じ年に亡くなりました。当時、この名優二人を同時に失ったことで、歌舞伎が衰退するんじゃないかって心配されたそうです。それほど大きい役者さんだったんですね。さて、今年の演目のうち、個人的なお勧めは夜の部の通し狂言『青砥稿花紅彩画』。いわゆる『白波五人男』ですね。弁天小僧の「知らざぁ言って聞かせやしょう。浜の真砂と五右衛門が、歌に残せし盗人の、種は尽きねえ七里ガ浜、その白浪の夜働き・・・」ってセリフとか超有名です。実は、この演目、僕が最初に観た歌舞伎なんですよ。あのときはたしか、菊五郎が弁天小僧を、團十郎は南郷力丸を演じてたと思いますが、いやあ、これでハートをわしづかみにされましたからね。僕が歌舞伎にのめりこんでいくきっかけになった、思い出深い出し物です。
写真は、甲山森林公園。morita君、わかる?
写真は、甲山森林公園。morita君、わかる?