規三生くんのエッセイ、道頓堀交遊録も3回目です。
今回は名人戦挑戦者決定記念、小林覚九段編です!
碁ワールド、1999年12月号掲載です。
では、どぞー
もてる男ともてない男。みなさんはどちらがいいですか?もちろん女性にキャーキャーいわれる人生を過ごしてみたいですよね。
どうしたら女性をひきつけられるか。ぼくは一度、真面目に考えたことがあります。本もたくさん読みました。
(中略)
でも、ぼくに強力なフェロモンがあるかどうかははなはだ疑問。それに調べようもありません。
……ぼくのフェロモン人生は夢のまた夢なのかとあきらめかけたとき、はたと気が付きました。いたいた!フェロモンを発散しまくっている棋士が!
そして、この人についていけば完璧だ、との結論に達しました。
K・S九段、四十歳。ずっと第一線で戦っているトッププロといえばすぐに分かるはずです。
Kさんのモテモテぶりは尋常ではありません。タイトル戦に出れば、「わたし、碁はちっとも分かりませんが、がんばってくださいね」なんて葉書が棋院の編集部にわんさか届くそうです。
Kさんにはよく飲みに連れて行ってもらいます。よくある居酒屋から、ちょっと高そうな女の子の居る店まで。自分が師匠と決めたのですから、どんなときでもついていきます。
では、ぼくがKさんから学んだ、いや、盗んだ、もてる男になるためのテクニック三ヵ条を披露しましょう。
1.家族の自慢をする
Kさんはお酒が回ってくると、かならずノロケ話を始めます。
「女房には感謝している。あいつかいなかったらオイラはどうなっていたことか…(ため息)」
最後のため息が大切です。たった一つのため息が、真実味を大きく膨らませます。 そして締めは子供の話。
「毎晩眼の中に入れて寝ている。痛くないよ(笑)」
冷静に分析すると、なんともつまらないジョークですが、よき夫、よき父のイメージは完璧に植え付けられます。ぼくはまだ独り者なので、活用するのはまだ先ですが。
2.甘えん坊になる
「基本は甘えん坊だよ!」と豪語するKさん。しかしこれには条件がつきます。柔和な、甘いマスクのKさんだからこそ受け入れられる大技ですから、もって生まれた顔が成否の鍵を握っています。
強面の方は怖がられるだけですから、注意しましょう。
「キミオは末っ子だろう?オイラも末っ子だ。だからお前にも才能があるはずだ!さいわい、童顔だからな(笑う)」
3.後輩をかわいがる
サラリーマンの世界と一緒で、後輩に慕われる先輩というのはそれだけ人徳があるということなのでしょう。たしかにKさんはお酒も食事もいろいろなところに連れていってくれます。でも、かわいがり過ぎるケースもあります。
「キミオ、座れ!」
ぼくが少し席を外して戻ってきたときのことです。指差しているのは、まさしくKさんの膝の上。師匠の言いつけに恐る恐る従うと満面の笑みで、
「かわいいヤツだ!」
このときばかりは同席の女の子も「引いて」いましたが…。
以上、三つのテクニックを駆使し続けているKさん、その効果はただモテるだけにとどまりません。
その日もいつものように夕食のお供をしていました。三軒目のお店に入ろうとすると、
「タバコ買ってくる。先に飲んでて」とKさん。後輩に頼まず、自分で買いにいくとはさすがです。
しかし、一時間たっても二時間たっても戻ってきません。三時間後、ついに「K先生、帰っちゃったんだよ」とぼくらも引き上げることにしました。
数日後。
「Kさんあの後きたわよ。ベンチに座ったら夜風が気持ちよくてつい寝ちゃったんだって、かわいいわよね」(そのお店の女の子)
ぼくらがそんなことしたら、「だらしないわね。だからもてないのよ!」と怒られるのがオチです。恐るべき「三ヵ条」です。
拝啓 小林覚様
かなり寒くなってきました。これからの季節、ベンチでの一休みは危険です。気をつけてください。「三ヵ条」はぼくが引き継ぎますので安心してください。
覚先生。
名人戦がんばってください!!
気分的には、今回は覚先生ノリかなあ
近鉄囲碁まつりで、栩くんもいいなって思ったんですが…。
あの
このエッセイは連載を通して、正直ちょっとおやじくさいっていうか、夕刊紙風味(まあそこまでではなんだけど)な空気が漂ってますが、この回は特におやじ風味が強いデスネ。
特にね「中略」としたあたりははっきり寒気でございます…。イヤな汗が出てくるよ
昔、上司が書いた、とあるアイドルのゴーストコメントを見た時も寒すぎて冷凍マンモスになりそうになったことがあったんだけど、負けてねー
ま、碁ワールド、おやじしか読まないもんね。ちゃんとターゲットにふさわしい文章を書く規三生くんはすごいかも
今回は名人戦挑戦者決定記念、小林覚九段編です!
碁ワールド、1999年12月号掲載です。
では、どぞー
もてる男ともてない男。みなさんはどちらがいいですか?もちろん女性にキャーキャーいわれる人生を過ごしてみたいですよね。
どうしたら女性をひきつけられるか。ぼくは一度、真面目に考えたことがあります。本もたくさん読みました。
(中略)
でも、ぼくに強力なフェロモンがあるかどうかははなはだ疑問。それに調べようもありません。
……ぼくのフェロモン人生は夢のまた夢なのかとあきらめかけたとき、はたと気が付きました。いたいた!フェロモンを発散しまくっている棋士が!
そして、この人についていけば完璧だ、との結論に達しました。
K・S九段、四十歳。ずっと第一線で戦っているトッププロといえばすぐに分かるはずです。
Kさんのモテモテぶりは尋常ではありません。タイトル戦に出れば、「わたし、碁はちっとも分かりませんが、がんばってくださいね」なんて葉書が棋院の編集部にわんさか届くそうです。
Kさんにはよく飲みに連れて行ってもらいます。よくある居酒屋から、ちょっと高そうな女の子の居る店まで。自分が師匠と決めたのですから、どんなときでもついていきます。
では、ぼくがKさんから学んだ、いや、盗んだ、もてる男になるためのテクニック三ヵ条を披露しましょう。
1.家族の自慢をする
Kさんはお酒が回ってくると、かならずノロケ話を始めます。
「女房には感謝している。あいつかいなかったらオイラはどうなっていたことか…(ため息)」
最後のため息が大切です。たった一つのため息が、真実味を大きく膨らませます。 そして締めは子供の話。
「毎晩眼の中に入れて寝ている。痛くないよ(笑)」
冷静に分析すると、なんともつまらないジョークですが、よき夫、よき父のイメージは完璧に植え付けられます。ぼくはまだ独り者なので、活用するのはまだ先ですが。
2.甘えん坊になる
「基本は甘えん坊だよ!」と豪語するKさん。しかしこれには条件がつきます。柔和な、甘いマスクのKさんだからこそ受け入れられる大技ですから、もって生まれた顔が成否の鍵を握っています。
強面の方は怖がられるだけですから、注意しましょう。
「キミオは末っ子だろう?オイラも末っ子だ。だからお前にも才能があるはずだ!さいわい、童顔だからな(笑う)」
3.後輩をかわいがる
サラリーマンの世界と一緒で、後輩に慕われる先輩というのはそれだけ人徳があるということなのでしょう。たしかにKさんはお酒も食事もいろいろなところに連れていってくれます。でも、かわいがり過ぎるケースもあります。
「キミオ、座れ!」
ぼくが少し席を外して戻ってきたときのことです。指差しているのは、まさしくKさんの膝の上。師匠の言いつけに恐る恐る従うと満面の笑みで、
「かわいいヤツだ!」
このときばかりは同席の女の子も「引いて」いましたが…。
以上、三つのテクニックを駆使し続けているKさん、その効果はただモテるだけにとどまりません。
その日もいつものように夕食のお供をしていました。三軒目のお店に入ろうとすると、
「タバコ買ってくる。先に飲んでて」とKさん。後輩に頼まず、自分で買いにいくとはさすがです。
しかし、一時間たっても二時間たっても戻ってきません。三時間後、ついに「K先生、帰っちゃったんだよ」とぼくらも引き上げることにしました。
数日後。
「Kさんあの後きたわよ。ベンチに座ったら夜風が気持ちよくてつい寝ちゃったんだって、かわいいわよね」(そのお店の女の子)
ぼくらがそんなことしたら、「だらしないわね。だからもてないのよ!」と怒られるのがオチです。恐るべき「三ヵ条」です。
拝啓 小林覚様
かなり寒くなってきました。これからの季節、ベンチでの一休みは危険です。気をつけてください。「三ヵ条」はぼくが引き継ぎますので安心してください。
覚先生。
名人戦がんばってください!!
気分的には、今回は覚先生ノリかなあ
近鉄囲碁まつりで、栩くんもいいなって思ったんですが…。
あの
このエッセイは連載を通して、正直ちょっとおやじくさいっていうか、夕刊紙風味(まあそこまでではなんだけど)な空気が漂ってますが、この回は特におやじ風味が強いデスネ。
特にね「中略」としたあたりははっきり寒気でございます…。イヤな汗が出てくるよ
昔、上司が書いた、とあるアイドルのゴーストコメントを見た時も寒すぎて冷凍マンモスになりそうになったことがあったんだけど、負けてねー
ま、碁ワールド、おやじしか読まないもんね。ちゃんとターゲットにふさわしい文章を書く規三生くんはすごいかも
>規三生くんと友達になりたくなってきた
わー
本当になって欲しい!!
規三生くんとryuhyoさんと私で飲みたいわぁ
そんな機会ないのかな?
ないよな…
>年上なのに勝手に「くん」づけして、いつもいつもすいません。
私もついでに、謝っちゃお
いつもいつも「規三生くん」って連呼してごめんなさい
本当は「先生」って呼ばなきゃですよね。
でも、いつも心では「規三生タン」って呼んでます。
あは
真剣に読んでいましました。(爆)
1.家族の自慢をする。
⇒自慢するためには、家族を持たないといけないなあ。
家族を持つ為には、結婚しないといけないなあ。
誰か~~偽装結婚しませんか~!?(爆)
2.甘えん坊になる。
⇒やったーー!!オイラも末っ子だあ!!
3.後輩をかわいがる。
⇒後輩にかわいがられるのはダメ!?
規三生くんのファンというよりも
規三生くんと友達になりたくなってきた。(笑)
っていうか、規三生「くん」って、年上なのに勝手に「くん」づけして、いつもいつもすいません。
規三生くん。