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ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

新しいアルバムのレコーディング、開始しました。

2017-03-04 08:42:21 | ベリーダンス


6年前にアラディーンのアルバムを撮った、大先輩の船本さんのスタジオにて、レコーディングをスタートしました。

船本さんのスタジオ、凄い機材が増えていて、本当に素晴らしい音に仕上がりそうです。

一日目は、朝の11時に集合、夜の11時まで、新曲6曲分のベーシック・トラック、すなわち、ダラブッカ、レク、ベースを撮る予定でしたが、4曲ほどで終了となりました。

二日目は、昼の12時から、夜の11時まで、2曲分のベーシック・トラック作り&アコーディオンの絵実さんの録音で、船本さんのプライベート・スタジオにこもりました。

ここで、一つの発見あり。

以前から、オリエンタル音楽は「リズムパターンによるテンポの伸び縮み」、すなわちリズムの変化を起点にテンポが微妙に移り変わる事は「感覚」で知っていましたし、そこが、オリエンタル音楽、特にアラブ音楽の醍醐味な訳ですが、

曲のクリック(レコーディングの最中に、テンポのを知らせる音の事。録音した音を小節で区切って把握する事にも使える。)を作っていく中で、オリエンタルの各リズムの性格によって、自然とテンポアップしたり、又はレイド・バック(テンポ・ダウン)したりするのだ、という事が実際の数値で確認できたことです。

これが出来るのも、必ず楽譜を制作して実際の音作りをする、という私の姿勢から来ているからなのですが、

具体的に言うと、「譜面の56小節からの2拍目からテンポアップ」、とか、「リハーサルマークDから、テンポを少し下げて」というような指示を出します。

いわゆるオーケストラの指揮と一緒です。

前回のアルバムでも、船本さんの助言に従ってクリックを使ってレコーディングをしていて、その時も微妙なテンポの変化を表現していましたが、前回はそれほど厳密に作ってはいません。

さて、レコーディング1日目は、最後に撮った「飛天」という曲のレコーディングでかなり四苦八苦しました。何故ならば、この曲は、徐々にテンポアップして行く曲であって、それを、どう説明してイイか、作曲した私も良く分かっていませんでした。

一定のテンポのクリックを聞きながら演奏すると、場所によってはメロディ・ラインが、間延びした感じのフレーズになったりして、変な感じになってしまいます。

で、一日目は、時間もなかったので、最終的に撮ってみたものの、やっぱり違和感を払拭出来なかったので、2日目は、飛天の再クリック作りに挑んでみました。

いろいろと試行錯誤した結果、マクスームだと、テンポが自然に速くなるとか、マスムーディ・カビールだとテンポが自然に遅くなるとか、ワヘダ・カビーラだと、拍の途中からアチェルランドできる、とか、それを実際にクリックで数値化して・・・・、みたいな作業をして行くと、実に自然な曲の流れに成った訳です。

アナログをデジタル変換、みたいな感覚になりましたが(笑)、辛抱強く付き合って頂いた船本さんに感謝!です。

今回のアルバムは、全曲オリジナルで、アラブの曲は一つもありませんが、音楽の作り方はオリエンタル音楽のアイデアを元に作っています。

メインの楽器はウード、打楽器はダラブッカ、リズムパターンも、メロディラインの作り方もマカームの発想を利用していますが、オリエンタル音楽を知らない人々にとっても、とても親しみやすい音楽になっていると自負しています。
完成が、本当に楽しみです!

ペタシ君が役目を終えて夕方に帰った後、入れ替わるようにアコーディオンの絵実さんが登場、4曲入れたところで、本日は終了。

良いペースで進んでいます。

レコーディングは、各メンバーと、スタジオのスケジュールに合わせて進むので、録音は来月まで掛かりそうですが、イイものを作るために、じっくりと進めていくつもりです。


↑ブースに分けてレコーディング。濱ちゃん、ペタシ君は一緒。写真には写っていませんが、安藤君も別ブースです。


2日目、一人、レコーディング・ブースで頑張った絵実さんと、今回も大変お世話になっている船本さん。