ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

RHYTHM IS IT!(邦題は「ベルリンフィルと子どもたち」)

2006-10-30 03:09:38 | 音楽

邦題は「ベルリンフィルと子どもたち」というドキュメンタリー映画をDVDで見ました。

http://www.cetera.co.jp/library/bp.html

一言で言うと「熱い」映画でしたね。

この映画のあらすじを書くと、250人もの、国籍も、年齢も、境遇も全く違う、どちらかというと問題児である子どもたちを6週間、ダンスの訓練をさせ、最終日にベルリン・フィルの演奏するバレエ曲に合わせてダンスの演技を行わせる「教育プロジェクト(2003年)」の記録映画です。

このドキュメンタリー、物を作る側、指導する側、教育に携わる側の視点から見ると、物凄く刺激になります。

この教育プログラムの発起人であるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の指揮者、そして芸術監督である「サー・サイモン・ラトル」といい、振付師の「ロイストン・マルドゥーム」といい、画面の向こうから気迫がビンビンと伝わってきます。

印象的だったのは2点。

ひとつは、40年間もの長い間、ダンサー&振付師として活躍してきた「ロイストン・マルドゥーム」の、子供たちに対する指導へのゆるぎない確信と自信。

彼も自分の過去を振り返りつつ、世話をする子供たちを理解し、高めようと、様々な角度から接していき、最終的に、子どもたち自身、想像もしなかった演技を引き出すのです。

その指導の仕方が非常に素晴らしく、レッスンの中盤に子供達との質疑応答が冴えていて、

「楽しくやりたい」という甘えた子供達に、

「楽しく何故やる必要があるのか?それよりも大事なのは真剣さなんだ。」

「真剣である事を楽しむべきだ。」

と言い切る所とか、それを見ていて「もっと子供の主張を聞くべき!」という担任の教師と、「甘やかすのは出来るが、教えたいのは真剣になる事なんだ!」と言い切っていきます。

最終的に真剣に指導に徹するロイストンと、そのチームによって変化していく子供達が増え、彼がレッスンで予言した

「ただダンスをするだけじゃない。このダンスで、君達の人生を変えることができるんだ」

と主張したとおり、子どもたちは変化していくのです。

人間を動かすのは、「真剣」さと「熱意」なんですね、やっぱり。

そして2つ目は、サー・サイモン・ラトルの言った、

「人生には師が必要である」

と言ったところ。

「私には数人の師がいて、そのうちの一人は少なくとも5年間、私を正しい道に導いてくれた。」

「人生には色々な危機に遭遇するが、その時に聞きたくもない自分の非を指摘してくれる人が必要だ。」

「師がいない人は不運だ。師がいないことで、自分の可能性を引き出すチャンスが得られないからだ。」

と、彼の人生経験から得た答えを述べるのです。

やっぱり良い人生を送るには「師匠」は必要なんですね。

この二人に共通するのは、プロとして、そして第一人者として活躍してきた豊富な経験から得られている「確信」と、未来に対する責任感、そして「常に挑戦し続けていく姿勢」

そして、共同振付師のスザンナ・ブロウトンの

「自分の限界に甘えるのは非常に簡単」

と言い切るところ、「ものづくり」に携わる人間は肝に銘じなければならないですね。

いずれにしろ、このドキュメンタリー映画は、芸術に携わる人々にとって「心の栄養」になる素晴らしい映画だと思いました。

皆さんも機会があったら是非見てください。


ベリーダンスと音楽の夜 vol.9後記

2006-10-29 03:32:53 | 音楽

本日も満員御礼、真にありがとうございました!!

今回は会場の「楽屋」さんが中音の環境をかなり整えてくれた為、みんなの音が非常にクリアに聞こえて、余裕を持って演奏できました。

また「ルル・ショー」以来、演奏面に対する意識なども飛躍的に向上し、私を含め、音程も物凄く良くなりました。

今日のショーは、今までで1番良かったと思います。

さて、アラディーンも、実質結成1年を迎え、毎回、会場の動員数を満員で迎える事ができ、また無事故で迎える事もできました。

これというのも、お客様のおかげです☆

そして、一緒に共演してくださるベリーダンサーの皆様。

皆さんのおかげで、アラディーンのレパートリーもバラエティに富み、現段階で、およそ40曲近く演奏した事になります。

全てがうまく進んでいる。

これは奇跡的なことですね。

本当に皆様、ありがとうございます!!

さぁ、来月も、もっと飛躍していきましょう!!


ベリーダンスと音楽の夜 vol.9 のリハ~その1

2006-10-21 01:04:13 | 音楽

Alladeen1019a Alladeen1019c Alladeen1019b

今月はアラディーンにとって怒涛のごとくショーが重なり、その全てが成功した月です。

特に9月後半からルル・ショーにかけて、そして先日の千夜一夜のショーを通して、メンバー同士がそれぞれ近くなりました。

9月から、アラディーンは一切マイクを使わずに、生音でリハーサルを行っていますが、それが物凄く効果的に活きています。

それが証拠に、今日のリハは、マイク無しでも十分なほどの迫力と音量でした。キキちゃんも、最初は「マイクなし」でリハを行っているとは思わなかった、なんて言ってました。

リハも活発に意見が出て、本当に素晴らしいなぁ、なんて思ってました。

さて、今回も、新曲が2曲ほど。オリエンタル音楽の偉大な作曲家でトルコ人の「タトゥオス・エフェンディ」のサマーイ、そして「ムスタファ」。

アラディーンでムスタファをやるのは実は初めてですが、音も物凄く豪華です。

乞うご期待!!

※写真は、シャーラさんとキキちゃんを激写するサファイア王子と空中紳士


千夜一夜ライブ後記

2006-10-16 01:06:59 | 音楽

98ed

お越しくださった皆様、真にありがとうございました!!

今回もちょうど良い満席具合で、うれしかったです。

また企画&主催のNoel姫、真にお疲れ様&誕生日おめでとうございました。

そして、Huleyaちゃん、アラディーンのメンバー各位、本当にありがとうございました!!

今回は、ヴァイオリンx2、フルート、ウードx2、ダラブッカという編成でした。

ルル・ショーを契機により演奏力がついたのと、皆の意識が変わった後のライブであっただけに、思った以上に成果が挙げられた気がしました。

タクシームも各奏者がたっぷりやってたので、いつものアラディーンのショーとは、また違ったショー内容でした。

特筆すべきは、ペタシ君のダラブッカがさらに良くなっていて、彼の耳の良さ、リズムの安定感、ダイナミクスなどは、もうしぶんありませんね。

Noelちゃん&皆様、またよろしくお願いします!!


今日はBolBol@高円寺での「千夜一夜物語」

2006-10-14 02:54:27 | 音楽

もう今日になってしまいましたが、Noel姫が、ずっと構想していた「千夜一夜物語」シリーズでアラディーンが参加します。

この「千夜一夜物語」は、いわゆる本場のベリーダンス・ショーのように、ダンサーが1曲をじっくり20分ぐらいかけて踊るというものです。

つまり、ダンサーが主役なんですね。

内容も、7月に大好評いただいた「真夏の千夜一夜物語」の再演、という感じですが、前回よりも、音が豪華です!!

乞うご期待!!

★10月14日(土)
「千夜一夜物語」with アラディーン

@高円寺 イラニアン・レストラン ボルボル
http://bolbol.jp/map.html
所在地:杉並区高円寺北3-2-15-2F

TEL:03-3223-3277
交通・アクセス:JR高円寺駅より徒歩2分

Open/18:00~
Show/19:30~ 2stage
Charge/2,500yen

ベリーダンス /Noel、Huleya

テディ熊谷/フルート
ミン・ケンキ/ヴァイオリン
及川景子/ヴァイオリン
松尾賢/ウード
今井龍一/ウード
平井ペタシ陽一/ダラブッカ

※まだ席ありますので、お早目のご予約をお願い致します!