又四郎夢日記

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伝説の武器、防具2~平家重代小烏丸~

2013-12-20 17:33:05 | 伝説の武器、防具
小烏丸(おがらすまる、こがらすまる)は、平家重代の宝刀とされています。
重代(ちょうだい、じゅうだい)というのは、先祖代々受け継ぐ宝という意味です。つまり、平家(平氏)における伝家の宝刀ですね。文献によっては小烏ではなく木枯となっているようです。昔の伝説というのは幾つも種類があり、初期の状態はよく分からないのが当たり前なので、小烏丸もそういう物と考えていいでしょう。

伝説では、八尺(はっしゃく)の霊鳥が大神宮の使いとして羽の中から出したのがこの刀だという事になっています。平貞盛(たいらのさだもり)の頃から平家に伝わり、平治の乱の時に平重盛(たいらのしげもり)が身につけたと言います。平家滅亡後は行方不明となりましたが、幾つか小烏丸という刀が現存するようです。

八尺の霊鳥とは、八咫烏(やたがらす)の事であると考えられています。日本神話に出てくる神の使いですね。大神宮とは伊勢神宮、つまり天照大神(あまてらすおおみかみ)と考えていいでしょう。太陽神にして皇室の祖神ですね

現存する小烏丸で最も有名なのは、天國(あまくに)作と伝えられる物です。実際には奈良時代の天國の作ではなく、平安時代の何者かの作と考えられていますが、この小烏丸はかなり特殊な刀です。何が特殊かといえば、下半分は片刃の日本刀なのに、上半分は両刃の剣になっているという事です。現存する刀剣としては小烏丸にしか見られない特殊な構造です。古代の刀剣から日本刀に変化する時の、過渡期の形状とも言われていますが、何故こんな不思議な形状なのか正確な事は不明です。

天國作ではないと説明しましたがこれには異論もあり、刀工は名を受け継ぐ事が多いので、天國も数代続いていたとすると、天國作でも間違いではないという人もいます。

この天國作とされる小烏丸は、現在は御物(ぎょぶつ)となっています。御物とは皇室のお宝です。昔は皇室以外でも御物と言う事があったようですが、現代で御物といえば、皇室(宮内庁)の物を言います。