又四郎夢日記

ニコマス紹介や、雑学、雑記など。

ファンタジーっぽい実話14~中華の冒険者たち~

2014-09-22 18:57:17 | ファンタジーっぽい実話
前回、ファンタジーの冒険者みたいな人は中華や日本にいたという話しをしましたが、その続きです。

さて、中華という言い方についてですが、中国というと日本には中国地方があって紛らわしいので、ここでは中華と呼称します。

昔、中華にはヒョウ師(ヒョウは金に票)、ヒョウ客、保ヒョウ、護院(ごいん)などと呼ばれる職業の人達がいました。この人達は武術家で、富裕層の護衛をしたりしていたようです。ヒョウ師が所属する組織はヒョウ局と呼ばれていましたが、ファンタジーRPGに出てくる冒険者と冒険者ギルドにそっくりですね。ヒョウ師の活躍を調べてみても、ファンタジーRPGと同じような事をしていた事が分かります。幾つか例を挙げましょう。

形意拳(けいいけん)の李存義(りそんぎ)という人は、万通(ばんつう)ヒョウ局を設立し、自ら隊商を護衛して旅をしたそうです。単刀(たんとう)と呼ばれる武器で盗賊達を撃退していたので、単刀李と呼ばれて恐れられていたんだとか。義和団(ぎわだん)の乱が起きたときには、ヒョウ師達を率いて近代装備の八カ国連合軍相手に刀を振るって戦っています。ファンタジーRPGの冒険者そのもののような人生ですが、経営者としての才能はなかったようで、資金繰りが上手くいかなくなって万通ヒョウ局は潰れたようです。

ヒョウ師として活躍出来るのは武術家の中でも成功者であって、裏社会に行った武術家も多かったと言われています。このあたりもファンタジーRPGでよくある話しですね。

ヒョウ師達の時代は、近代的な警察と鉄道の発達によって終了しましたが、チャイニーズマフィアの用心棒には今でも武術家がいて、現代でもヒョウ師と呼ばれているという話しもありますが、裏社会の事なのでどこまで本当なのか分かりません。

ファンタジーっぽい実話13~傭兵もザコ~

2014-06-18 17:31:49 | ファンタジーっぽい実話
ファンタジーの世界では、傭兵は優秀なプロというイメージがありますよね。じゃあ実際の傭兵はどうだったのか?と言いますと・・・実は素人です。傭兵がプロというのは現代の話であって、中世ヨーロッパの傭兵は貧乏な素人を集めただけのものだったようです。

中世ヨーロッパの戦いでは騎士が主役であり、兵士は数合わせのようなものでした。傭兵もこの数合わせの一部であって、基本的には素人です。まあ、団長などの幹部は違ったかもしれませんが、普通の傭兵は貧乏人やならず者によって構成されていました。そんな集団ですから給料を払っているうちはおとなしくても、戦いが終わって仕事がなくなると略奪を始めることが多かったようです。

現代でいうと、発展途上国のテロリストのような存在、それが中世ヨーロッパの傭兵です。ファンタジー世界の傭兵は、現代先進国の外人部隊のような存在になっていますね。

こういう話をすると、やっぱりファンタジーに出てくる勇者とか冒険者のような傭兵はいなかったんだな・・・とガッカリするかもしれませんが、その必要はありません。実は勇者や冒険者のような人もいました。ただし、中世ヨーロッパではなく中華や日本にいたのですが・・・そのお話は次回にします。

ファンタジーっぽい実話12~布の服~

2014-05-16 17:44:41 | ファンタジーっぽい実話
ドラゴンクエストには、布の服という防具が出てきますが、古代ローマには布でできた鎧があったようです。布の鎧は矢をある程度防げたと言いますが、それは性能の低い弱い弓を使用した場合だと考えられます。これが強弓や日本の弓矢であれば、とても防げないでしょうね。

日本の弓矢は金属や革の鎧を貫いたという話が時々ありますから、弱弓は防げても強弓は防げないと言っていいでしょうね。白兵戦になった場合は、ないよりマシという程度だったと思われます。

兵士全員にまともな装備をさせるにはとにかくお金がかかりますから、粗末な装備で出陣する人は多かったようです。現実的に解釈すると、ドラクエの勇者も実績がない初期段階では、実質的にはただの傭兵扱いなのかもしれませんね。

ファンタジーっぽい実話11~剣と盾の話~

2014-03-23 17:33:05 | ファンタジーっぽい実話
歴史再現映像を観ていると片手に盾、もう片方の手に剣を持って戦う中世ヨーロッパの戦いがしばしばありますよね。こういう再現映像を観ると、ああいう使い方はしなかったのでは?と思える部分があります。それは相手の剣と自分の剣の刃を激しく打ち合わせるというものです。

剣を剣で防ぐなら盾を持つ必要はありません。盾を持って戦うからには盾で剣を受けたと考えるのが自然です。それに加えて刃こぼれの問題もあります。あまり鋭い刃を付けていなかったとしても、刃と刃を打ち合わせたら刃こぼれします。刃こぼれさせない為には刃と刃を打ち合わせないようにするか、刃そのものを付けないようにするかのどちらかになります。刃を付けなければ剣ではなく鉄棒になってしまうので、このやり方はないでしょう。そうすると刃で刃を受けるのではなく盾で受けたと考えるのが合理的です。

じゃあ盾を使わない日本刀はどうなんだ?と言う意見があるかもしれませんが、日本刀は時代劇の殺陣のように刃と刃を打ち合わせるものではありません。鎬(しのぎ)という部分で受け流したり、相手との距離を調節して刀と刀を打ち合わせないようにしたり、相手の刀を抑えたり払ったりする事で刃こぼれを防いでいます。

もっとも全ての人にそういう使い方が出来たわけでもありませんから、剣術が下手な人は刃こぼれさせたようです。しかし剣術が下手な人が刀で激しく戦う事は希ですから、問題にならなかったのでしょう。

高度な技術を要求される日本刀と違って中世ヨーロッパであれば盾で受ければいいのですから、素人でもそれなりに出来たはずです。そう考えてみると、刃と刃を打ち合わせる映像は恐らく間違いです。

まあ、映像はあくまでもイメージですから、映像としての見栄えを考えれば打ち合わせた方が絵になるのでしょう。ファンタジー系の映像作品や漫画も現実より見栄え重視でよいと思います。下手に現実に合わせようとすると、つまらなくなってしまう場合が多いですからね。

ファンタジーっぽい実話10~銅の剣はキンキラキン?~

2014-02-07 17:06:16 | ファンタジーっぽい実話
ゲームのドラゴンクエストでは銅の剣は最初の方に出てくる剣で、あまりよい剣ではないし、印象も薄いかもしれません。他のゲームでも似たような扱いが多いでしょう。しかし、現実の銅の剣はかなり派手な物だったようです。

銅で武器を作る場合、普通は青銅器という事になります。教科書の写真で観る青銅器は、その名の通り青緑色ですよね。でもこの色は青銅がサビた色であって本来の色ではありません。

では本来の青銅器の色はどんな色か?それは黄金色です。見た目では金と区別するのが難しいくらいに輝いています。そうすると、ゲーム終盤で出てくる優れた剣よりも、性能があまりよくない銅の剣の方が、見た目はかなり派手なのかもしれませんね。