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白き焔BLOG

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鋼における二人の医者マルコーとノックス

2006-03-24 15:23:09 | 鋼コラム
自記事:鋼のテーマ考とも少し係わる部分もあります。

この二人に関しては原作進行レベルでネタバレてますので、ご注意ください。


○結晶の錬金術師マルコー。

等価交換を覆す石の結晶を製造し(そもそもこの石のための代価は、彼自身ではないもので支払われているのだろう)賢者の石に最も近づいたものの一人。

イシュバールでは、錬金術の増幅装置としての賢者の石精製に携わり、多くの命を奪うことに加担したことに罪悪感を覚え、軍を逃げ出す。

身元を偽り、人智を超越するような驚異的な力で人を救い、多くの人から感謝され、慕われる。

マルコーはイシュバール以前はどんな医者だったのだろう?
名もなき村人の命を大切に思うような医者だったのか?
セントラルで高名な名士たちを相手に、法外な治療費を分捕る医者だったのか?
驚異的な石の理論に執りつかれ、それを成し遂げる功名心に駆られ、研究以外見向きもしないような医者だったのか?

たぶん昔は、普通の村人の命なんか、気にも留めない医者だったのではないか・・・と思う。

彼は自殺できない。命の重さを知っているから・・・などという理由ではない。
たぶん、怖いから。

私はマルコーにそんな偽善者の弱さを見ている。



○監察医ノックス

常に死体を相手にする男。彼はなぜ監察医になったのか。死体は彼に何を語るのだろう?

巨大な実験場と皮肉るイシュバールにおいて、ロイに共犯者と言わしめた男。

戦場が生物化学兵器および殺害方法の実験場になるというのは、現実にもある話だ。いかに効率よく殺人を行うのか、という研究に携わっていたのだろう。

戦場から戻った後、彼はPTSDに悩まされ、妻と離婚。子供は妻が連れて出て行った。それでも、彼は軍を離れない。弱いけど、逃げない。

それでも、担ぎ込まれた怪我人の手当てをし、無茶する彼女たちを「病人は万国共通だ!」と一喝する。


人の命を奪った分、人の命を救えば許されるのか?
許されなくても救い続けようというマルコー。
人の命を救うというよりは、ベストを尽くそうと思っているようなノックス。
(彼が錬金術師としての超越した力を持っていないこともあるが)


この対照的な二人の医者、どちらが正しいというわけではない。
二人とも迷いながら生きている。

私には、マルコーよりもノックスのほうが、ずっと地に足の着いた生き方をしていると感じられる。

それでね、本当に予感なんだけれども、マルコーは死に(スカーの手によるかはさておき)、ノックスは生き残るんじゃないか、と思うのだ。

単に私がノックスが好きだとかさ、そういう理由もあるんだけど。好きなキャラが絶対に生き残って・・・という展開を望むわけではないけれど。(必要さえあれば、ロイさえ殺すことを辞さない荒川先生だと思うので)

好きになった理由は、彼の命に対する向き合い方だから。

とりあえず、私の中でマルコーは死亡フラグ立ってます。

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2 コメント

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Unknown (ひまいち)
2006-03-26 00:42:04
はじめまして真朱様、ひまいちと申します。

今回の記事で、「マルコーとノックス」というカテゴリの仕方がとても新鮮だったので思わずコメント失礼します。なるほど、医者というまとめ方で二人を並べてみる、という見方があるのですね。



>私には、マルコーよりもノックスのほうが、ずっと地に足の着いた生き方をしていると感じられる。

>偽善者の弱さ



真朱様がこの二人を比べられてはじめて気付きました。確かにマルコーのほうがより小市民的な気はします。

えっと関係ないですが、しかしそんなマルコー医師も荒川さんは一辺倒で「小物」な人物の書き方ってしませんね。(唯一例外なのはヨキかもしれないけれど、あの人はその後ギャグ要員としてキャラが立っています/笑)

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コメントありがとうございます (真朱薫)
2006-03-26 01:00:05
この所、非常にノックスが好きでして(笑)

毎月のようにガンガンでは、マルコーとノックスのシーンがあるわけですよ。全然違う二人に、荒川先生の狙いがあるのかなぁと思ったんです。



マルコーは、小者というよりも・・・プライドが高すぎるというか、エリート意識が強い気がします。



ヨキは、小者ですよねぇ。でも憎めないし(笑)



荒川先生の描くキャラクターは、本当に多種多彩で、厚味があってすごいですよね。
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