東京生まれの鹿児島育ち(鶴丸高校出身)です。東京の大学卒業後に外資系企業で働いた後、環境NPO(日本リサイクル運動市民の会)が1988年に社会的企業として創業した有機野菜や無添加食品、エコロジー雑貨、フェアトレード商品等の会員制宅配企業らでぃっしゅぼーや株式会社で1992年から広報担当として勤務。その間にドイツと英国にオーガニック留学しました。2008年夏から2011年まで、らでぃっしゅぼーや環境保全型生産者団体「Radixの会」で勤務しながら、国際NGO「IFAOM(アイフォーム:国際有機農業運動連盟)」の世界理事も務めました(現・IFOAM名誉シニアフェロー)。IFOAMは、世界117カ国に約800団体のメンバーを持つ有機農業に関する唯一の国際統括組織です。
2011年の福島原発事故を受けて、「原発は有機農業とは両立しない」ことを痛感。ドイツで2022年末までの脱原発を決めた緑の党の日本版設立に向けて、2011年7月から「みどりの未来」の広報と国際関係を担当。2012年7月末に(みどりの未来を発展的に解散して)「緑の党 Greens Japan」を設立しました。運営委員として2013年夏の参院選に挑戦。議席獲得はなりませんでしたが、引き続きアドバイザーを務めています。2001年と2012年に開催された第1回と第3回の「グローバルグリーンズ会議(緑の党世界大会)」に参加。また、2010年の国連「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)」と「国連持続可能な開発会議(「リオ+20」地球サミット2012)」にIFOAMを代表して参加。「持続可能な開発」と「グリーン経済」に「有機農業(オーガニック産業)」と「脱原発(自然エネルギー産業)」が貢献できることを訴えました。2012年には『もう原発はいらない!』(ほんの木)を出版。2013年11月から、一般社団法人の自然エネルギー政策研究所の主任研究員として、脱原発の実現と再生可能エネルギーの普及に向けて活動しています。
2006/7年には英国のロンドン経済政治大学大学院(LSE:ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)の政治学研究科でグローバル政治学(グローバル市民社会論)を専攻。「IFOAMのEUオーガニック政策への関与」について研究。グローバル政治学修士号を取得しました。早稲田大学大学院の社会科学研究科では「EU の農業環境政策と有機農業」について研究。学術修士号(比較環境政治)を取得。早稲田大学大学院の博士後期課程を満期退学。専門分野は地球市民社会論、環境社会論、NGO/NPO論(有機農業運動論)など。環境社会学会、日本NPO学会、21世紀社会デザイン研究学会、日本公共政策学会、日本有機農業学会、日本広報学会に所属。名古屋産業大学、酪農学園大学などで非常勤講師として勤務しました。
【IFOAM(国際有機農業運動連盟)】2007年には、世界の有機農業を37年間リードし、 支援してきた国際オーガニックNGO「国際有機農業運動連盟(IFOAM)」の本部(ドイツ・ ボン)で広報やマーケティングの仕事をお手伝いするメディアフェローとして、各国から集まっているオーガニックに本気で真直ぐなスタッフたちと一緒に働きました。ドイツでは普通のスーパーでもオーガニック食品が手頃な値段で当たり前のように買えます。オーガニックの専門スーパーなどもあって有機農業も年々広がっています。
2006/7年には、英国のロンドン経済政治大学大学院(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス:LSE)の政治学研究科(Government)で「グローバル政治学(グローバル市民社会論)」を専攻しました。
The London School of Economics and Political Science
MSc in Global Politics (Global Civil Society)
地球温暖化などの環境問題やテロ・紛争、発展途上国と先進国の経済格差、貧困と飢餓の問題など金融と経済のグローバリゼーションによって起きている様々な問題に対して、国家間だけではなく国連や世界銀行、IMFやWTOなどの国際機関や多国籍企業、国際NGOがお互いを規制して、どのように協力し合って、様々な問題を解決していくかという壮大なテーマ(グローバルガバナンス)の基礎を勉強しました。現実的には世界中いろいろと難しいことだらけですが、このような地球規模のグローバルな問題に対して世界中に広がったネットワークを構築して活動している団体は「グローバル市民社会(グローバル・シビル・ソサエティ:Global Civil Society)」と呼ばれています。
LSEの政治学研究科での修士論文では「EUの農業環境政策(有機農業振興政策)」と「オーガニック規制(ラベル表示と有機認証制度)」 に関する政策決定過程に、環境NGOや国際オーガニックNGOのIFOAMがどのように関係していたのかを研究しました(IFOAMのアドボカシー:政策提言活動について)。欧米やアフリカなど世界では人権、民主化、開発援助、環境保護、反戦・平和など様々な分野で、NGOがサービスの提供や政策決定にも参加して、大きな成果をあげています。日本でも様々なNGOが頑張っています。
【ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカル・サイエンス:LSE】LSEは1895年に創設された社会科学専門の大学です。歴史的に英国労働党と深いつながりがあり、第2次世界大戦後の福祉国家建設時や近年のトニー・ブレア、ゴードン・ブラウン政権(New Labour)において、その政策の思想的・学問的支柱を提供してきました。世界的な社会学者でLSEの元学長、アンソニー・ギデンズ卿はブレア元首相のブレーン(第3の道)として有名です。LSEは経済学が特に有名で、非アメリカでありながら世界トップの研究・教育レベルを誇ります。LSEの図書館は世界最大の社会科学専門図書館で、2002年現在、蔵書数は400万冊を超えて増え続けています(ウィキペディアより)。
国際関係学、社会学、社会政策学など多くの学問分野を開拓するなど、経済学のみならず社会科学全般において多大な貢献をしています。近年においては、グローバリゼーション研究、NGO(市民社会)の運営に関する研究や環境経営学などの分野においてパイオニア的な存在となっています。現在までに、卒業生、教員、創立者から計14人のノーベル賞受賞者、32人の各国首相、大統領、国家元首を輩出しています。
英国政府が研究機関に対して行う研究成果の公的な調査および査定であるRAEによると、LSEは、経済学、ヨーロッパ研究、法学、社会政策学の各分野でイギリスで第1位、文化人類学で第2位(2008年)であったといいます。Sunday Times紙は1997年から2007年までの10年間の総合ランキングでLSEを第3位にランクしています。 また高級紙Guardian紙は2003年度版の大学案内で「世界中のどの大学よりも今日の国際政治に与えた影響が大きい」とLSEを紹介しています。世界大学ランキングでは、2007年に社会科学部門でハーバード大学とケンブリッジ大学に次いで第3位、2004年には第2位になっています(「THES/QSランキングにみる一橋大学とLSE」P34ご参照)。
現在は、早稲田大学大学院の社会科学研究科地球社会論専攻の博士後期課程に在学中です。ゼミのテーマは、地球社会論 Global Society Studies の「EU地域研究・比較環境政治専攻」で「EUの現代化された中道左派政党における社会保障政策と環境政策の統合」や「市民社会論」 です。先生は市民社会論やドイツ緑の党と社民党(SPD)との連立政権時代の環境政策研究などの専門家です。博士論文はグローバル市民社会(国際NGO)による有機農業運動におけるオーガニックNGOの政策決定過程への影響をEUと日本の比較で書いてみたいと思います。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆2001年には、豪州のキャンベラで開催された第一回の「グローバル・グリーンズ・カンファレンス(世界緑の党大会)2001」に参加しました。まるでNGOの集まりのような雰囲気の会議に感動しました。まだノーベル平和賞(2006年)を受賞する前の、ケニアの故ワンガリ・マータイさんの力強い演説や、コロンビア政府の汚職を指摘して大統領選に出馬したイングリット・ベタンクール女史の生命を賭けた闘いに心を揺さぶられました。
豪州緑の党代表のボブ・ブラウン氏によれば、世界で最初にオーストラリアとニュージーランドで緑の党が形成されてから40年近くが経ちますが、現在では90カ以上の国や地域で緑の党があり、立法府には何千人という地方議会の議員や州議会議員、国会議員が存在しています。その連盟がヨーロッパ、アフリカとアメリカで形成されています。そして、この会議で緑の党のグローバルなネットワークが結成されました。世界各地で、多国籍企業等によるグローバリゼーションの弊害が噴出していますが、このグローバルグリーンズの集まりは、グローバリゼーションのポジティブな方の動きと言えるでしょう。
1998年から英国のシュタイナー学校の教員養成コースもあるEast Sussex(サセックス州)のEmerson College(エマーソンカレッジ)で Story tellingと creative writing(ストーリーテリング・クリエイティブライティング)を学びました。美しい自然のなかで芸術に浸れて幸せでした。子供の頃からの大ファン、ドイツのファンタジー作家ミヒャエル・エンデもシュタイナー学校の出身です。カレッジでの休暇には、キャンパスのオーガニックガーデンでバイオダイナミック農業(デメター)のお手伝いをしていました。
エマーソンカレッジの卒業生には、60年以上の歴史を持つ、英国で最大の有機認証団体(有機農業団体)である英国土壌協会「Soil Association(ソイルアソシエーション) 」の理事長、パトリック・ホールデンなどがいます。
欧州を中心に、1980年代から環境保全事業や有機農業やオーガニック食品の流通事業などに対して積極的に投資を続け、躍進しているエシカル(倫理的な)銀行、トリオドスバンク創設者のポール・マッカイも関係者です。
1997年の秋に、ドイツはフランクフルトのドッテンフェルダー農場で研修。ヨーロッパでは、80年以上の歴史を持つ有機認証団体でもある老舗オーガニックブランド、 デメター(Demeter)の(バイオダイナミック)有機農場で、本場の有機農業を体験しました。
日本でもヨーロッパでも、有機農業をやっている農場、牛や羊や豚や鶏が自由に遊んでいる農場に行って動物 たちや野菜の世話をしている人たちに会うとなんだかホッとして、うれしくなります。
大学は当時まだ珍しかった学際的なコースを持つ、和光大学人間関係学部人間関係学科で、心理学・社会学・教育学について学問分野の垣根を越えて学びました。和光大学は、創造的で型破りな授業で有名な教授がいたり、知的実験大学と呼ばれた個性的で小さくてもキラリと光る大学でした。実際には教室よりもテニスコートにいる時間が長く、一年中真っ黒に日焼けしていました。学生寮での生活とサークル活動を通じて、実際の人間関係を深く学びました。
和光学園は幼稚園から高校までの一貫教育です。お隣の玉川学園や成城学園、明星学園とも共通の、芸術性を大事にして子供の個性を生かす教育理念に惹かれました。
郡山昌也