グリーン&オーガニック・ブログ

世界の緑の政治やオーガニックに関する情報を伝えます。

アジア連帯経済フォーラム2009 in 国連大学(青山)

2010-10-13 15:17:54 | アジア有機農業

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これも昨年の話ですが、11月7日(土)~8日(日)の2日間、国連大学と青山学院大学を会場に第2回「アジア連帯経済フォーラム」が開催されました。フォーラムには、フィリピン、韓国、インドネシアなどアジア各国をはじめ、欧米からも市民社会を代表するNGO/NPOや社会的企業、マイクロクレジットなどの社会的金融や社会的責任投資(SRI)、協同組合、コミュニティビジネス、フェアトレード、有機農業、国際連帯税などの実践者や研究者が集いました。日本の参加者と共に社会的な課題を解決しつつ、自立・共助できる経済であるアジアと世界の「連帯経済(Solidarity Economy)」について、熱心な議論が行われました。http://solidarityeconomy.web.fc2.com/index.html

2009_011_2主催はアジア連帯経済フォーラム実行委員会。事務局は、アジア太平洋資料センター(PARC)が担いました。後援・協力は、Charles Leopold Mayer 財団 (FPH) 、CSR-SME(アジア社会的中小企業連合)です。以下のリンクに、呼びかけ人と賛同団体が紹介されています。第1回の「アジア連帯経済フォーラム」は2007年10月にフィリピンのマニラで開催されました。この時には、アジア各国から約100名、フィリピンから約600名が参加し、多様な経験の交流の場となったといいます。http://solidarityeconomy.web.fc2.com/forum2007.html
http://www.carta-responsabilidades-humanas.net/spip.php?article1661 (英語)

2009_028主催者によりますと、今回の第2回「アジア連帯経済フォーラム」への国内からの参加者は約320人。海外からは18カ国約40人のゲストが参加しました。スタッフ・ボランティアの約60名を加えると、合計で420人以上の人が参加したということです。会場になった国連大学前では、フェアトレード商品やオーガニック食品、有機野菜の販売やアジア関連商品の販売ブース、国際開発NGOなど参加団体の展示を行う「連帯経済マーケット(絆市)」も開催されて、好天に恵まれた期間中は大勢の買い物客で賑わいました。

Forum091ところで「連帯経済(Solidarity Economy) 」とは何でしょうか?聞き慣れない言葉で、最初にこの国際会議のことを聞いた時には、自分にはあまり関係のない集まりだろうと思いました。でも、最近よく耳にする「フェアトレード」、「マイクロクレジット」、「有機農産物による地場マーケット」、「社会的企業」などもその仲間だと知り、関心を持ちました。

「連帯経済」とは、市場原理に基づく利益最優先の経済の仕組みだけではない、人々が生きていくための助け合いや信用・信頼に基づく「命」を最優先にする経済の仕組みだといいます。この10年で、経済のグローバリゼーションが浸透し、貧困と経済的な格差が日本を含めて世界中で拡大しています。このような状況の中でも、利潤のみを追求する強力な市場経済に与しない多彩な営みが、ブラジルなどの南米諸国やアフリカ諸国、東南アジアなど世界各地で様々なレベルで模索・実践されているといいます。http://solidarityeconomy.web.fc2.com/aboutSE.html

例えば労働者・農民・消費者などの協同組合、地域の自助組織による福祉や医療、地域通貨、NGO/NPO、フェアトレードや社会的企業、マイクロクレジットなどの社会的金融や社会的責任投資(SRI)、協同組合、コミュニティビジネスなど、私たちの身近にも存在するこれらの草の根の経済活動の総体が「連帯経済」と呼ばれています(欧州では「社会的経済」という言葉が古くから使われています)。

2009_043フォーラムの初日は、今回の実行委員会共同代表の北沢洋子さん(国際問題評論家)の挨拶で始まりました。最初のセッションは、『グローバルに広がる連帯経済』と題して、北米、カナダから「カナダ・ケベック連帯経済グループ(GESQ)」ビンセント・ダジュネ氏。EUからは「連帯経済フォーラム ルクセンブルグ09」のマルティーヌ・テヴォニオ氏。オーストラリアからは「ジョブ・オーストラリア」のディビッド・トンプソン氏などが、各国で広がっている連帯経済の発展の様子を報告してくれました。二日間にわたるプログラムは以下の通りです。
http://solidarityeconomy.web.fc2.com/forum2009.html

2009_021次のセッションでは、『アジアにおける連帯経済―多様な実践をつなぐために』と題して、第一回のアジア連帯経済フォラーム2007の立役者でもあるフィリピンのベン・キノネス氏(CSRSME Asia)。蓄えた髭が立派なマレーシアのバイナリー大学社会的企業センター戦略的計画委員会委員長のデニソン・ジャヤスーリア氏。今回のアジアからの海外ゲストでは貴重な女性、インドの女性自営業者協会からイラ・シャー氏。 韓国の社会投資支援財団からはジャン・ウォンボン氏。そして日本からは、本フォーラム実行委員会共同代表で早稲田大学名誉教授(開発経済学)の西川潤氏が、各国の状況や実践の具体例を報告されました。

2009_022僕は午後は用事があって参加できませんでしたが、セッション3では『連帯経済を促進するための社会的金融』というテーマで、「社会的金融と社会的経済」について、バーント・バルケンホル氏(ILO 社会的金融プログラムディレクター)。「EUにおける社会的金融 多様なアクターの連携とネットワーク」について、ビビアンヌ・ヴァンドミュールブルケ氏(INAISE:社会的経済における国際投資家協会)。「マイクロファイナンスの役割」について、ミコル・ピステリ氏(マイクロファイナンスインフォメーションエクスチェンジ:MIX)。そして最後に「日本における社会的責任金融」について、 河口真理子氏(大和総研経営戦略研究部長)からの報告がありました。

2009_051 最後のセッションは、『社会的企業の果たす役割』というテーマで、「フィリピンにおける社会的責任ある中小企業の可能性」について、ベン・キノネス氏(CSRSME Asia)。「日本における社会的企業 ワーカーズ・コレクティブの実践から」について、藤木千草氏(ワーカーズコレクティブネットワーク〈W.N.J〉事務局長)。「社会的企業を支える中間支援組織の役割」について、イ・ウネ氏(韓国・ともに働く財団)。最後に「日本の社会的企業の展開に向けて」大高研道氏(聖学院大学コミュニティ政策学科准教授)からの報告がありました。

2009_073【連帯経済と社会的企業】とても天気のいい土曜日に開催された会議では、興味深い報告がたくさんされていました。最近は日本でもNPOやNGOで働くだけでなく、「連帯経済」的な社会貢献型の事業を通じて社会問題を解決する社会的企業で働きたいという若い人が増えているように聞きます。特に、「失われた10年」に就職で苦しんだいわゆる「ロストジェネレーション」世代などがその中心だと思いますが、その動きが実は広くアジアや南米、アフリカなど開発途上国だけではなくヨーロッパも含めた世界の動きとも連動しているのだと思うと、国内の現象がまた違った風に見えてくるように感じました。

2009_0682日目の会場は、国連大学の通り向かいにある青山学院大学。初日に討議されたテーマを具体的な5つのテーマ別ワークショップ(分科会)に分けて、より詳しい議論が行われました。そのテーマは以下の通りです。どの分科会も、その分野の第1人者が最新の情報を発表する魅力的な内容で、どれも本当に聞きたかったのですが、体はひとつしかないから全部には参加できずとても残念でした。分科会の会場となった教室はどこも満員で、若いOLさんから、サラリーマン、年配の方までが熱心に議論に聞き入っていました。参加者のなかにはそれぞれのテーマの実践者や研究者、ジャーナリスト、それに国会議員の姿も見えました。分科会のテーマは以下の5つです。
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A.社会的金融の可能性(グローバル・ローカルでの取り組み拡大に向けて) 
B.フェアトレードの拡大と深化(発展の歴史と現状) 
C.「いのち」のセーフティネットを地域で創る(福祉・介護・医療の現場から)
D.食と農の循環による地域の小さな経済づくり(持続可能な農業と町づくり)
E.国際連帯税(グローバル経済の規制と富の再分配)
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2009_035分科会Aのテーマは「社会的金融の可能性(グローバル・ローカルでの取り組みの拡大に向けて)」。コーディネーターは水口剛氏(高崎経済大学教授)。「社会的責任ある金融のこれからの広がり」について土谷和之氏(A SEED JAPAN理事)。「社会的責任ある金融のグローバルなネットワーク」について、ビビアンヌ・ヴァンドミュールブルケ氏(社会的経済における国際投資家協会:INAISE)。「日本発の途上国向け社会的投資のしくみ」について功能聡子氏(ARUN代表)。「貧困者の仕事づくりと社会的企業を推進する“社会連帯銀行”」についてパク・ムンボン氏(韓国社会連帯銀行 本部長)。「日本のNPOバンクの取り組み」について向田映子氏(女性・市民コミュニティバンク代表)が、それぞれの実践に基づいて報告しました。この分科会には、元環境庁長官で参議院議員(当時)の広中和歌子氏も参加されていました。
Arunlogothumbnail2 今回、カンボジアなどアジアの開発途上国支援のための社会的投資ファンドARUNの活動について報告された功能聡子さんは、イギリス留学時代にLSE(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス:ロンドン経済政治大学院)で共に学んだ仲間です。その新しい形の「社会的責任投資(SRI)」活動は企業やメディアの注目を集めています。http://www.arunllc.com/

2009_059Imagescarfo6p0_2分科会Bのテーマは「フェアトレードの拡大と深化」です。コーディネーターは、元日本国際ボランティアセンター(JVS)ラオス事務所代表で、東京経済大学教授の渡辺龍也氏が担当されました。最初に「ヨーロッパのフェアトレードの発展の歴史と現状-WFTO(連帯型)とFLO(認証型)の特徴と課題-」についてルディ・ダルバイ氏(CTM Altromercato/元WFTO代表)。「生産者から見た南北連帯としてのフェアトレード:その意義と課題」についてチャンドラ・プラサッド・カッチパティ氏(ネパール生産者団体"Sana Hastakara"代表/WFTO-Asia代表)。「日本とアジアの民衆交易―生産者組合と消費者生協の連帯」について上田誠氏(㈱オルター・トレード・ジャパン〈ATJ〉社 専務取締役)。「商品開発と消費者啓発:連帯の強化に向けて」について小野倫子氏(ピープル・ツリー広報マネージャー)が発表されました。http://www.peopletree.co.jp/

Img6a9e5697zik6zj1991年に設立された「グローバル・ヴィレッジ」は、開発途上国の環境と貧困問題について情報提供と啓発活動を行い、フェアトレードを推進するNGOだといいます。1995年にフェアトレード事業部門を独立させフェアトレードカンパニー株式会社を設立。2000年にブランド名を「ピープル・ツリー」としました。現地の開発プログラムを支援しながら、環境を害さない持続可能な新しい国際貿易のあり方を提案しています。 http://www.globalvillage.or.jp/index.html

Atjlogo2 1986年に、フィリピン・ネグロス島の飢餓に対する援助団体として 「日本ネグロス・キャンペーン委員会(JCNC)」が発足しました。現地で生産されるマスコバド糖やバランゴンバナナ、エコシュリンプやオーガニックコーヒーなどの民衆交易のための会社として1989年にオルター・トレード・ジャパン(ATJ)が設立されました。らでぃっしゅぼーやも、創設当時からその活動を支援、参加してきました。
http://www.altertrade.co.jp/index-j.html

20th_logo_2このようなフェアトレード事業に取り組む社会的企業の成り立ちは、有機農業とオーガニック食品の流通事業に取り組む企業が、最初は農薬や化学肥料などによる環境問題を解決するための環境NPO/NGOとしてその活動をスタートしてきた歴史と共通するものを感じます。以下は、業界を代表するらでぃっしゅぼーやと大地を守る会のこれまでの活動を紹介したサイトです。
http://corporate.radishbo-ya.co.jp/20th.html
http://www.daichi.or.jp/anniversary/

FairtradeWorldfairtradeday09_2 【有機農業とフェアトレード】今回のフォーラムのなかでは、この分科会が、いまの自分の仕事にある意味で一番近いように感じました。オーガニック食品市場も、有機農業で作られた原料を使う有機食品と一般の慣行農業で作られた食品との違いを消費者に伝えるための検査・認証に基づく有機認証制度による「有機認証マーク」を持っています。 この有機認証制度は、現在では世界各国で法律で守られた制度になっていますが、1970年代に有機農業運動が始まった頃は、民間の自主認証としてスタートしました。フェアトレード市場には、民間の認証制度による①商品へのラベリングと②フェアトレードを実践している会社を認証するふたつの仕組みがあると理解しています。それぞれに利点と問題点があるのだろうと思いますが、いずれにしても消費者にわかり易いコミュニケーションというか、表示やマーク、ブランディングはより多くの消費者にその意味(開発途上国の生産者支援)をわかってもらって買ってもらうためには重要なことだと思いました(※フェアトレード・ラベル・ジャパンのサイト)。http://www.fairtrade-jp.org/

2009_038分科会Cのテーマは「いのち」のセーフティネットを地域で創る―福祉・介護・医療の現場から」。コーディネーターは北嶋信雅氏(日本生活協同組合連合会医療部会/アジア・太平洋地域保健協同組合協議会 事務局長)。「インドにおける貧困者への小規模保険(マイクロインシュアランス)」についてイラ・シャー氏(女性自営業者協会)。「高齢者大国・中国の選択とは?―福祉・医療の実態と課題」について沈潔氏(浦和大学総合福祉学部教員)。「韓国:地域通貨と医療サービス提供/貧困者へのケア」についてキム・ソンフン氏(韓国タンポポ医療生協)。「地域で行なう小規模な事業とセーフティネット」について香丸眞理子(特定非営利活動法人 アビリティクラブたすけあい前理事長)。「山形県での介護・医療の地域ネットワーク」について松本弘道氏(山形県庄内医療生協専務)。

2009_057分科会Dのテーマは「食と農の循環による地域の小さな経済づくり」です。コーディネーターは、大江正章氏(コモンズ代表/アジア太平洋資料センター理事)。「地域のチカラ―食と農を結び、人とまちを元気に」について報告。「タイ:農村を軸とした地域循環型まちづくり」についてバムルン・カヨター氏(タイ「貧民連合」相談役)。「韓国:持続的な農を可能にするための運動と政策」について権寧勤氏(クォン・ヨングン:韓国農漁村社会研究会所長)。「インドネシア:農村における小さな事業と女性の力」についてイラワティ・ヘルマントヨ氏(Bina Swadaya:Self Reliance Development Foundation)。「ラオス:持続可能な地域開発とフェアトレード」についてボウハイコーン・スペングスサ(ラオ・ファーマーズ・プロダクツ)氏が発表。コメンテーターは、農林水産副大臣になった元農水官僚で衆議院議員の篠原孝氏でした。

Logo_2 この分科会でのテーマ「食と農の循環による地域の小さな経済づくり」は、2010年2月に神戸で開催された、生産者と消費者の有機農業を通じた提携運動によるに関する国際会議「産消提携国際シンポジウム(地域がささえる食と農 神戸大会)」とつながりの深い内容でした。http://blog.goo.ne.jp/masayakoriyama/d/20100309

2009_032分科会Eのテーマは「国際連帯税―グローバル経済の規制と富の再分配」。コーディネーターは上村雄彦氏(横浜市立大学准教授)。「マネー資本主義をどう規制するか」について西川潤氏(早稲田大学名誉教授)。 「経済危機への対抗と国際金融改革」について高桂鉉氏(韓国・経済正義実践市民連合〈CCEJ〉政策室長) 「金融規制、富の再分配とグローバルガバナンス」について諸富徹氏(京都大学准教授)。 「国際連帯税実現に向けた世界、アジア、日本における取り組み」について上村雄彦氏が紹介されました(以下は上村雄彦さんも関わっている「国際連帯税を推進する市民の会(ACIST)」のサイトです)。http://www.acist.jp/

Fairtradeimg03_2【連帯経済とオーガニック市場】今回のテーマである「連帯経済」と自分の仕事とのつながりで言えば、有機農業はいまや世界中に広がってオーガニック市場はヨーロッパとアメリカを中心に約5兆円近いマーケットに成長しました。市場の発展は、アジアや南米、インドやアフリカなど開発途上国の有機農業に取り組む農家がこの市場にアクセスすることで売り先を見つけて農家たちの生活レベルを向上することにつながります。その点では、これも広い意味での連帯経済もしくはソーシャル・ビジネスと呼べるのではないかと思います。ただ、生産者が国際的なオーガニック市場に出荷するためには国際的な有機認証機関による検査・認証を受けなければなりません。それが、特に開発途上国の小規模農家にとって経済的な負担になって、この市場に参入できない生産者が増えてきているという問題も発生しています。

India_2この状況に対して、国際市場とローカルな市場の隙間を埋めるのが国内のオーガニック市場に向けて、消費者も参加する形で有機認証を行う仕組みを通じて有機農産物を地場マーケットに供給する「PGS(参加型認証制度)」の活性化です。このような地域に根差した有機農産物流通の仕組みは、現在インドや中南米、アフリカ諸国などで急速に広がっています。また、日本では1970年代から、地域でお互いに「顔のみえている」生産者と消費者が「提携」して有機農産物の生産と流通を支える仕組み(産消提携運動)を作ってきました。アメリカでは、この提携運動をヒントにした「地域が支える農業(CSA)」という仕組みやフォーマーズマーケットなどが広がって1700ものグループがあり、フランスでも1000に近づいているといいます。この「地域に根差した小さな経済づくり」に関しては以下の記事(地域がささえる食と農 神戸大会)をご参照下さい。
http://blog.goo.ne.jp/masayakoriyama/d/20100309

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【国際貿易と連帯経済】また、オーガニック食品の世界的な貿易については、地球温暖化などのことを考えると二酸化炭素の排出につながる長距離の貿易は、フードマイレージ的に考えると必ずしもいいことではないかもしれません。でも、すでに多くの食品は世界中で農薬や化学肥料、遺伝子組み換え作物(GMO)に依存した環境負荷の大きい栽培方法で作られた原料で作られて貿易されています。それを、生産段階で二酸化炭素の排出が少なく、農薬や化学肥料による環境汚染を大きく減らすことのできる有機農業で栽培されたオーガニック食品に置き換えていくことは、農業と食品産業における総合的な環境負荷を減らすという意味ではメリットがあるのではないかと考えています。もちろん、自国の有機農業とオーガニック食品市場を発展させることが先決ですが、開発途上国で生産された有機農産物やオーガニック食品を近隣の経済的先進国が購入することは、広い意味でのフェアトレードといえるのではないでしょうか?

6039468「連帯経済」の好例に、2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマンド・ユヌス氏のグラミン銀行によるマイクロクレジットの取り組みがあります。飢餓や貧困が大きな社会問題になっていたバングラディッシュで貧困層に対する低金利、無担保貸融資を行うことによって地域に根差した少規模な事業が育って、生活水準が向上することで貧困の削減に成功しているソーシャル・ビジネスです。http://59155480.at.webry.info/200901/article_2.html

今回、アジア連帯経済フォーラムに参加して、これからは各分科会で紹介されたような、人間や環境を大切にする連帯経済が開発途上国を中心にじわじわと世界中に広がっていく時代なのかもしれないと感じました。そして、自分が長年関わってきている有機農業やオーガニックビジネスの発展が「連帯経済」の発展につながっていることを確認できてとてもうれしく感じました。21世紀には、利益優先の人や環境を傷つける乱暴なビジネスではなく、社会的企業などによる人にも地球(環境)にも優しいオルタナティブな連帯経済が、もっともっと広がっていくといいなーと思いました。最後に、とても重要な国際会議の事務局を担ったアジア太平洋資料センター(PARC)の皆さん、お疲れ様でした。そしてありがとうございました!http://www.parc-jp.org/

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東アジア・オーガニック会議2009 in 韓国

2010-10-08 13:27:58 | IFOAM関連

2009_045昨年の話になってしまいましたが、2009年11月17日(火)~18日(水)の2日間にわたり、韓国で「東アジア・オーガニック会議2009」が開催されました。会議は「ソウル:COEX(国際展示場)」、「京幾道(キョンギドウ県)南楊州(ナンミャンジュ市):韓国映画委員会撮影所)」、「楊平郡(ヤンピョン郡):持続的農業教育センター」の3会場を使って開催されました。主催は「第17回IFOAMオーガニック世界会議(OWC2011)」組織委員会です。組織委員会には、京幾道や南楊州、農村開発機構(RDA)、韓国の主な有機農業関係団体で構成される「韓国持続的農業団体連盟(KSFA)」などが参加しています(写真は基調講演で話すIFOAM理事長のキャサリン・ディマティオ氏)。

2009_018_2東アジアオーガニック会議の目的は以下の通りです。①東アジア(北東アジアと南東アジア)の有機農業セクターの発展と形成とその方向性に影響を及ぼす可能性のある世界のオーガニックに関するメガトレンドを確認・評価すること。②東アジア地域における有機農業の進歩のために共通の目標を作り上げること。韓国において新しい有機農業セクターの発展を通じて国民の有機農業に対する興味を刺激し理解を増進すること。③会議に参加するIFOAMメンバーと有機農業に関連する政府機関との間に連帯のネットワークを構築すること(写真は会場のCOEXコンベンションセンター)。

2009_041会議のテーマは、「アジアと世界の有機農業およびオーガニック市場トレンド」「有機農業と地球温暖化」「有機種子と有機農畜産」「オーガニックコットン・コスメ・ワイン」などです。この会議に、僕も4人のIFOAM(国際有機農業運動連盟)世界理事と共に参加しました。日本からはIFOAMジャパン理事長の村山勝茂氏や兵庫有機農業研究会(元IFOAMアジア理事)の橋本慎司氏がなどが参加されました。会議は以下の団体が後援しました。京幾道※、南楊州、楊平郡、農林水産部、農林水産委員会(国会)、地域開発省、全国農業協同中央会、韓国有機農業協会。※京幾道Gyeongi-Do:ソウル特別市に隣接する県)。

2009_047会議の主な参加者は、北東アジアと南東アジア各国の有機農業関係者たち。小規模生産者を筆頭に各国の有機認証団体の関係者、政府関係者、大学教授、肥料メーカー、流通関係者などが参加しました。参加した国は、台湾・中国・日本・韓国・フィリピン・インドネシア・マレーシア・スリランカ・タイ・ベトナム・カンボジア・インド・ニュージーランド・オーストラリア・アメリカ・イタリアなどです。地元の韓国からは400人近い関係者が参加しました。

2009_133その中で海外からの講演者たち約30名が招聘されました。参加者たちは、「アジアと世界の有機農業およびオーガニック市場トレンド」をテーマに、有機種子、有機畜産、オーガニックコットン・コスメ・ワインなどについて2日間にわたって熱い議論を交わしました。会議終了後の3日目19日(木)には昨年マレーシアのサラワク州で開催された「オーガニック・アジア2008」のフォローアップ会議も開催されたため、その会議に参加したメンバーも多数参加しました。http://blog.goo.ne.jp/masayakoriyama/d/20081201

Korea2_3【有機農業が躍進する韓国】韓国では、この約10年間で有機農業が急速に発展し、オーガニック市場も成長しています。その原因のひとつに1999年に導入された「親環境農業法」による有機農業や環境保全型農業に対する「環境支払い制度」の成果があります。ヨーロッパの農業環境政策に近い、環境への貢献度が高いほど手厚い補助金が生産者に直接支払われる制度です。もうひとつの原因は、有機農産物やオーガニック食品の有機認証制度が2001年に導入されたことです。国が認定した有機認証団体が検査・認証を行い、オーガニック食品であることを示す国の認証マークができたことで、消費者の信頼が確保されました(参考資料:青山浩子氏「韓国の有機農業の現状-急成長遂げた韓国の親環境農業-」)。http://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/kaigai/0611/kaigai1.html

Korea5_2これは無農薬農産物であることを表す認証マークです。下の帯が緑色だと有機農産物のマークになります。韓国では、これらの制度の導入を通じて政策的に有機農業とオーガニック食品市場の発展を支援してきました。一方で市民社会(運動)による民間の有機農業運動や、オーガニック食品を積極的に購入しようという生協などによる消費者運動も盛んのようです。その結果、韓国は有機農産物と環境保全型農産物を含む「親環境農産物」市場(日本の特別栽培農産物を含む)を著しく発展させています。2006年の農産物全体に占める親環境農産物の割合は6.2%で、有機農産物の割合は、転換期間中もいれるとすでに全農地の約1%近くにまで増えているそうです(日本は2008年で0.18%)。その勢いを表すように、韓国は来年、県を挙げて誘致した世界最大の有機農業の祭典「IFOAMオーガニック世界会議(OWC)2011」をアジアで初めて開催します。以下は公式のHPです。
http://www.kowc2011.org/eng/01_owc/overview.asp

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17日(火)の東アジア・オーガニック会議の初日は、京幾道知事の金文洙(キム・ムンス)氏による歓迎の辞に続いて、国会の農林水産食品委員長であるリ・ナクヨン氏の祝辞で幕が開きました。挨拶では、この10年で韓国の有機農業とオーガニック市場が順調に発展し続けているということが紹介されました。それにしても、韓国は1998年に起きたアジア諸国の通貨危機の波に巻き込まれて、一時は「IMF(国際通貨基金)」による経済支援まで受けるほどの甚大なダメージを受けたはずなのにそんなことがまるでなかったかのような現在の有機農業とオーガニック市場の発展ぶりには驚かされます。

2009_044会議の基調講演は、IFOAM理事長のキャサリンによる世界の有機農業と「オーガニック食品のグローバル市場」の傾向について。それに続いて尚志大学総長で「親環境農業政策」を導入した当時の農林部長官の金成勳(キム・ソンフン)氏による「韓国の有機農業と生活の哲学」についての講演がありました。その後、2011年のIFOAM世界会議に向けた「中国・韓国・日本」の協力体制についての調印式なども行われました(写真右から3人目がIFOAMジャパン村山勝茂理事長)。午後の分科会では、「有機農業と地球温暖化」や「有機種子と有機畜産」についての講演に基づいて活発な議論がされました。「有機農業と地球温暖化」については、IFOAM副理事長のアンドレ・ロイ氏が発表しました。

2009_06218日(水)には、IFOAMの理事たちはふた手に分かれてテーマ別分科会に参加しました。会場は、南楊州(ナンミャンジュ市)にある「韓国映画委員会撮影所」と楊平(ヤンピョン)郡にある「持続的農業教育センター」です。映画撮影所では、オーガニックコスメ&コットンに関する会議が開催されて、世界とアジアの最新トレンドが紹介されました。テーマは「オーガニックコットン市場のグローバルな傾向と展望」と題して、Organic・Exchangeの関係者が講演しました。他にもオーガニックコットンに関する生産基準や法規制に関する講演などもありました(写真は歓迎の辞を述べる南楊州市長の李錫雨氏)。

2009_124世界中で大きく成長しているオーガニックコスメに関しては、「オーガニックコスメ市場のグローバルな傾向と展望」や「ナチュラル&オーガニックコスメの重要性」に関して、イタリアの有機認証団体「イチア(ICEA)」の担当者や「エコサートチャイナ」の副社長などが講演しました。楊平郡(ヤンピョン)で開催されたワイン会議では、「オーガニックワイン市場のグローバルな傾向と規制」について豪州の有機認証団体である「ナサ(NASSA)」の理事長が講演しました。その他にも、最近は日本でもで人気の有機「マッコリ」に関する講演や、オーガニックの日本酒についての講演(JONA)などもありました。

2009_117【1993年の日韓有機農家・大交流会】それにしても、今回の国際会議に参加して、民間の有機農業セクターだけでなく、韓国政府や自治体の有機農業やオーガニック市場を支援しようという積極的な姿勢を感じてとても羨ましくなりました。というのも、僕が初めて韓国を訪れたのは1993年でした。日本で有機農業や環境保全型農業に取り組む約300人の生産者たちと、韓国の有機農業関係者との一大交流イベントに参加するために行きました。

Korea6_3これは当時、大地を守る会やらでぃっしゅぼーや、生活クラブ生協など日本の有機農業セクターが共同で取り組んだ、環境に優しい第一次産業をアピールするキャンペーン「DEVANDA(デバンダ)」運動の一環でした。ちなみに「DEVANDA」とは「環境を大切にし、いきいきとした農林水産業を実現するために行動するネットワーク(Do it Eco‐Vital Action Network for Dynamic Agri-native)」のことです。その頃は、日本の有機農業運動の方が韓国の有機農業運動よりもだいぶ進んでいたはずでした。ところが17年後の現在、状況はすっかり逆転してしまっているようです。今度は日本が韓国から学ぶ番なのかもしれません(参考資料:蔦谷栄一氏「わが国有機農業推進法展開の課題‐韓国の親環境農業取組実態を参考に‐」)。http://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n0710re4.pdf

2009_080【国際会議の前後も大事なミーティングが目白押し?】2009_020その後に有機農業の推進に熱心な京幾道の金文洙(キム・ムンス)県知事との会談。金知事は2008年のIFOAM総会にも参加して、2011年のIFOAMオーガニック世界会議の誘致に、2005年の豪州大会でイタリアに負けて以来、3年越しの挑戦で成功しました。3年毎に開催されるIFOAM世界大会は、その開催地を巡ってまるでオリンピックを誘致するような国際的な競争が繰り広げられます。2008年のIFOAM総会では、台湾・フィリピン・韓国が大会の招致に名乗りをあげて熱いプレゼン合戦を繰り広げましたが、最終的に100人近い代表団を送り込んで挑んだ韓国がIFOAM会員メンバーからの投票で開催地として選ばれました。
http://blog.goo.ne.jp/masayakoriyama/d/20080811

知事公邸では、韓国と世界の有機農業に関する情報交換の後に、担当者から今回の訪韓で大きなテーマになっている「4大河川改修事業」に関する説明を受けました。IFOAMとしては、河川の環境改善が目的でもある改修事業にとっては水質を汚染する可能性の低い有機農業は逆に貢献できるのではないかという意見を伝えました。そして、そのことを証明する科学的なデータを集めて環境大臣に送りたいと提案しました。その後、知事公邸で伝統的な韓国料理をいただきながら引き続きのパワーランチをこなしました

2009_022この後は5人の理事がふた手に分かれました。ひとチームは、日本の「JICA(日本国際協力機構)」に当たる韓国の開発援助機関「KOICA」を訪問。韓国政府によるミャンマーの有機農業支援プロジェクト等に関して意見交換しました。もうひとチームは、日本で言えば全中と全農を合わせた韓国の農協を代表する「全国農業協同中央会(NACF)」を訪問(写真)しました。僕はIFOAM理事長のキャサリンとジャクリンの女性理事ふたりと共に農協中央会へ。ところがソウルの中心地の道路は予想に反してすごい渋滞。30分以上遅れて着いた農協中央会では、崔会長やKFSAの会長ジョウ氏ら韓国農業界の大物と会談しました。それにしても驚いたのは、農協のトップが「有機農業(環境保全型農業)なしには韓国の農業の未来はない。」と言っていたことです。僕らに対する多少のリップサービスが含まれるとしても、来年には政府が化学肥料への補助金を打ち切る予定であることなど驚くような話をしてくれました。「親環境農業」という日本で言えば「特別栽培(農薬・化学肥料の使用を慣行の50%に減らした農業)」が全体の10%に近づいているという韓国の農業は、もうそんなところまで来ているのかと少し驚きました。

2009_063【アジアの仲間たちと再会!】16日(月)は、八堂地域の有機農家の皆さんとの朝食ミーティングから知事公邸でのパワーランチ、農協中央会への表敬訪問など忙しい日程を終えて、へとへとに疲れてホテルに戻ったら、日本からの参加者も含めて、昨年の11月にマレーシアで開催された「オーガニック・アジア2008」にも来ていたアジアの有機農業の仲間たちが、翌日からの会議のために続々と到着していました。部屋に荷物を置いて落ち着いた彼らは、ホテルの一室を使った会議用の事務所に集ってきます。見慣れた懐かしい顔があちこちに!みんなで久しぶりの再会を喜び合いました(写真は事務所でメールやスカイプで母国の家族や仲間に連絡を取る参加者たち)。http://blog.goo.ne.jp/masayakoriyama/d/20081201

2009_132みんなが揃ったところで、零下1度まで下がった冷え込みの厳しいソウルの夜の街へ繰り出しました。南楊州(ナンミャンジュ市)の職員で、参加者をまとめるコーディネーターを務めてくれたブライアンのお勧めで、お待ちかねのプルコギ(焼肉)レストランへ直行!地元産の焼酎やマッコリを飲みながらみんなで冗談を言い合いながらの気楽な食事です。偉い人たちとの畏まった食事よりも、こっちの方が断然楽しいし、美味しい!うれしさに寒さも手伝って、思わずマッコリや焼酎の杯が進んでしまったソウル初日の夜でした。

2009_049_2【環境直接支払いを導入した元農林部長官】17日(火)は、メインの会議が始まる前に、尚志大学学長の金成勳(キム・ソンフン)総長と会談する機会に恵まれました。金氏は1999年に「親環境農業政策」による環境直接支払い制度を既得権益の抵抗をおして導入した当時の農林部長官(1998年3月~2000年9月)です。この政策の影響で、韓国の有機農業と環境保全型農業はこの11年間で急速に発展したと言われています。どういう経緯でこの政策が導入されたのかと聞くと、当時は韓国でもアトピーの赤ちゃんや子どもが増えていたといいます。そのこともあり、当時の金大中(キム・デジュン)大統領に「国民に食べさせる安全な食べ物がないじゃないか!」と言われたことから、有機野菜やオーガニック食品の生産につながる有機農業に対して厚い補助金を支給とすることで(慣行農業からリスクとコストの高い有機農業への転換を促す)「親環境農業政策」を導入したと教えてくれました。現在、この政策による環境直接支払い制度は3年間ですが、転換には時間がかかるから支払い期間を延長するべきだとも話されていました。

2009_120そして、金氏は生産者を支援するだけでなく消費者が有機野菜やオーガニック食品などを買い易いように、全国にある農協の店約350店舗に「親環境農産物コーナー」を設置するなど販路整備のための農産物流通改革も行いました。また、消費者に対して有機農業やオーガニック食品のよさをプロモート(普及啓発)する取り組みも実施したといいます。個人的にはこれがとても重要な政策ではないかと思いました。消費者による有機野菜やオーガニック食品への健全な需要が増えなければ有機農業は決して広がらないからです。

Korea1また、2001年に導入された有機認証制度によるオーガニックの表示については、現在は「有機農産物」「無農薬農産物」「低農薬農産物(農薬・化学肥料50%減)」の3段階表示だけれど、来年で低農薬農産物に関する補助金を打ち切って、「有機農産物」と「無農薬農産物」の2段階表示にする予定であることを教えてくれました。とても穏やかな話し方をされる金総長ですが、金大中政権の初代農水大臣として、慣行農法を優先する傾向のあった官僚機構を有機農家や市民に対して「開かれた農政」を具現化して、韓国の有機農業(環境保全型農業)の発展に深く寄与されてきた気骨のある有機農業界の重鎮です。その金さんに直接会って話しを聞くことができて、すごく勇気をもらいました(参考資料:足立恭一郎氏「親環境農業路線に向かう韓国農政-農林部長官・大統領府主席インタビューから-」。http://rms1.agsearch.agropedia.affrc.go.jp/contents/JASI/pdf/JASI/65-1267.pdf

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国際会議の終った18日(水)の夕方には、南楊州(ナンミャンジュ市)「八堂(パルダン)地域」有機農家の皆さんの畑を訪問しました。そこで農家の皆さんと一緒にリンゴの記念植樹をしました。この地域で使われているのが、水温式のビニールハウスです。初めて見ましたが、冬には零下にまで気温が下がる韓国では、二重のビニールハウスを温水が流れることで室内の温度を一定に保つと言う省エネ型でエコな技術を活用しているということでした。この近くには、ここ八堂地域で生産された有機野菜や加工食品を販売する消費者による生協のお店もあるということでしたが、残念ながら今回は行く時間がありませんでした。八堂地域の有機農家の皆さんには、IFOAMとして有機農業が水質を汚染する可能性が極めて低いことを証明するデータを世界中から集めて環境大臣に送ることを約束しました。

2009_066国際会議が終った翌日、19日(木)の午前中は、朝9時から2011年に開催される「IFOAMオーガニック世界会議(OWC2011)」に向けた各国による協力体制について協議する会議が開催されました。2008年にマレーシアで開催された「オーガニック・アジア」の会議にも参加した各国(台湾・中国・日本・韓国・フィリピン・インドネシア・マレーシア・スリランカ・タイ・ベトナム・カンボジア・インド・ニュージーランド・オーストラリア・アメリカ)のリーダーたちが、自分たちがオーガニック世界会議に期待することと、どんな形で貢献できるかを発表しました。それぞれの国の状況と特徴を活かして「自分たちにはこれができる!」と積極的に提案、宣言していたのが印象的でした。

2009_068この会議に参加して、3年に一度開催されるIFOAMのオーガニック世界会議や総会は、本当に会員であるメンバーの積極的な参加で作り上げられていくことを感じて、少しグっときました。その翌日は広いアジア太平洋地域から韓国に集ったみんながそれぞれの国に帰国する日です。最後にまたの再会を誓い合ってホテルの前で記念写真を撮りました。そして参加者たちは、東アジアの有機農業を一段と発展させるために、それぞれの持ち場に戻りました。2011年に韓国でまた会うことを約束して…。それにしても、自分が世界理事に選んでもらった2008年の総会で決まったオーガニック世界会議の開催国が、馴染みの深い隣国の韓国であることにご縁を感じます。せっかくアジアで初めて開催されるオーガニック世界会議を、日本をはじめとしたアジア全域に有機農業とオーガニック市場発展のためのいい契機に使ってもらえるよう、僕も微力を尽くしたいと強く思った韓国訪問でした(「IFOAMオーガニック世界会議2008」報告記事へ)。
http://blog.goo.ne.jp/masayakoriyama/d/20080809


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