ことばと学びと学校図書館etc.をめぐる足立正治の気まぐれなブログ

社会を正気に保つ学びとは? powered by masaharu's own brand of life style!

残念! ごく私的なご報告とお断り

2005年01月04日 | 学校図書館見聞録:アメリカ・カナダ編
 シアトルでの二日間、その日のうちに現地から視察旅行の報告してきましたが、残念ながら、それが続けられなくなりました。いよいよこれからエドモントンに向かうという矢先に、足立が緊急に帰国しなければならないという事態が発生しました。(理由を書かないとかえって心配をかけることになりますので、私事で恐縮ですが、義理の母が急になったという知らせを受け、このまま旅を続けるわけには行かなくなりました。まだ90歳前で、病気でもなく、よく外出もし、食欲もあったのですが、昨年の末頃から体力がずいぶん弱っていたようでした。寿命を全うしたといっていいと思います。)
 いまこの記事はバンクーバー空港近くのホテルで書いています。これから訪問する予定だった学校の何人かの司書教諭と連絡を取っていましたが、その方たちにも事情を説明するメールを送り終えました。帰りの便の手配もでき、5日夜には伊丹空港に着きます。
 現地からの報告はこれで終了させていただきますが、学校図書館メーリングリスト(sl-shock)のメンバーが庭井さんのほかにも何人か参加しておられますので、帰国後に簡単な報告と写真をsl-shockのブリーフケースやフォトアルバムにアップロードしていただけるのではないかと期待しています。
 最後になりましたが、このたびの視察旅行に参加するにあたって、準備の段階からさまざまな助言や支援をしてくださった皆さんに心からお礼を申しあげます。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第2日:Shoreline District Resource Center

2005年01月04日 | 学校図書館見聞録:アメリカ・カナダ編
(この記事が参考になると思われた方は人気blogランキングにアクセスしてください。)

 地区のリソースセンターには、教育雑誌や教育理論、学習指導法など教師用の資料がたくさん用意されていました。また、このセンターでは、各学校のネットワーク・サーバの管理とフィルタリング、各学校に対する視聴覚教材や、実物教材、理科の用品セットなどの貸出や、教員対象のコンピュータ研修などを行っているそうです。しかし、生徒用図書を各学校に貸出すことはしておられないとのことでした。Genevaさんの仕事は、地区の学校図書館の整備や司書教諭にたいする助言、指導のほか、ワシントン大学の司書課程で目録法の授業を担当されたり、司書教諭の採用にもかかわられるそうです。(最終的に決定するのは校長先生だそうです。)
 課題の設定から、情報を集めてまとめるまでのプロセスを子どもたちに分かりやすく6つのステップに分けて指導するBig6という方法の創始者の1人であるMike Eisenburgは、ワシントン大学の先生で、このShorline地区にお住まいであるとか。そのせいか、このセンターや、先に見せていただいたメリディアン・パーク小学校でも、Big6やInformation Powerのポスターなどが目に付きました。(写真)

(この記事が参考になると思われた方は人気blogランキングにアクセスしてください。)
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第2日目 "Meridian Park Elementary School"

2005年01月04日 | 学校図書館見聞録:アメリカ・カナダ編

(この記事が参考になると思われた方は人気blogランキングにアクセスしてください。)

朝一番に訪問したメリディアン・パーク小学校では、ショアライン地区の資料センターでその地域のすべての学校図書館を管轄しておられる(District Librarianという)Geneva Nortonさんが迎えに出てくださいました。図書館ではウェブサイトに写真が出ていたMatt Reimanさんに代わって、司書教諭一年目のJennyさんと、貸し出し返却、コンピュータや視聴覚機器の準備と貸出などを担当しておられるMike Adamsさんのお二人が待っていてくださいました。
GenevaさんとJennyさんからいろいろお話をうかがったあと、アメリカ史の授業で、担任の先生が連れてこられた5年生の子どもたちに対して、Jennyさん授業をされるところを見せていただきました。
まず導入部分では、子どもたちに問いかけながら、その日に勉強するテーマ(教科の内容)を子どもたちにはっきりと認識させたうえで、それを調べるにはいろいろな方法があるけれど、インターネットだとこんなリソースがあるよ。そのひとつアメリカ議会図書館のウェブサイトにはこんな子ども向きのページがあって、こんな資料が載っている、といったことをインターネットの画面をプロジェクターで写しながら説明されました。そのあと、あらかじめ用意しておいたプリントを配布して、これから、このウェブサイトを使って行う作業をくわしく説明されました。まず、インターネットでその資料にたどり着くまでの手順をもう一度おさらいし、つぎに、その資料を読んでプリントの質問に答えていく手順を説明します。それは、プリントに書かれたいくつかの文を読んで、資料の内容に合っているかいないかを判定し、判断の根拠となった理由もあわせて書くというものでした。まず、プリントに書いてあるすべての文をみんなで読んで難しそうな語句の意味と答え方を確認し、そのあとでウェブサイトの文章を読みながら、どう答えるかを一緒に考えていきます。次回の授業で子どもたちがコンピュータを使って自分の力で作業を続けていくためのオリエンテーションのようでした。こうして、Jennyさんは、アメリカの歴史を教える授業のなかで、資料を正確に読み取って必要な情報を的確に見つけ出す指導を行っておられたのですが、一つ一つのステップを子どもたちに確認を取りながら丁寧に教えておられたことが、とても印象に残りました。Jennyさんは、司書教諭としては新任ですが、教師としては18年の経験がおありだそうです。
授業の後で、このクラス担当の先生や、休み時間に資料を探しに来られた何人かの先生にインタビューをしてみました。どの先生もよく図書館に子どもたちをつれてくるとおっしゃっていました。そのために、できるだけ授業の計画段階からJennyさんと打ち合わせるようにしているが、Jennyさんの時間が取れなくてオーバータイムになることもあるそうです。たまたま図書館に来られていた先生方だけでしたが、みなさん、Jennyさんの働きに満足されているようでした。
この部屋が「学習資料センター」と表示されている意味が納得できたように思います。(写真)

(この記事が参考になると思われた方は人気blogランキングにアクセスしてください。)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第1日目:Seattle Public Library シアトル公共図書館見学

2005年01月03日 | 学校図書館見聞録:アメリカ・カナダ編
(この記事が参考になると思われた方は人気blogランキングにアクセスしてください。)

成田-バンクーバー-シアトル、足立はその前に伊丹-伊丹-成田と、今日は移動の一日でした。見学先は一ヶ所、新築間もないシアトル中央図書館。都心にある大きくてモダンな建物の中には、ホールやインターネットの設備、スターバックスのカフェスタンドなどもあって、市民のくつろぎの場となっているようです。このような施設に巨額の税金を使うことを有権者による投票によって決める、というやりかたも市民のものだという意識を高めるのに役立っているのですね。今日のレポートは同行の庭井さんにしていただきました。

成田から空路バンクーバーへ、アメリカの厳し~い入国検査を抜けてシアトルへ。現地時間15時半に無事到着しました。そのまま休憩なしでバスに乗り込み、空港から20分ほどの距離にあるSeattle Public Libraryを訪問。街の中心にそびえる、ガラス張りのモダンなビルで、2004年5月に新しく開館したばかりだそうです。
司書のHoward Fox氏と通訳のE女史に案内されて中へ入ると、checkoutのためのカウンターがあり、返却された本を運搬するコンベヤーが静かに動いていました。床には、この図書館利用者の国際性を象徴するかのように、12カ国の言葉である小説の冒頭部分が彫られた木のタイルがはめ込まれていて(日本語もありました「ひとりの女がふたりの男を愛することは…」とか書いてたった記憶が。何の小説でしょう?)
スペースが全体的にゆったりしていて、90万冊の本、コンピュータスペース、AV資料、新聞、雑誌など、およそ思いつくあらゆる情報源が用意されています。新聞や雑誌のコーナーは10階までの(!)吹き抜けで、Living Roomと名づけられているところに、この図書館のメッセージが感じられました。館内には、カフェバーやライブラリーショップ(ミュージアムショップ)もあります。オリジナルの図書館グッズを、時間がなくて買えなかったことが残念。
この写真はKid's Roomです。カラフルな本の表紙を最大限に活かした配架、低いデスクにあるコンピュータ、つみきやクッションが並べられたリラックススペースなどなど、うらやましい限りです。楽しいだけではなく、もう「Newsのコーナー」には地震、東南アジア、インド関係の書架がずらっと紹介されていました。また、Read Books! and See the Movie!として、本とビデオをセットにして並べるなどの工夫も見られます。しかしこのKid's Room、閉館間際だったためか、子どもより大人のほうが楽しそうに本を開いていました。
この図書館(と27の分館)を建てるために、150億円の予算が計上されたそうですが、税金だけではなく企業からの寄付が大きな力となっています。初代のSeattle Public Libraryは(この新しい図書館は3代目)、カーネギー財団が建てたものだそうですから、その流れでしょうか。館内のあちこちのコーナーに「Microsoft Auditorium」「Starbucks Corner(for Young Adult)」「Boeing IT Room」など、案内のLibrarianが茶目っ気たっぷりに、「ここは誰が作ったかワカリマスネ?」と言う施設がたくさんありました。
今日は日曜日なので17時閉館。クローズの放送とともに、職員までもがすっかり姿を消した静かな図書館で30分も残業して案内してくださったLibrarianに感謝。まずはそのスケールの大きさに圧倒されたひとつめの図書館訪問を終えました。夕飯は、Seatle名物のクラムチャウダーを食べてお疲れ様でした。(庭井)

明日は8時に出発して、シアトル市内の小学校と地域のリソースセンターを訪問し、厳寒のエドモントンに向かいます。エドモントンには、現地時間の夜10時ごろに到着予定なので、その日のうちに報告がかけるか、できるだけがんばってみます。

(この記事が参考になると思われた方は人気blogランキングにアクセスしてください。)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SHOW & TELL

2005年01月02日 | 学校図書館見聞録:アメリカ・カナダ編
(この記事が参考になると思われた方は人気blogランキングにアクセスしてください。)

アメリカの小学校では、授業が始まる前によくSHOW & TELLが行われています。自分が大切にしている物や作品などを見せながらスピーチをして、発表後はクラスメートと質疑応答を行うというもので、プレゼンテーションやディベートにつながる初歩的な訓練とされています。最近は日本の英語教育でも、オーラルコミュニケーションの授業などでこの方法を取り入れています。
説得力を持って相手に何かを伝えるために、何を示して、どう語るか、SHOW & TELLに学ぶことは大きいでしょう。

今日これからアメリカ・カナダの学校図書館に視察旅行に出発します。何を見て、どう伝えるか。できるだけ、有益な資料や写真を持ち帰って、説得力のある報告をしたいと思います。
まずは、現地からこのブログにアップロードを試みてみようと思います。
試しに本校図書館での授業風景をアップロードしましたが、こんなふうに、うまくいくかどうか。初めてのローミングに成功することを祈るばかりです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

トメキチ・ホンマ小学校

2004年12月31日 | 学校図書館見聞録:アメリカ・カナダ編
(この記事が参考になると思われた方は人気blogランキングにアクセスしてください。)

全国SLAが用意した公式訪問校とは別に、RichmondにあるTomekichi Homma Elementary Schoolのteacher librarianから、うちの学校も訪問しないか、というお誘いをいただきました。バンクーバーでの最終訪問の後に少し時間がありそうなので、希望者を募って訪れたいと思っています。

Tomekichi Homma Elementary School

日系移民の選挙権獲得に尽力した漁業移民本間留吉の名を冠した公立小学校です。
本間留吉については、同校のウェブサイトを引用させていただきます。

Tomekichi Homma — 1865 - 1945
Tomekichi Homma was born into an ancient Samurai family in Onigoye mura, Chiba ken, Japan on June 6, 1865. He came to Canada at the age of 18 in 1883. He settled in Steveston and was instrumental in forming the Fisherman’s Association, Gyosha Dantai, in 1887. He helped create the first Japanese Language school and started the first Japanese daily newspaper in Vancouver, the Canada Shimpo, 1897.

In 1899 - 1901 he fought for the Japanese franchise in the district court and the Supreme Court of Canada. However, when it was taken to the Privy Council in England, he lost. Yet, 47 years later in 1949, Tomekichi’s son, Seiji, was witness to the BC Legislature introducing legislation giving Japanese Canadians the right to vote.

He lived in West Vancouver in his later years and was evacuated during the war years. He passed away in Slocan at the age of 80, October 28, 1945.

参考図書
小山茂春著『日系カナダ移民の父 本間留吉の生涯』(おかだプリント、1995)

(この記事が参考になると思われた方は人気blogランキングにアクセスしてください。)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

学校図書館見聞録:アメリカ・カナダ編

2004年12月28日 | 学校図書館見聞録:アメリカ・カナダ編


2005年1月2日から9日まで、全国学校図書館の視察旅行に参加してSEATTLE、EDMONTON、VANCOUVERの学校図書館や公共図書館、その他の関係機関を訪問します。すでに訪問先や周辺の学校図書館関係者と連絡を取り合ったり、ウェブサイトで各学校の特徴や取り組みを調べたりしていますが、今回の訪問では、優れた教育実践を展開しているteacher librarianや、教師や行政担当者たちと出会って、今後の情報交換など交流の糸口を見つけてこようと思っています。

以下は訪問の日程と訪問先のウェブサイトです。

January 2, 2005 (Seattle)
Seattle Central Library (16:30~)

January 3, 2005 (Seattle)
Meridian Park School (8:30~10:30) 
Shoreline School District (11:00~12:00)

January 4, 2005 (Edmonton)
Alberta Learning (10:00~) 
Harry Ainlay High School (14:00~) 
University of Alberta (16:00~) 

January 5, 2005 (Edmonton)
Archbishop O’Leary High School (9:30~) 
St. Cecilia Junior High School (13:30~) 
Ms Fern Reirson, president of GERLRC (Greater Edmonton Regional Learning Resource Council) (18:00~)

January 6, 2005 (Edmonton)
Windsor Park School (9:30~)
Good Shepherd Elementary School (11:00~)
Jackson Heights Elementary School (14:30~) 

January 7, 2005 (Vancouver)
Vancouver School Board Administration (8:00~9:00) 
Windermere Secondary School (9:45~11:00)
Sir Charles Tupper Secondary School (11:30~13:25) 
David Livingstone Elementary School (13:40~14:30) 
OPT Tomekichi Homma Elementary School (15:00~17:00)

January 8, 2005 (Vancouver)
Vancouver Public Library (10:00~11:00)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

HERE COMES EVERYBODY (HCE From Finnegans Wake by James Joyce)

いま、ここに生きているあなたと私は、これまでに生きたすべての人、いま生きているすべての人、これまでに起きたすべての事象、いま起きているすべての事象とつながっていることを忘れずにいたいと思います。そんな私が気まぐれに書き綴ったメッセージをお読みくださって、何かを感じたり、考えたり、行動してみようと思われたら、コメントを書いてくださるか、個人的にメッセージを送ってくだされば嬉しいです。

正気に生きる知恵

すべてがつながり、複雑に絡み合った世界(環境)にあって、できるだけ混乱を避け、問題状況を適切に打開し、思考の袋小路に迷い込まずに正気で生きていくためには、問題の背景や文脈に目を向け、新たな情報を取り入れながら、結果が及ぼす影響にも想像力を働かせて、考え、行動することが大切です。そのために私は、世界(環境)を認識し、価値判断をし、世界(環境)に働きかけるための拠り所(媒介)としている言葉や記号、感じたり考えたりしていることを「現地の位置関係を表す地図」にたとえて、次の3つの基本を忘れないように心がけています。 ・地図は現地ではない。 (言葉や記号やモデルはそれが表わそうとしている、そのものではない。私が感じたり考えたりしているのは世界そのものではない。私が見ている世界は私の心の内にあるものの反映ではないか。) ・地図は現地のすべてを表すわけではない。 (地図や記号やモデルでは表わされていないものがある。私が感じたり考えたりしていることから漏れ落ちているものがある。) ・地図の地図を作ることができる。 (言葉や記号やモデルについて、私が感じたり考えたりしていることについて考えたり語ったりできる。)