goo blog サービス終了のお知らせ 

トレーナー的日記。

できる事が増えるより楽しめる事が増えるのがいい人生。。。モタさん

Etc 健康スポーツ医学講習会

2022-01-01 | 日記
前期からの引き続き後期1回目・・・

日本メディカルトレーニングセンター稲次先生による「運動と内科的障害」
スポーツ中の突然死やメディカルチェックとAEDの重要性。熱中症への対策5か条から、運動誘発性喘息のコントロールについて。女性に多い貧血においても、その改善により最大酸素摂取量は確実に増えるとの事で早期の対応が大切と。
群馬大学の高岸先生による「スポーツによる外傷と障害 上肢」
スポーツ医科学試験でお勉強した内容が多く、脱臼の難しさを再確認。ボクサー骨折やベネット骨折にも触れてくれていて、鋼線固定などの写真を見る事が出来た。
京都鞍馬口医療センターの原先生による「スポーツによる外傷と障害 下肢」
脚関節や膝関節の外傷など。現役時代に膝関節に受傷を繰り返し、変形が進行した事で老人並の変形性膝関節になった事例は考えさせられた。応急処置のRICEにて、冷却時や圧迫の加減の難しさも再確認。
国際医療福祉大学の南先生による「スポーツによる外傷と障害 脊椎・体幹」
頸部・腰部の外傷・障害において、水泳・ラグビー・ボクシング・陸上・野球・体操・柔道などの報告が多いと。腰椎・頸椎ともにヘルニア経験の当方的に、加齢に伴う髄核の損傷が視覚的に見れてショック。そして現場での対応法がとても参考になった。
東京慈恵医大の谷先生による「スポーツによる外傷と障害 頭部」
谷先生と言えば、かつてピューマ渡久地選手の脳梗塞について所見を述べたドキュメンタリーを見た記憶。最悪の合併症である急性硬膜下血腫は格闘技に携わる以上マスト知識。そして脳震盪に関して発表されている論文数の推移から、世界的にスポーツにおける脳震盪の問題が注目されている事を知っておくべきと。東京五輪でスクープストレッチャーが使い物にならなかった裏話しも面白かった。
ライフスタイル医科学研究所の庄野先生による「運動負荷試験と運動処方の基本」
運動負荷試験の目的と方法、評価から運動処方まで。スポーツの禁忌と同様に運動負荷試験の禁忌にも要注意。


Box 2021全日本ボクシング選手権

2021-12-26 | 日記
無事に録画観戦。解説に八重樫選手&岡澤選手という豪華っぷり・・・待った甲斐があった。

女子フライ級決勝戦「並木月海(自体大) vs 木下鈴花(日体大)」
東京五輪銅メダルの並木選手と次期五輪候補の木下選手の対戦。リングを広く使う並木選手とそれを追う木下選手。パンチの多彩さやポジション取りで1枚上をいく感じの並木選手が完勝。意外にも並木選手は全日本初優勝との事。
女子フェザー級決勝戦「入江聖奈(日体大) vs 松持亜実(日体大)」
東京五輪金メダルの入江選手と普段はライト級で戦う松持選手の同門対決。開始から解説の八重樫氏も唸るスピードを見せつける入江選手。決して松持選手が遅い訳では無いのだが入江選手が速過ぎて1RにてRSCフィニッシュ・・・やはり国内に敵無し。
女子Lフライ級決勝戦「奈須海咲(拓殖大) vs 加藤光(東洋大)」
下がりながら的確にパンチをヒットさせ続けて加藤選手が初優勝。那須選手はもう一工夫が欲しかった感じ。
女子バンタム級決勝戦「成田華(日体大) vs 木村萌那(日本大)」
体格で勝る木村選手だが、いかんせんスピードが出ない。完全に実力で勝る成田選手が初優勝。
女子ライト級決勝戦「田中鈴華(芦屋大) vs 田口綾華(自体大)」
両社一歩も引かない打ち合いでジャッジを泣かせつつ、田中選手が初優勝。
女子Lウェルター級決勝戦「濱口聖羅(拓殖大) vs 鬼頭茉衣(中京大)」
こちらも激しい打ち合いを無尽蔵のスタミナで制した鬼頭選手が3度目の優勝。

Lフライ級決勝戦「小川翼(東農大) vs 松本流星(三重スポーツ)」
2Rまでジャッジ3人がドロー判定だった接戦を制したのは初優勝の松本選手。
フライ級決勝戦「牧野草子(自体大) vs 小田切駿平(芦屋大)」
実力で上回る牧野選手が完勝にて初優勝。
バンタム級決勝戦「原田周大(専修大) vs 矢野利哉(駒澤大)」
こちらも大接戦だったが、ジャブが当たる原田選手が制して初優勝。
ライト級決勝戦「西山潮音(駒澤大) vs 大畑俊平(東洋大)」
お互いに伸びるストレートを打ち合って、西山選手が見事2連覇。
Lウェルター級「北本隼輔(駒澤大) vs 冨田真広(自体大)」
前に出る冨田選手に対し、北本選手が見事なカウンターボクシングを展開して初優勝。
ウェルター級決勝戦「秋山祐汰(自体大) vs 諏訪竜介(中央大)」
少し実力差が出てしまい、計3度のダウンを取って秋山選手がRSCにてフィニッシュ。
ミドル級決勝戦「森脇唯人(自体大) vs 近藤陸(自体大)」
全日本3連覇中の森脇選手と高校3冠の近藤選手の同門対決。解説の八重樫氏も「あんなに大きいのに速い・・・」と思わず笑ってしまうほどのレベル。スピードこそ拮抗させる近藤選手だがヒット率は完全に森脇選手・・・大きく差が出たのはディフェンス力だったかなと。森脇選手は見事全日本4連覇。
ライトヘビー級決勝戦「天井澤一志(拓殖大) vs 若谷豪(駒澤大)」
差重量級を制したのは若谷選手・・・とても上手く参考にしたいなと。

当方的思考アマチュアボクシング最強論。アマ格闘技は殆どが1~2Rのダッシュ競技・・・3R制のアマボクの戦い方はほぼ全てのアマ立技を制する事が出来ると考えてる。毎回思う事なのだが、やはり間違いないなと。


Box 木村翔選手エキシビジョン問題

2021-12-20 | 日記
中々の衝撃動画。
https://www.youtube.com/watch?v=cKtF5Kl15Kc

エキシビジョンマッチ「木村翔(日本・花形) vs 玄武(中国)」
これでも本当にボクシングルールという事らしく、しかも元々Lフライの木村選手に対してクルーザー級の体格を持つ中国版Youtuberの玄武選手が相手。中国でゾウシミン選手を倒して世界王者になった木村選手・・・なぜこのようなエキシビジョンを戦わねばならなかったのかという謎。
内容的に玄武選手はボクシングにおいては完全に素人。足掛けに突き飛ばしからのシメはまさかのパワースラム。そしてなぜかエキシビジョンなのに玄武選手の手を上げてKO勝利をコールするレフェリーと何でも有り。事故が起こらなくて本当に良かったが、陣営は訴訟なりの対応が必要だろうと。


Box フィリピーノフラッシュ & モンスター 

2021-12-19 | 日記
無事に録画観戦

日本Sバンタム級8回戦「武居由樹(大橋) vs 今村和宥(本多)」
まさかエキサイトマッチで武居選手の試合が見れる日がくるとは・・・実況陣が何度もK-1という名前を出してくれるのも有難い。武尊選手がもう少し若ければ、天心選手とキックで戦う事よりもボクシングの日本タイトル戦なんかで見たかったなーという関係無い感情まで。そしてこの今村選手と戦う事で、武居選手がいよいよボクシングでやっていけるかどうかの最初の関門という感じ。ただその心配は完全に無用・・・当たりが強い事で今村選手が躊躇した感じのところに、武居選手の右フックが出鼻や打ち合いで直撃しまくり。1RでいきなりKOフィニッシュで3戦3KOという上場過ぎるスタート。

WBC世界バンタム級タイトル戦「ノニト・ドネア(フィリピン) vs レイマート・ガバリョ(フィリピン)」
アメリカにてフィリピン人同士の世界タイトルという羨ましい一戦。
距離を詰めてプレスをかけてくるドネア選手に対し、ガバリョ選手のポジショニングが素晴らしい。フィリピン選手の技術力向上の目覚ましさがここでも見て取れ、"稼げる"という環境が何よりのトレーナーである明確な証拠。この日のドネア選手は右ストレートを中心に組み立てる戦法なのか、とにかくこの右がよく当たる。逆にガバリョ選手がドネア選手の右へのリターンに左フックを狙うという逆パターン。ただヒットするのはドネア選手の右と左ボディ・・・ガバリョ選手のリターン&カウンターはラウンドを重ねるごとに完全に見切られていく。ドネア選手のパンチが上下左右に散らされ始め、ガバリョ選手は完全に目測が立てられず戦術を見失い始める。そして4R終盤に多彩なショットの中に右ボディフック、左ボディフック×2を当ててのKOフィニッシュ。特に最後の左ボディフックにおいては、完全にドネア選手のフィニッシュブローである左フックへ備えていたのがはっきりと分かる体勢だった・・・ガバリョ選手はとても優秀で頭の良い選手だが、今回は相手が悪かったというのが正直な感想。いずれは世界を獲れる選手だろうと予想。

WBA・IBF世界バンタム級タイトル戦「井上尚哉 vs アラン・デュパエン(タイ)」
なんと解説に慎吾トレーナーが入るという豪華版。
戦術的には、プレデターと呼ばれるアラン選手が強引に入ってくると予想して距離を取るプランニングだったそうだが・・・試合はもはやそういうレベルの話しでは無い感じ。全ボクシングスキルにおいて相当の差があり、挑戦者のアラン選手がガードを固めて下がり続ける展開に終始。試合は8Rに井上選手のTKOフィニッシュで決まる訳だが、もはや下がる挑戦者を王者の井上選手が倒しきれるかというだけの試合。逆によく井上選手の気持ちが萎えなかったなというくらいのワンサイドゲームで、最後まで攻め続けてくれた井上選手にアラン選手は感謝しないといけない一戦だったと強く思う。慎吾トレーナーも中盤ぐらいからアラン選手のダメージの方が心配だったとコメント。試合後の各メディアへのインタビューにおいても、井上選手の顔は世界戦を8Rやった後とは思えないくれいに綺麗だったのが一番の印象。
タイの選手ってウィラポン選手以降、技術で戦える選手が一向に出てこない理由は何なのだろう。キックもそうなのだが、活躍出来るほぼ全選手が耐久力お化け。かつてはサーマート選手やプアカーオ選手のようなスタイリッシュに戦える選手など真似した事もあるが、ここ最近は多少の被弾はお構いなしという戦術の選手しか見た事が無い。かなりの経済発展をした事もあって学のあるまともな成人はムエタイを嫌うという話しを聞いて久しいが、こういう戦法は選手層が厚い事で初めて成立すると思うので益々心配な感じ。


ジム(Kick)12月興行

2021-12-14 | 日記
ジムから1名が参戦。

フェザー級3回戦「鎌田政興 vs 半澤信也(トイカツ道場)」
連敗脱出を図りたい鎌田の相手は当ジム的にも連敗中の相手である半澤選手。
1R積極的に仕掛ける半澤選手に対して中々リターンを出せない鎌田。歯がゆい展開ではありつつ、半澤選手も言うほど追撃してこない感じに助かってる雰囲気。時間と共に徐々に鎌田のリターンの数も出始めると同時に、練習してきた奥足ロー&三日月も当たり始める。2Rにはようやくパンチも出始めて上中下が決まりだし、2R中盤に打ち下ろしの右が決まって1ダウン先取。やはりここから粘る半澤選手だが、鎌田の攻撃にヒザも加わって2ダウン目にてフィニッシュ。
引退を賭けてきた鎌田にとって生涯の思い出になりそうな一戦。


ジム(Kick) Smashersチャンピオンシップ

2021-12-07 | 日記
アマ興行のSmashersチャンピオンシップに4名が参戦。

バンタム級Aクラス「鈴木涼太 vs 鈴木真太郎(エムトーン)」
脚を使って左右のローで距離を取る戦いが機能し始めるかと期待するも、すぐに相手の鈴木選手は距離を潰してパンチの連打で攻めてくる上手さ。鈴木は距離を取れない後の2の手が無く、その後も攻められ続けて1ダウンも取られての完敗。
フライ級Aクラス「緒方愁次 vs 正野宗一郎(ReBorn)」
開始から前に出る緒方だが、ミドルやヒザなどの大技単発で飛び込むため正野選手のリターンをもらい続ける展開。2Rになると余裕の出てきた正野選手のカウンターも決まり始めての完敗。
トーナメントフェザー級「堀井幸輝 vs 岸本翔龍(エボリューションムエタイ)」
ガードを上げてジャブからローで立ち上げる堀井の戦いは手堅いが、そこから先が無い。相手の岸本選手はコンビネーションを中心に時折5発以上の連打も入れてくる積極性。試合の展開は変わらずで判定にて完敗。
トーナメントライト級「蘭賀大介 vs 川満雅志(Rikix)」
開始から後傾立ちが気になる蘭賀・・・蹴りは出しやすいだろうがやはり肝心のパンチが出ない。相手の川満選手のリズムについていけていない場面も目立ち、脚が止まり始める後半にはパンチも多数被弾しての完敗。

今回出場したメンバーはアマ戦の戦い方が理解出来ていなかったかなと・・・これは普段から戦略&戦術レベルの思考が無い状態で練習してる証拠にもなってしまう。本番の試合時間やルールなどのレギュレーションを考えて、相手がどう出てくるかをパターン別にシュミレーションして練習する。蹴りの強さだとかスタミナだとか、自分目線のみのフィットネス思考になっていないか再認識する必要があるかなと。


Etc BBM スポーツトレーディングカード MASTERPIECE

2021-11-27 | 日記
ベースボールマガジン社が出しているスポーツトレーディングカードシリーズにおいて、75周年記念の拡販版「MASTERPIECE」が発売されると。
当然に野球が圧倒的多数ながら、オールスポーツ枠の中にプロレス&ボクシングが対象になっているらしい。そこにK-1出身の武居選手がその内の一人に入るという嬉しさ。一応未だ元キック選手という肩書きのある選手なので、井上尚弥選手や内山高志選手らに混じっては凄いの一言。
旧K-1亡き後、キック界には「世界王者」どころか「日本王者」すら確定出来ない時代が継続されている。もうこの先もこの状態は変えられないだろうと。武居選手や那須川選手のようにどんどん上位競技に挑戦してくれる事でしか、キックやMMAの評価を上げる事は難しいと思うので殊更応援したいと。
いよいよ買ってしまうかもしれない・・・。


Box バドゥ vs ショータイム

2021-11-22 | 日記
無事に録画観戦。

WBO世界ウェルター級タイトル戦「テレンス・クロフォード(アメリカ) vs ショーン・ポーター(アメリカ)」
待ち待ったスーパーファイト。
37戦無敗のクロフォード選手に誰が土を着けるのか・・・ポーター選手ならやってくれるんじゃないかという期待値。種類は違えど両者ともとにかく速い・・・そしてお互いの戦術のぶつかり合いが尋常じゃないレベルで、まさに最高レベルの戦いである事の証明。そして2Rの後半から見せる両者の凄まじいカウンター合戦・・・これこそポーター選手のディフェンスレベルが想像以上に高いからこそ成せる技。クロフォード選手の上下左右から来る高速カウンターをここまで外しきる事がどれだけ凄い事かと。
しかしポーター選手のフルアタックを何度受けてもクロフォード選手は絶対に崩れない・・・もはやマシーンかというくらいに徹底してカウンターを打ちまくる。ポーター選手にはこれ以上を求めようも無いくらいの戦いを見せてくれているのだが、クロフォード選手の100回打って同じタイミングを出せる機械のようなカウンターショットを封じる手立ては当方ごときには思い当たる術も無い。ついに10R再三決まりかけていた左のカウンターが直撃してポーター選手が1ダウン。立ち上がるもクロフォード選手にまとめられてのTKOフィニッシュ。
何と言うか井上尚弥選手とはまた違う完璧さ・・・メイウェザー選手のような兵法タイプでも無く、タイソン選手のような心理戦術タイプでも無い。もはやプログラミング動作を競い合うクローズドスキル競技者のよう。そして理屈では分かるが実際可能なのかっていうメジャー競技の世界で受ける絶望感に近い感覚。もはやボクシングの技術レベルが、そういう世界に到達しつつあるのかなーという願望と絶望の入り混じり。


Etc 健康スポーツ医学講習会

2021-11-10 | 日記
先のスポーツ指導者研修会の先生も話されていた「身体を勉強せずにスポーツ指導に携わるのは止めて頂きたい」というご指摘を忘れずにいきたいなという事で引き続きお勉強・・・今回はコロナで2年ぶりとなった医師会の「令和三年度健康スポーツ医学講習会(前期)」。ただでさえドクター用のセミナーなのにトータル13時間講習は厳しい。

先ずは女子栄養大学の津下先生による「スポーツ医学概論」。そもそもの❝健康❞の概念から始まり、ヘルスプロモーションやエンパワーメント等。加えて内科系疾患や整形外科系疾患に加えて認知症の予防・改善のためのエビデンスガイドライン。
お次は早稲田大学の川上先生による「神経・筋の運動生理とトレーニング効果」。電機刺激ではない随意的な活動である❝掛け声❞による筋力の増加という心理的影響の強さを、末梢性疲労や中枢性疲労のグラフで医学的に教えてもらう体験。加えて加齢による影響において速筋繊維の方が委縮しやすいという点、日常の歩行は運動効率が高過ぎて筋活動が殆ど無いという辛いお話しも。
お次は相愛大学の藤本先生による「呼吸・循環系の運動生理とトレーニング効果」。生理学的には最大運動能力の値を最大酸素摂取量のレベルオフの値で見る点。20歳で運動能力のピークを迎え、毎年1%程度低下していき70歳時点でおよそ50%まで低下する現実・・・ただベッドレスト状態では1日で1%低下する実験結果もあり、安静状態がいかに体力低下を招くかという事。現在の医療の術後早期にリハビリ移行する事への納得感。
お次は京都大学の林先生による「内分泌・代謝系の運動生理とトレーニング効果」。糖尿病改善のための運動原則が主な内容なのだが、考え方はそのまま一般人にも当てはめられる内容。
お次は長野県立大学の稲山先生による「運動と栄養・食事・飲料」。目指す目的はQOL・・・魚を食する事や主食・副菜・主菜・汁といったバランスの重要性。加えて日本人のたんぱく質不足の認識違いとプロテイン等の不要説明。
お次は西別府病院の松田先生による「女性と運動」。女性アスリートの三種徴問題や成長期のエネルギー不足問題等。興味深かったのが、女性アスリートの疲労骨折が筋肉量の多い選手ほど見られる傾向にある点。加えて海外の女性アスリートでは排卵のコントロールは常識となっている点なども。
お次は東京家政学院の原先生による「発育期と運動」。指導者は小児の内科的スポーツ障害の防止に努め、基礎疾患のある小児には保護者や主治医と協議する事など。面白かったのが体力テストにおいて男子のTスコアは低下の一途であるが、女子は近年まで増加傾向も見られる事。加えて肥満児の数も30年前に比べて3倍程度に増えている点も大問題。
お次は大東文化大学の太田先生による「中高年者と運動(内科)」。世界保健チャートにて、日本は所得や寿命においてダントツ世界一位・・・2位は小国のシンガポール。そして日常の利便が進み過ぎた事で、ここ数年スポーツ人口は増えてるのに糖尿病患者は増加傾向。人の老化のペースは一定ではなく34歳・60歳・78歳と多段階的に急激進行し、寿命は今後も120歳程度が限界値と。
お次は宮崎大学の帖佐先生による「発育期と運動」。児童の体力測定値は1985年をピークに下降の一途で、伸びているのは身長と体重のみ。しゃがむと後ろに倒れる等、運動器の機能不全レベルの問題まで。かつてならほぼ全員出来ていた動作テストにおいて、今や半分以上の児童が出来ないとする例がいくつも。先生はこのままでは40代でロコモを発症し、将来的には親が子を介護する事例が多発しかねないと。
お次はNTT東日本関東病院の大江先生による「中高年者と運動(整形外科)」。健康寿命の延伸にはフレイルより前のプレフレイルからの対策が重要。ロコモテストとロコトレの紹介等。
お次は早稲田大学の西多先生による「メンタルヘルスと運動」。メンタルヘルスの代表的疾患であるうつ病について、週1時間の運動で12%の発症が防げた可能性。レジスタンス運動にも抗うつ効果の可能性があり、そもそも運動をしていると思い込むだけで長寿の確認。トップアスリートにおけるオーバートレーニング症候群の怖さ等。
お次は聖マリアンナ医科大学の武者先生による「運動のためのメディカルチェック(内科)」。スポーツ参加を禁止すべき兆候やセルフチェックが出来るポイント等。
最後は国立スポーツ科学センターの奥脇先生による「運動のためのメディカルチェック(整形外科)」。メディカルチェックとアライメント評価。スポーツ外傷・障害予防の監視サーベランスシステムの代表例である❝The11+❞・・・サッカーのFifaが推奨する介入テストの紹介等。


Etc 千葉県スポーツ指導者研修会

2021-11-09 | 日記
ようやく今年1回目となる「令和3年度第一回千葉県スポーツ指導者研修会」に参加。

場所は千葉市にあるスポーツ科学センター。
前半は元国際武道大学教授の中島一郎先生による「障害者を対象としたスポーツ指導」。
あまり関係無い話しかなーとは思いつつ、今や国民の13人に1人である8%近くが障害者という日本。先生が話す通り、指導者は障害者スポーツを避けて通る事は出来ないという指摘にも納得。障害者スポーツの理念として・・・①アダプテッド・フィジカル・アクティビティ②人間第一主義③インクルーション④2つの物差し⑤エンハワメント等々。そして特に難しいと感じたのがコミュニケーションスキル。「向こう」⇒黄色の柱など、「いつでも」⇒何月何日など、「静かに」⇒このくらいの声でなど・・・とにかく具体的な指示でなければならないと。これは出来そうで難しい・・・。
後半は国士舘大学客員教授で日本スポーツ法学会名誉理事の鈴木知幸先生による「スポーツの指導法について」。
導入として、今年行われた東京五輪の裏話しを色々聞かせてくれて中々の衝撃。そして近年社会問題化したスポーツ指導の暴力事案から各種ハラスメント問題へ。こんなにあったか・・・と改めてショックを受けるくらいの数。よく言われる指導者が陥りやすい資質の中で、指導者の言語指導力の不足によるハラスメントは特に気を付けたいところ。そして重大なスポーツ事故判例から、事故原因と責任所在の事例の数々。そして前半の障害者スポーツと同じく、国民の8%を超えるLGBTQへの理解も避けて通れないマストな問題。更衣室などの施設対応において、理由や証明を問う事すら差別に問われかねないという見解には驚き。

目的の半分は単位の取得な訳だけど、継続勉強の大切さを久々に痛感・・・定期的に出席しようと。
ちなみに最近は「障がい者」という表記に変わってきているとの事だが、法律用語では変わらず「障害者」と書かれているそーな。この手の紛らわしい系は危険なので統一してもらいたいと強く思う。


Box 東日本新人王戦(準決勝戦)

2021-11-05 | 日記
知り合いの応援観戦に。

ミニマム級準決勝戦「 石垣芙季 vs 岩井 祥來(小熊)」
今回が新人王戦へのラスト挑戦になる石垣が無事に準決勝に進出。
開始から石垣がボディへのジャブから右クロスと上下へ散らす攻撃をヒットさせる上々の立ち上がり。その後も石垣は積極的に仕掛け、岩井選手は待ちのカウンター&リターンを狙う。石垣の踏込みは中々のものだと思うのだが、岩井選手のリアクションのスピードもかなり速い。2Rになると石垣のアタックが単調気味になってカウンターを合わされるシーンが続くも、岩井選手の度重なるプッシングは嫌がっているギリギリ感の証拠か。
顔面へのヒット数は明らかに岩井選手であり、しかもカウンター気味にもらっている事もあり石垣の腫れ具合からパンチもある感じ。だがボディへのヒットとダメージングは確実に石垣が取っている・・・このボディショットをジャッジが評価してくれるかが勝敗を別ける感じ。加えて3R後半になると石垣の攻めに変化が出始める。右ヘッドスリップからの逆ワンツーや右のダイレクト、ボディジャブからの左フック右ストレート・・・。決定打が出ない接戦において、この変化も印象の後押しになった気がする。最後はお互いが脚を止めて打ち合ったままゴングが鳴り、判定はジャッジ1人がドローながら石垣が見事勝利。これはもうジャッジに感謝したいというのが本音・・・石垣は課題も見えたが可能性の大きさも強く見えたという更なる期待。そして今年は後楽園飯店での発表会はあるのかも気になるところ。


Box ボクサー兄弟

2021-10-27 | 日記
BS NHKにて「ボクサー兄弟~二人で起こした番狂わせ~」を録画鑑賞。

田中亮明選手が五輪に向けてのトレーニングシーン・・・ボクシング人生で初めて弟の恒成選手を頼ったストーリーから。
バッグ打ちの20秒ラッシュを連続20本。ナレーション通り、まさに限界まで追い込んでる姿が痛々しいくらい。そして隣でミット打ちをする弟の恒成選手の半端ないスピードを見ながらも、お互いが練習中に会話する事は殆ど無いという。元々あまり仲は良くなかったようで、お互いに嫌いあっていたという意外な関係性。
リオ五輪の時は距離をキープする防御主体のボクシングを展開していた亮明選手だが、フィジカルで勝る海外選手にパワー負けする現実にスタイルチェンジを敢行。それまで殆どを独学でやってきたが、ついに弟の恒成選手を頼る選択。「バックステップは捨てる・・・それで良さが消えてもいい」と決意を話すと、恒成選手が兄が負けた試合を分析していたメモを明かすという泣けるシーン。「脚が止まる、リターンが遅い・・・」ダメ出しの連発を無言で聞き入る亮明選手。そこから恒成選手と同じトレーナーに師事を仰ぎ、スパーリングも恒成選手が買って出た。
そして五輪本番で亮明選手は攻めのボクシングを貫いてみせる。開始1Rからフルアタックの連続・・・中盤から下がり始める海外選手を追い続ける気力と体力の充実ぶり。メダル確定である勝利のコールを受けると同時に膝から崩れる亮明選手の姿に改めて感動・・・そーいえばリアルタイムで見たのは病院のベッドだったなーという感慨にもふけられた。守りの天才である井岡一翔選手に攻めのボクシングを貫いて負けた恒成選手に「次はお前の番だ・・・」と話す亮明選手のセリフが印象的だった。

自分も兄弟で格闘技をやってきた生い立ちなので、程度の差こそあれ気持ちは何となく分かる気分。共に試合も出たし、スパーも散々やってきた。むしろサウスポーの弟とやり過ぎて、オーソよりサウスの方がやり易くなってしまった時期があったくらい。トレーナーである自分が言うのも何だが、やはりスポーツにおいて家族のサポートに勝るものは無いなと再確認させて頂いた。


ジム(Kick) 10月興行

2021-10-18 | 日記
今回はジムから1名が参戦。

フェザー級3回戦「山本太一 vs 半澤信也(トイカツ道場)」
山本にはこの試合も勝って射程圏内入りしてもらいたい期待感。
試合の立ち上がりは今回も順調・・・技術で戦える安定感がいよいよ板に付いてきた感じ。2Rになると少し距離が接近して打ち合う場面が増え、先にダウンを先取したのは半澤選手だが再開後に山本もすぐに1ダウンを取り返すシーソー。山本は単発ながら要所を抑えるカウンターをヒットさせてポイントメイク。半澤選手は数発カウンターを受けるも半ば焦点が合わないような状態ながら、唸り声を上げてパンチとヒザでプレスをかけてくる。ジャッジがどう評価するかで採点が分かれそうな展開のまま試合終了で、残念ながら判定は半澤選手へ。確かに半澤選手の頑張りはジャッジへの訴求効果十分だったと認めざる負えないかも。

今回は試合前のバンテージ混乱や試合中のファールカップ落ちと、山本には不完全な状態で試合をさせてしまった反省・・・。自分らセコンドこそもっかい気を引き締め直さないといけないと猛省。


Box ブロンズボンバー vs ジプシーキング

2021-10-10 | 日記
無事に録画観戦。

WBC世界ヘビー級タイトル戦「デオンテイ・ワイルダー(アメリカ) vs タイソン・フューリー(イギリス)」
44戦1敗のワイルダー選手と31戦無敗のフューリー選手が早くも3度目の決着戦。
ファイトマネーだけでなく、PPVやゲートインカムなど興行側の収入記録も塗り替え続けている両選手・・・2M男達の世界最強を決める決着戦はもう少し引っ張っても良かったよーな。演出面でも米英の国家斉唱はやはり一味違うなーとアガっていたところに、レノックス・ルイス選手やマイク・タイソン選手など米英スター選手のカッコよ過ぎる映像が。そして両者ともに第一戦より10㎏近く増量した身体で入場でも魅せまくってくれる・・・特にフューリー選手の入場はもはやトニー賞レベル。
試合は開始からワイルダー選手がプレスをかける・・・第一戦のようなプレスをフューリー選手にかけられるのかがポイントだろうと。逆に言えば第二戦のような展開になれば、対応力を増してきているフューリー選手が圧倒する可能性すら。初回からオーバーペースかと心配になるくらいに打っていくワイルダー選手だが、フューリー選手のステッピングが完全に中量級レベル・・・ダブルのバックステップからスリッピングアウェイとか2Mの身体で出来る技じゃ無い。必死感さえ漂うワイルダー選手の攻撃に対し、無情にも右クロスを合わせた1発でペースをグリップしてしまうフューリー選手。ジリジリと押され始めるワイルダー選手に、3R後半フューリー選手が右ショートをテンプルに当てて1ダウン先取。ワイルダー選手はゴングに救われながらも、次のラウンドにステップを捨てて打ち合いを仕掛けてきたフューリー選手に右ストレートを直撃させ2ダウンを取り返す。しかし結果論になってしまうがワイルダー選手はここで仕留めたかった後悔・・・これ以降フューリー選手は右の直撃を1発ももらってくれなくなり、徐々にワイルダー選手の消耗ぶりが顕著になっていく。前回同様に口や耳からの出血も始まって、ラウンド終盤には常にフラフラ状態に。もう終盤は殆どの時間でコーナーを背負っての戦いを強いられ、10Rと11Rにダウンを喫して最後はKOフィニッシュという完全決着に。出来れば今回ワイルダー選手が勝って第四戦なんてのも・・・。
今回は両者ともにはっきり見て取れる進化が素晴らしい好ファイトに昇華・・・ワイルダー選手は増量した身体でフューリー選手お得意の揉み合い対策をかなりやってきた感じだし、フューリー選手もダブル&トリプルで踏み込んでくるワイルダー選手の射程距離への対策を万全に強化していた。

それにしても両者ともボクサーとは思えないキャラ力の強さとファンサービス。会見でのフューリー選手のファッション、計量でのワイルダー選手のウインク・・・プロレスラーに負けずとも劣らない存在感が凄過ぎる。ぜひ引退後はハリウッドへ。


Box チョーズンワン vs プロブレムチャイルド

2021-10-05 | 日記
無事に今ごろ録画観戦。

WBC・WBO世界女子フェザー級タイトル戦「アマンダ・セラノ(プエルトリコ) vs ヤミレス・メルカド(メキシコ)」
7階級王者のセラノ選手に、Sバンタム級王者のメルカド選手が挑戦する一戦。
開始から攻めるセラノ選手に対して、メルカド選手はサークリングしながら時折ビッグパンチを打ち込む展開。女子戦のラウンド2分らしく、スピーディでポジショニングも目まぐるしい。解説の亀海氏が2分だから楽なのではない、という指摘に強く納得。お互いにディフェンスレベルが高いため、共に積極的にボディショットをコンビネーションに組み込む。終盤になるとメルカド選手のボディへのダメージが明確になり、左ほほからの出血もあってワンサイド状態へ。やはりセラノ選手の強さが際立っての試合となり完勝。

クルーザー級8回戦「タイロン・ウッドリー(アメリカ) vs ジェイク・ポール(アメリカ)」
UFCの元ウェルター級王者のウッドリー選手とユーチューバーのポール選手の一戦。
元UFCとユーチューバーという事で、入場からいつものボクシングの雰囲気じゃ無い感じ。ユーチューバーといっても3戦無敗のプロボクサーな訳だが、ポール選手は右リードも速いしワンツースリーで追っかけるシーンなど身体能力の高さが見て取れる。ポール選手の多彩なパンチにウッドリー選手が中々ペースフリップ出来ないまま時間が経過。ただ中盤になるとポール選手の動きが緩慢になるシーンが多くなり、ウッドリー選手の照準が徐々に合い始める。だが残念な事にウッドリー選手のガスも切れ始めて後半はお互いに失速気味となり、スプリットながら前半のリードを守ってポール選手が勝利。

最近UFCからのボクシング転向が盛んで両方のファンとしては嬉し過ぎる状態。日本のボクシング界は嫌がりそーだが、当方は素晴らしい事だと思う。今やUFCは興行的にも実力的にもボクシング界と遜色無い事は間違い無い訳で。今回のユーチューバーにしたって、きちんとライセンス取らせて試合してる訳だから何の問題も無し・・・ファン的にも大歓迎しか無いと。
それにしても解説の飯田氏や亀海氏がキックや格闘技の話しをしてくれるだけで貴重な回だったなと。実況の高柳氏のナイスパスが冴え渡りまくっていた神回。