うつぶせのままで

気の触れた友達との毎日の出来事、あの日の些細な思い出を、面白おかしく誇張する。更新は、力を抜いて、うつぶせのままで。

映画と、映画と漫画と小説等の自分なりの面白さの考察の話。

2006-02-16 23:55:20 | 日々

映画を観た。


SAWを見たよ。


かっこよく言えばSAWをSAW。



映画はviewですか。




思ったよりグロくなくてとても面白かった。
脚本もどんでん返しどんでん返しでとてもよかったと思う。
ハッタリがとてもよく利いていて、感動した。

自主制作とか言ってたけど、そこらの映画より全然完成度が高い。
確かに突っ込みたくなるところは多いけど、流せるくらい。
カーチェイスのシーンは相当笑った。
低予算出すぎてて。
でもそんなに気にならないところもいいね!





さて、ぼくの、映画というか小説なり漫画なりで一番注目、というべきかその作品を作るうえで大きな存在になると思うのは世界観とハッタリの利かせ方である。



世界観とはそのままで、作品上の世界観。
この世の創作物は広い意味ですべてフィクションである。
それが実話に基づいたもの、あるいは実体験を綴ったものだとしても。
その中で、どういう風に説得力を持たせるかということである。
ドラゴンボールの「気」だとか「スーパーサイヤ人」も広い意味でこれに当たる。

ハッタリとは何を指すかと言われると、これだ!と断言出来るものはないのだが、独自の設定でありながら、説得力があるもの。
ストーリーの見せ方に主に関わる部分である。




さて、作品の中での世界観が矛盾していると、どうしても興が削がれる。
ここを詰めない限り、その作品の完成度は著しく劣ったものになってしまうだろう。
ここが作品の根幹であり、考えるのが一番難しいところでもあると思う。


さらに、その筋立ては二つに別れる。
一つは、「完全にファンタジー物」、もう一つは「実際の世界観を残しつつ、更なる創作を加える物」。
両方は違うものとして世界観を確立しなければいけないが、各々でその過程は違い、双方ともに難しい。

例えば、「ロード・オブ・ザ・リング」や「ベルセルク」などの「完全にファンタジー物」で難しい部分。
二重で難しい。
それは全くの無から世界を確立しなければならないのにも関わらず、今ある言語なり絵なり映像で説明しなければならないこと。

魔法という実際にはありえないものを世界の中で普遍に表現するためには、その世界でどういった定義をされて、普段どう使われて、人々の間での扱われ方など、多くを決めておかなければならないだろう。
それが実際作品に反映されるかどうかは別としても。

そして、それを受け取る側にわかるように説明できなければいけない。
これも中々難しい。
下手をすると説明臭い描写になるし、説明しないとこちら側にまったくわからない難解なものになる。

「ワンピース」などは、話が進むにつれて、例えば海賊が普通にいたり、グランド・ラインだとか賞金首がいる世界だというのを描いている。
だがやはり、途中説明臭くなる箇所もあるだろう。


「実際の世界観を残しつつ…」というのは、学園超能力ものだとか、歴史もの、タイムスリップものなど、まあほとんどの作品ががこれに当たるだろう。
これはこれで難解である。
なぜならば、現存のものをモチーフにして更に上塗りをするわけで、つまり、現在の世界観が崩壊するような矛盾をするわけにはいかないから。

しかしこれは程度問題もあり、よっぽど下手なことをしない限り矛盾は回避できるといえよう。




「ハッタリ」はというと、前述した通り、そのストーリーでの見せ方や、幹となる設定である。
それはジャンルによって異なる。

今日観た「SAW」であれば、「見知らぬ二人が密室に閉じ込めれられる」という設定。
そして、「犯人の目的と犯人自身は誰なのか」という部分。
サスペンス・ミステリーなので、こういった形になる。
新本格のミステリー小説であれば、「密室で殺人が」「閉ざされた山荘で」「ダイイングメッセージが」「首だけ切られた死体が」とかいうもの。
つまり、ハッタリを利かすということ。

大事なのはその後の整合性。
ここでちゃんとした整合性、もしくはきっちりとではないが納得できるような形の整合性が必要。
それが上手くいっていたら「いいハッタリ」ダメなら「悪いハッタリ」というぼくの中での基準。

バトル漫画等であれば、スゴイ能力を持ってる敵(ハッタリを利かせて)を、主人公がどういうふうに倒すか(ハッタリの完結)ということになる。
ドラゴンボールのフリーザ戦はそこがとても良かった。




というわけで、自分なりの創作物の楽しみ方の定義が今出来たので、なんだか少し嬉しい。
実はこの文章、書きながら考えていたので、うまくまとまってよかった。
普段から何気なく考えていたけれど。
まあ、あくまで現時点での考察。
変わるかもしれん。


ただ、これは面白い作品の最低条件であって、好きな作品となるとまた別の要素が絶対に必要であろう。
もう少し考える余地はありそうだ。



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