最近読んだ本と、映画を。
小説
糸井重里/村上春樹・・・「夢で逢いましょう」
東野圭吾・・・「名探偵の掟」
綾辻行人・・・「暗黒の囁き」
高田崇史・・・「QED 百人一首の呪」
映画
「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」
「夢で逢いましょう」は普通。
時々くすりとするくらい。
直木賞をとった東野圭吾の「名探偵の掟」。
ミステリー小説の不自然な部分をおちゃらけて書いたやつ。
まあ面白かったけど、特に感想はなし。
囁きシリーズ第二弾「暗黒の囁き」
間違って二冊所有。
しかもあんまり面白くない。
最初からある程度先が予想できて、なおかつそのまま捻られずにラストへ行ってしまったので肩透かし感あり。
別に綾辻行人が書く必要がない内容。
高田崇史は初読。
結構面白かった。
印象としては、京極夏彦の薀蓄とS&Mシリーズのような掛け合いを2倍で薄くして、カクテルを足してパズル性を前面に押し出した感じ。
次の本も読んでみたいと思う。
デビュー作にダイイングメッセージを持ってくる辺り、そしてそのハッタリがまあまあ利いてる辺りはとても好き。
「グッド・ウィル・ハンティング」って主人公の名前だったことに一番びっくりした。
どんな文法かと思っとった。
天才のゴロツキが青春する話。
マット・デイモンもベン・アフレックも今より断然よく見えるのは何故だろう。
若さゆえか、今の彼らがあんまり好きじゃないだけか。
こういった青春映画や感動映画はやっぱり何作見ても、もう一回見たいと思わないんだよね。
ほらほらここが泣きどころでっせ~!って気持ちが見えてイヤ。
もちろんそうじゃないものもあるけどさ。
最近泣ける本とか泣ける映画とか流行ってるけど、それって(誰が言ったか忘れたが)オナニーしたいからエロ本買ってくるような行為と同じだよね。
目的と手段が逆になっとるばい。
そもそも、泣けるというのは本や映画に対する感想の一部分なわけで、そこに特化した作品を作るのは構わないんだけれども、そこに特化して本や映画を観るという行為が信じられん。
「わたし感動する映画に目がないんです~」とのたまう輩は「感動=泣ける」とほぼ勘違いしているとみなして良いと思う。
ただ悲しくて泣いてしまうようなものと、複雑な感情がないまぜになって泣いてしまうのとでは全然違うと思うけれど。
そんなにみんな泣きたいのかと思ってしまう。
ぼくが思うに、泣いてる自分に酔ってるだけちゃうんかと。
そんなに悲しい思いをして泣きたいんだったら保健所行って犬猫が殺されるところを見てくればいい。
泣ける映画だけじゃなくて、ストレスが溜まってる人のために思わず怒ってしまう映画とか作ればいいのに。
「全米が震えた(怒りで)!」
「この怒り、何物にも代えがたい!」
「血管切れずには観られない!超大作ここに登場!」
「全米ナンバーワンヒット!今年一番の激昂!」
とか、色々コピーも考えられる気がする。
それと単純に、人を笑わせるよりも悲しませる方が簡単なんだろうな。
人の何かに対するアウトプットの感情表現としての悲しみと笑いでは、悲しみの方が多くの人に共通しているように思う。
あれだけお笑い芸人がいるのに、相当好みがわかれているからね。
ぼくもエンタの神様に出てる芸人はほとんど嫌いです。
悪い意味ではなくて、悲しみの方が笑いよりも単純化して見える。
去年世界で一番面白かったジョークとか俺あんまり面白いと思わなかったしな。
そうすると、映画というジャンルに限らずだけど、みんなが笑えるものを作るのは難しいのかもなぁ。
ちなみに、ぼくが面白いと思うものの基準は、ぼくが熱くなれたかどうかに寄る部分がとても大きいのだけれど、未だに自分でもその「熱さ」の定義がしっかりできていない。
よくそれを考えながら映画観たり本読んだりしてるのだが、どうにもこうにも一定しない。
それこそ、感動もののストーリーでも熱くなることはあるし、それが「うしおととら」を読んだときの熱さと同じものであることは間違いなさそうなのだが、何でそう感じたかをしっかり定義できないところがもどかしい。
ぼくは一体何に心を震わせているのだろうか。
いましばらく自問自答が続きそうだ。
まあほとんどみんなわかったろうけど、ぼくが泣ける映画が嫌いなのは「泣ける映画を好きと言ってる奴が嫌い」というのと、多少の天邪鬼精神、そしてどうにも、ぼくが結構泣きやすいから見たくないのだ。
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